冒険者登録
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「じゃあそれでお願いします。」
Aランクとかいう最弱クラスの魔物のくせに1つ大金貨5枚で買い取ってくれるなんて!初めてだからご祝儀の意味合いが強いのかな。人情に溢れたやさしい人たちだ。
「はい。では大金貨5枚用意いたしますね。」
「あ、ちょっと待って、まだいるから。」
「・・・え?」
後出しジャンケンみたいで少し申し訳ないけど・・・・残り6匹を取り出して並べる。一匹増えるごとにお姉さんの顔が青ざめていくけど、レッドウルフにトラウマでもあるのだろうか。
それを見ていた冒険者達はいよいよジッとしていられなくなったようだ。本物だとか、買ったんじゃねえかとか、たまたま拾っただけだろうとかなんとか。そりゃあ、お兄さんたちに比べたら俺なんて弱すぎる存在なのだろうが、、、さんざんの言われようである。外野は無視しよう、無視。
「う、上の者を呼んでまいりますので、しょ、少々お待ちください。」
「はい。」
右手と右足が同時に出ているが大丈夫なのだろうか?そもそも死体を見せるのは刺激が強かったかもしれない。反省、反省。
動揺したお姉さんは、机に脚をぶつけながら奥の部屋に消えていった。
そしてすぐに無精髭の生えたダンディーな男性が現れた。寝転がっているウルフと俺を交互に見てすぐさま状況を理解したようだ。
「私はギルド長のボルケードだ。早速だがコイツらの買い取りということでいいのかな?」
「はい。」
「冒険者登録はしているかい?」
「いえ、してないですけど・・・もしかしてしてないと無理ですか?」
「いや、いや、そんなことはないさ。ちなみにこれは君が狩ったのかい?」
「はい。」
ザワザワ(うそつけー、てかアイツ髪の色変わらなかったか?そんなわけねーだろお前飲み過ぎなんだよ、ガキが調子に乗ってるぞ、横取りしたんだろー)
相変わらず外野がうるさい。これだから酔っ払いは困るんだ。
「どうやって狩ったんだね?」
「え?どうやってって・・・ザシュ、バシュ、ドゴンと」
ザワザワ(何だよやっぱり嘘だったのかよ!ギャハハハお前ら子供にマジになり過ぎなんだよ。)
「・・・そうか・・うむ。一匹大金貨5枚で買い取ろう。コイツは少し状態が悪いし、こっちは牙がボロボロに欠けているようだが今回はおまけしよう。」
うん、噛みついて自滅した奴と少しやり過ぎちゃった奴だな。ラッキー!!合計大金貨35枚、つまり350万。
グハハハハハハ!
「ありがとうございます!」
「いや、構わんよ。レッドウルフは魔石以外のほぼ全てに買い手がつくからね。こちらとしても嬉しい悲鳴だ。」
「魔石以外?」
「ああ、魔石は何の使い道も無くて廃棄するしかないからな。廃棄するにも金がかかるし。」
んん?魔石って・・・魔力を溜める器官だよな?とても有効利用できそうだが・・・まあギルド長がそう言うなら仕方ない。持っていても邪魔になるだけか。
「それより冒険者登録していないのなら今したらどうかな?」
「う~ん、冒険者になるつもりはあまりないんですよね。この街には学校の入学テスト受けに来たんです。」
「そうだったのか。ただ冒険者登録しておくと良いことはあっても悪い事は無いぞ。カードが身分証にもなるし、いろいろな情報も集まってくる。モンスターの買い取り価格だって高くなったりする。どうせこの街に住むつもりならお得だぞ。」
う~む、なんだかこのおじさん必死に勧誘してくるんだが・・・・確かにお得だな、これから先お小遣い稼ぎに利用することもあるかもしれない。入学試験まで時間もあるし暇つぶしに取っとくのもアリか。
