本編は終了いたしました。
田舎と言っても、まあ混むわな。朝のラッシュの時間だし。学生さんも社会人さんもみんな同じもんを待ってる。友達と話に花を咲かせている学生達さんよ、ちょっと音量調整に失敗しちゃったね。隣のおっさん、白い目で見てるよ。
楽しいのは今だけだもんな。学生諸君よ。まあ、せいぜい楽しんでくださいよ。卒業した後は特に楽しいことなんかねーもん。2年弱しか社会人してないヤツの感想ですけども。
-----あ、来たみたいだね。噂には聞いてたけど、ホントにすし詰めだ。ぎゅうぎゅうになっちゃっててさ。
学生時代も社会人してたときも電車使ってなかったから生でみたの今回が初めてだわ。いやー、感動感動。
それでもまだまだ人は引かないねー。人気もんですね、電車。私とは大違いだわ。
しっかし、平日の朝にブラつくなんてなんか悪いことしてる気分になるね。働いてたときは平日は出勤日だったし。
もう関係ないけどさ。
ああ、そういや今日は水曜日。映画がお得だっけ。
なに見に行こうか。片っ端から観ちゃえばいっか。もう、『早く』なんてしなくていいんだし。のーんびりいきましょうか。ねぇ?
三次元で生物として営みを続けるにあたって、永遠なんて存在しない。誰しも等速で年齢を重ねていく。
だけど、老いる身体はもうここにはない。
「なあ、どうよ、今の私。女優さんよりもよっぽど透明感があるっしょ?」
なんて、言ったら目の前のおっさんは文字通り私をスルーしていった。