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俺、神様になります  作者: 昼神誠
少女と神
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このコロニーはどこかおかしい11

 ニーニャの表情が怒りに満ちている。

 自身の身体の痛みも忘れるほどの憎い相手なのね。


「ふふふ……汝らがブレスから逃れたのは、すでにわかっておったからのぉ……なんせ、死者の数が足りんかったからの」

「……油断をしていました……死者を眷属にできる貴女には見えてい……ゴホッゴホッ!」

「ニーニャん……やっぱり、まだ寝ていたほうが……」


 ユーナがニーニャを介抱しヒールで治療をする。


「当たり前じゃろう……小細工上手な大罪人の娘がおらんのはすぐわかったぞ……後始末をガールンの坊やに任せたのは失策じゃったがな」


 ニーニャがディーテを睨み付けながら問いかける。


「どうして、私たちの居場所を知っているのですか?」

「ふぅ……神に何度も質問とは良い度胸じゃが……まぁ、いいじゃろう。ガールンを倒した褒美じゃ……ふふふ、喜べ。汝の母に聞いてやったからの……」

「えっ……?」


 ルーシィに聞いた!?

 どういうことなの?


「ちょっと、どうしてあんたが私の家を知っているのよ!? まさか、ルーシィさんに何かしたのでは無いでしょうね!」

「今頃は汝の家ごと粗大ゴミになっておるかもな……あっははは!」

「お……お母さんが……」

「そうじゃ、ガールンを連れて来たついでに遊んでいたおもちゃも返してやろう」


 ドサッ


 えっ……真っ黒に焦げているけど、あれって人……よね?

 ちょっと待って……あの特徴的な髪留め……まさか!?


「モ……モナ先生!?」

「えっ……モナ!?」


 近くに寄りモナ先生を抱き寄せる。

 何とか生きているようだけど……すでに虫の息だ。

 酷い……先生は無関係なのにどうしてこんなことを平然とできるの?

 

「この人は関係無いでしょ!」

「何を言っておる? 人間はどこの世界にいようと神のおもちゃじゃ」

「ゆ……許せない! 私の腕やニーニャんを治療してくれた人なのに!」

「ほう……許せないとな? 大罪人の娘、だったらどうするというのじゃ? 逃げるだけで精一杯じゃった汝らが妾相手に何ができるのじゃ?」


 残念だけど、確かにそうだ。

 また、ドラゴンにでもなられたら……それこそ勝ち目なんて無くなってしまう。

 モナ先生……本当にごめんなさい。

 私が巻き込んでしまった。

 モナ先生だけじゃない……ベネットやコロニーの住人の多くが……ディーテの遊びという虐殺をしたせいで!

 

「ディーテ! あんたが町中の人を破裂させたのよね!?」

「どうじゃ……素敵なプレゼントじゃったろう? どうやら向こう側から来るときにうっかりと悪霊も一緒に連れてきてしまったようでな……あっははは! じゃが、想定していたより死者が少ないことには驚いたぞ。こっち側の人間は精神力が意外と高いようじゃな……あっははは!」


 絶対に許せない!

 ディーテのせいで私のコロニーが……大事なクラスメイトや学校の仲間……町の人々が……まったく無関係な人たちを次から次へと虫けらみたいに!

 

「いっててて……何だぁ? コロニー内で雷に撃たれるとは思わなかったぜ」

「オジサマ!?」

「ほう……さすがにガールンを倒しただけはあるようじゃな?」


 オジサマがいれば、ディーテも倒せる?

 楽観視じゃないけど、ガールンのときも本気を出しているようには見えなかったし、今はオジサマしか頼れる人もいない。

 

「オジサマ……お願い! コロニーの人たちのためにあいつを倒して!」

「んぁ……どういうことだ? 嬢ちゃん」

「コロニー内で住人たちが破裂したのはあいつのせいなの!」

「そうよ……それにリュージや欽治を殺したのもあいつなの!」


 ちょっと、ユーナ……欽治のことは言ったらダメだって!


「今……なんつった? 嬢ちゃん……あの女神さんが欽治を殺した?」

「そうなの、あいつも龍化してブレスでホスピリパの町ごとみんなを!」

「おいおい……マジか? 嬢ちゃん」


 オジサマが私のほうを見て確認してきた。

 ユーナがはっきりと言ってしまった以上、へたに隠すと嘘がバレたとき余計に傷を付けることになるかもしれない。


「オジサマ……この前は今の欽治君のことを言えなくてごめんなさい。ユーナの言ったことは本当のことです」

「……そうか」


 あれ……思ったより傷付いてないのかな?