「分かりました。じゃあ登録だけしておきます。」
「おお、そうかそうか。登録の方法なんだが2種類ある。1つ目の方法は、登録料を払って書類を書くだけ、簡単だが年会費がかかる。もう1つは、私の目の前で先輩冒険者と模擬戦を行う方法。登録料もかからないし実力が認められれば年会費がタダになる。さらに場合によっては毎月給付金が貰えることもある。もちろん2つ目の方法は狭き門だがな。どっちにする?」
なるほど、特待生みたいなもんか。優秀な人材には免除どころかお金を出すらしい。
「毎月活動費を貰うことになったら、絶対活動しないといけないんですか?」
「2年ごとぐらいに査定はあるが特別何かしらの義務が発生するわけではない。我々としては少しでも優秀な人材に籍を置いてもらいたいんだ。」
「う~んじゃあ模擬戦やってみます。」
学費はママン達から貰っているので大丈夫だが、家を借りるお金の足しになるならラッキーだろう。
「よし、分かった。じゃあ明日の昼過ぎにもう一回ここにきてくれ。相手を選んでおくからな。」
「はい!」
いまだザワついたままのギルドを気にせず後にした。
♢
冒険者になって18年。最初の頃こそ夢と希望に溢れていたが、時が経つにつれて自分には並外れた才能など無いのだと自覚するようになった。それからというもの、次第に鍛錬も行わなくなり、小銭を稼ぐだけの日々。実力さえあれば、、金と女が思い通りになったのに・・・こんなはずではなかった。
そんなことを思いながら、いつもと同じように酒を飲んでいたら冒険者ギルドの中がザワついた。どうやらフラっと入ってきた金髪のガキがレッドウルフを討伐したなどとほざいているらしい。無性に腹が立った。
「ちっ」
ったくよ、あんな武器も持っていないただのガキがレッドウルフを討伐出来るわけがねーだろーが。Cランクの俺ですら倒せねーっつーのに。運よく拾ったか買ったものを、さも自分の手柄のように申告しやがって。あーゆー舐めた奴が一番嫌いなんだよクソが!
残り少なくなったビールをグイッと流し込み席を立つ。
・・・ちょうどいい、アイツの対戦相手に俺がなろう。ギルド長に見てもらえて、ムカつく野郎をぶっ潰せる。場合によっては俺が年会費の免除ぐらいしてもらえるかもしれないし一石二鳥だ。
ははははは、こりゃ久しぶりに楽しみだ。
♢
翌日、レオナルドは当然のように手ぶらで、ギルドに併設された闘技場へとやってきた。
落ちたところで何の痛手もないし、魔法学院の試験の練習のつもりだ。ぶっつけ本番だとお腹が痛くなるかもしれないし、場馴れにはちょうどいい。
「こんにちは!」
「おお、待ってたぞ!今日模擬戦の相手をしてくれるのはCランク冒険者のモブソンだ。」
ギルド長の横に立っていたのは30代前半ぐらいの人のよさそうな男だった。笑うと目がクシャッとなり、目尻に皺が出来る。
「よろしくお願いします!」
頭を下げ右手を差し出す。すると男も右手を差し出してきたので軽く握手をした。
「こちらこそよろしく頼むよ。後輩冒険者ができると思うと僕も嬉しいよ。」
優しそうな雰囲気だが・・・んん?表情と言葉とは裏腹に、俺の手を握る力が強い。よく分からない人だ。この街ではこうやって挨拶するのだろうか。ふむふむ。
「ルールは簡単!相手を戦闘不能状態にするか、まいったと言わせたら勝ちだ。なお模擬戦のため、剣は木剣で行う。魔法の行使も認められるが、故意に死に追いやった場合即失格の上処分が下される。準備はいいか?」
「はい。」
「はじめ!」
ブックマークありがとうございます!嬉しく思っております!
もうすぐゴールデンウィークですね。プレミアムフライデーはどこにいったのでしょうか?笑




