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俺、神様になります  作者: 昼神誠
少女と神
135/592

このコロニーはどこかおかしい14

「なんや……あれ?」

「培養カプセル……あたしもここで生まれた」

「ばいよ――? はぁ……人間ってこうやって作られるんやな」

「ん……あたし以外は違うよ。それより、ホークが何でカプセルに?」

「ホークってあの中で寝ている人か?」

「そう……あたしを作った人」

「へぇ、あれがナデシコの母ちゃんなんか? 全然、似とらんな」

「血は繋がっていないからね」

「そうかそうか、ナデシコも大変な家庭環境におるんやなぁ」


 ホークの入っている培養カプセルの制御盤を見ると治療は完了しているが、スリープモードになっているようだ。

 このままじゃ、ホークがずっと眠ったままになってしまう。


 ピッピピ


 制御盤を操作し、培養カプセルからホークを取り出す。

 近くのベッドに連れていき、そのまま寝かす。

 培養カプセルから出したから、そのうちに目が覚めるだろうし放っておこう。


「ん……んん……」


 思ったより早く目覚めたね。

 

「こ……ここは……」

「ホーク、おはよ」

「貴女が……助けてくれましたの? あら、あの子たちは……そう帰ったのね」


 ホークの意識はユーナ姉と雪が培養カプセルで治療を受けているところで止まっているようだ。

 ホークにはディーテのやらかしたことを伝えるべきだろうか?

 ま、ディーテを目覚めさせた責任は取らせたいけど、ホークも反対していたみたいだし……元凶は勇者にあるよね。

 でも、ディーテによって町一つがこの世界から消滅したことは知らせておくべきだろう。


「やはり、そうなりましたのね……」

「ん、あいつを何とかする方法はない?」

「ありませんわ……神族相手に人族がなす術もないことは貴女も知っているでしょう」

「いちおう、聞いてみただけ」

「でも、責任は取らないといけませんわね……」


 ホークがベッドから起き、パソコンを操作しながら浮かない表情をする。

 本人もホスピリパの人たちに悪いことをしたって思ってくれているのかな。


「はぁ、あの雪って娘のコピーは能力の継承度が低いですわね……オリジナルはディーテのせいで……はぁぁぁ」


 全然、そんなこと思っていなかった!?

 やっぱり、責任とってもらうべきかな?


 ザ……ザザッ


 放送かな……スピーカーから何か聞こえる。

 

「勇者城の各防衛隊に連絡します。純潔の使徒様からのご命令通り、定刻にコード475を発令します。繰り返します……定刻にコード475を発令します」

「もう次から次へと……私の言った通りになっているじゃない!」

「コード475か……」


 そういえば、ディーテはこの勇者城の留守とスライムの討伐をホークと一緒に勇者から頼まれていたはず……コード475って各自判断って行動せよっていうことなのだけれど、ディーテが人間の言うことを聞くはずもないって言っていたホークが心配した通りのことになっているようだ。

 ホークはすぐに電話を使いコード475の撤回を申請する。


「ええ、ですから後は私の命令で任務をこなしなさい、良いですわね」


 電話で今後の予定を伝えている間に、ホークが電源を入れたままのパソコンであたしは、ディーテの位置をこっそりと確認する。

 ……ユーナ姉やダリア・ニーニャの抹殺を最優先で行動!?

 ユーナ姉やオリジナルをサーチしても、HPが観測されないことと関係しているのかな……まさか、ディーテに追われて別の世界へ逃げた?

 雪を優先したいけど、ユーナ姉も放っておけない。

 それに相手がディーテならユーナ姉やオリジナルまで……そんなことは絶対にさせない!

 でも、どこへ行った……過去?

 いや、過去は無いか……一度跳んだら、この時間軸とはまったく異なることになってしまう。

 それなら、候補としてはオリジナルの世界……それとも、別の異世界?

 そもそも、ディーテに時空間を渡る能力は無いはず。

 あくまでホークの情報からだけど……どういうことだろう?


「あら、勝手に人のパソコンを触らないでくれます?」

「ん……ディーテの行方が気になって」

「ディーテを追ってどうするつもりですの?」

「決まってるでしょ? 確実に殺す……慈悲も与えずにね」

「本気?」

「もちろん、あたしはホークに作られた存在。だから、この世界の理の外にいるのは、すでにディーテを攻撃して理解した。あたしに天罰は下らなかったよ」

「なるほど……ホムンクルスなら神族に対抗できる……ふふっ、最高ですわ」


 あっ、余計なことを言ってしまったかな?

 

「それなら、私も協力させていただきますわ。特にディーテはこの世界にとっては大いなる災いの種となる存在ですもの。勇者様はどうにかできると言っておられましたけどね……」

「協力って何をしてくれるの?」

「まずはディーテの居場所はここですわ」


 ピピピッ

 

「な、なぁ? ナデシコ、ここに映っているの何やねん……見たことないで」


 ミミがあたしの肩に乗り、見るように指をさす。

 モニターに映し出されているのは勇者城の最上階みたいだ。

 確か変な機械がいっぱいあるんだっけ。

 機械から流れている魔力で空間が割れている映像?

 割れた部分から見える風景は……あたしの記憶にある。

 あれはオリジナルの故郷であるコロニーだ。

 まさか、最上階にある変な機械って異世界に渡るための機械?

 そんな機械を作って何をするつもりだったのだろう?


「あの機械はまだ試作機ですの。まさか、ディーテが勝手に使うとは思いもしませんでしたわ」

「あんな機械を作ってどうするつもりだったの?」

「もちろん、勇者様がこの世界を統一した後の領土拡大のためにね……」


 そんな厨二レベルのことを考えているなんて、やっぱり今の勇者って頭がどうかしているとしか言えないかも。

 ダリアの世界の軍隊は最強だろうし、そもそも科学力のレベルがまるで違う。

 下手な喧嘩を売ると、こっちの世界が逆に支配されそうだけど……そのほうがこの世界にとっては良いかも。

 

「ほら、ナデシコ! あの割れたところから見えるところに、ちょいちょいと人が映り込むんや」

 

 ミミの言った通り、誰かが一瞬だけど映った。

 でも、コロニーなら住人がいっぱい住んでいてもおかしくないし。

 あたしはそれよりも瓦礫がやけに目立つのが気になる。

 ダリアの故郷のコロニーってどこかと戦争でもしていたかな?

 地球連○軍とまた再戦でもしているのかな?


「ほれ、見てみ! 次は羽の生えた人間やで!?」

「ディーテだ……それにディーテを殴っているのは……お……父さん?」

「お父さん? ナデシコ、親子そろってバケモンやな。一方的に殴りつけているやんけ」

「へぇ、ディーテを一方的に殴りつけるなんて……向こうの人間はやはり侮れませんわね」

「あれは闘狂斗っていう技なの。それの表の型、二十三苦。あれならディーテも倒せるんじゃないかな?」

「表ってことは裏もあるんか?」

「もっと残酷な技だけどね。お父さんが自分で作っておいて封印したほどのがあるよ。裏の型を使うことは一生無いって言っていたくらいだから」


 そのときは勝ちを確信し、あたしはただカメラを見つめているだけだった。


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