 自分の娘……じゃなかった、息子が殺されたのよ。


「ふむ……話を聞くに、どうやらそこの男はあの剣士の父親じゃったか? なるほど、確かに似ておるわ」

「おめぇ……欽治のことを知ってんのかい?」

「確かに覚えておるぞ、妾に剣を向けた人間は久しいからの……じゃが、所詮は人間じゃ。町ごと破壊してやったら塵も残さず消え去ったわ、あっははは!」

「ふぅ……そうかい。嬢ちゃん、雪はどうなんでぃ?」

「雪は……確認ができていませんが生きている可能性は高いと思います」

「ああ、確かに生きておるぞ……死霊の数が足りんかったらの。妾の攻撃から逃げた人間が他にもいるとは驚いたがの……」


 雪はやっぱり生きていたんだ……でも、ディーテの口からそんなことを聞かされるなんて意外だったわ。

 

「じゃが、そうか……その雪とやらも関係者じゃったか……ふふふ、向こうに戻ったら真っ先に消して後を追わせてやろうぞ!」


 このイカれた女神め……そういうことか!

 あの病室にいなかったから無関係なのに、欽治の妹とわかっただけで関係者になるなんて……相変わらず、ぶっ飛んだ考えね。


「……女神さんよぉ、雪にだけは手を出すな」


 オジサマ……えっと、欽治に関しては怒らないの?


「無駄じゃ……神族に危害を加えた人間は血を絶やすことが習わしじゃ」

「とめても無駄ってわけか?」

「そう言うことじゃ」

「そうかい……女神さんの身体を気遣って、忠告をしてやったつもりなんだがな」


 えっ……オジサマ、それってどういうこと?


「ほう……妾に忠告とは、ほらも吹けるようじゃな」

「……雪に手を出すことは放っておいてやる。手出しをしたことを後悔するのはあんただしな」

 

 何のことなの……オジサマ、教えてよ。


「……で、次の件だ。コロニー内で発狂、破裂した奴らも女神さんの仕業って嬢ちゃんから聞いたが?」

「ああ、本当じゃ。こんな人間の臭いが充満した筒ごと壊してもよかったのじゃがな」

「ほう……ってこたぁ、俺の門下生をやったのもあんたってことになるな」


 えっ……道場にいた門下生の中にも被害者が?


「わざわざ踏みつぶした蟻の顔を確認する奴がおるか? お前の弟子など顔も知らぬわ」

「なるほど……道場破りってわけじゃねぇわけだよな? なら、女神さんも死んでも良いってことでいいか?」

「何を言っておる……ガールンを倒しただけで粋がっておるのではなかろうな? 妾も倒すつもりか? あっははは、面白い冗談じゃ!」


 道場破りだったら、生かすつもりだったのかしら?

 まぁ、道場主だもんね……道場破りは決して悪いことじゃないみたいだし。

 でも、ディーテはそうじゃない……無慈悲な大量虐殺者だ。

 オジサマはそれを確認して、何をするつもりなのだろう?


「……二十三人だ」

「何がじゃ?」

「俺の大切な門下生の亡骸だ」

「ほう、それだけで済んだのは幸運じゃったな」

「女神さんにも二十三人分の苦痛を味わって死んでもらうぜ?」

「……できると思っておるのか?」


 ドゥッ!


 オジサマとディーテの間で瞬く間に空気が変わる……オジサマが何か攻撃を仕掛けるつもりだろう。


「ここは危険だし、少し離れましょ」

「うん……ニーニャん、動ける?」

「……お母さん」


 ルーシィのことが相当ショックのようだ。

 当然か……母親を殺されたのかもしれないものね。


「ニーニャ! まだ、ルーシィが死んだって確認していないでしょ! しっかりしなさい!」

「……ダリアさん?」

「今はその悲しみを怒りに変えなさい! やった奴は目の前にいるのよ! やられたらやり返しなさい! ここは向こうの世界とは違うわ! 人が神に手を出せない制約なんて無効よ!」


 報復なんて本当は好きじゃないんだけど……あいつは別だ。

 人を殺し過ぎた……本人にとっては楽しんで蟻を踏み潰す感覚なのでしょうけど、それならこっちだってそれなりの対応を取らせてもらうわ。

 ユーナとニーニャを掴み、少し離れた場所へ跳ぶ。

 オジサマが初めて構えを取った。

 そういえば、欽治は剣士だったけどオジサマはずっと素手よね?

 流派も剣術なのに、武器も持たないでその武術が使えるのかしら?

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