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身内固め

「うむ。どうやら他にやりたい奴はいないようだな。」


 闘技場を見回す。どうやら生意気な騎士との一騎打ちは見せしめになったようだ。


「じゃあまずは騎士団長を決めようと思う。騎士団員は全員下まで降りてきてくれ。」

「「はっ!」」


 緊張感の漂う声がこだまする。気のせいかみな従順になったような気がする。先程まで、あんた誰ですの?って感じだった奴も、俺を見る顔が変わった。一応会場全体に殺気を飛ばしたのが良かったのだろうか。だらけている奴は1人もいない。


 うむ。


「それでは選抜方法だが、今からコイツにみんなの相手をしてもらう。来てくれ!」


 俺が大声で声を張り上げると、入り口からガシャン、ガシャン、ガシャンと音が聞こえだした。自然と全員の視線がそちらに向けられる。


 近づいてくるのは全身黒色の大きな鎧。俺が作り上げた最高傑作だ。実力はさることながら、見た目が中二病全快でカッコよすぎる。


 動揺した団員が自然と道を開け、デュークの通り道ができる。



「なんだ・・・コイツは・・?」


 口々にそんな言葉が発せられる。


 しかしデュークは団員たちに目をくれることも無く一直線に俺に向かってくる。そして俺の目の前で片膝を着き忠誠をみせる。


「我ガ君・・・」

「ああ、ご苦労。わざわざ呼んで悪かったな。顔を上げてくれ。コイツの名前は暗黒騎士デュークだ!まあ、俺のボディーガードみたいなもんだ。今からここにいる全員対デュークで決闘を行ってもらう。もし一発でもクリティカルヒットを入れられたらソイツが団長だ!家柄や経歴なんて関係ない、強い奴を選抜する。」

「「はっ!」」

「じゃあ、俺は客席から見てるから、俺が投げる銀貨が地面に落ちた瞬間開始だ。武運を祈る。」

「「はっ!!」」




 銀貨をピーンと高く飛ばし、客席まで一瞬で移動する。


 さてどうなることやら。


 開戦とともに我先にと騎士団員がデュークに襲いかかる。もちろん団長のポストは1つだけ。一見すると誰にでもチャンスがあるように見えるが、そんわけは無い。大人数でごった返しているこの状況では、満足に自分の間合いで戦う事も出来ない。攻撃を避けるのにも一苦労だろう。これがもし個人戦では無く指揮系統のハッキリしたデューク討伐戦ならば、話は違ってきたかもしれないが、、、、



 ザシュ!


「うわあああああああ!」


 団長になりたいという欲をかいた第一陣が綺麗に吹っ飛ばされる。その光景を見て、様子見をしていた奴らは委縮し縮こまってしまう。そんなことでは勝てるわけがない。


 ていうかもう騎士団長はデュークでいいんじゃね?って話。


 うん。だんだんそれでいい気がしてきた。実際バッタっバッタ切られる奴ばっかでお話にならない。


 まあ、そうするとうちの警備隊長がいなくなってしまうのがネックだが・・・また何か作ればいい。


 とりあえず、このまま決闘を続行してみんなくたばってしまったらデュークを騎士団長にしよう。


「うぎゃあああああああ~~~~」

「いって~~~~~」

「この化け物め~~~!」


 うん。コイツらモブだな。






 ・・・おいおいおい。本当にデュークが無傷で勝ち残っちゃったよ・・・・アイツどんだけ強いんだよ!・・・・じゃなくて騎士団員共どんだけ弱いんだよ!エリート中のエリートじゃねーのかよ・・・


 地面に()いつくばる人の山を見て、ため息が止まらない。実はピンチになったら魔石入りの剣を使うように指示しておいたんだが、無駄な杞憂で終わった。



「じゃあ騎士団長はデュークで!副団長は最後まで生き残っていた君でいいや。実力的にもこの中では1番だろうし。名前なんて言うの?」

「う・・・・私はピーター・レンブラントです。」

「?・・・レンブラント・・・・もしかしてビアンカの兄貴かなんかか?」

「はっビアンカは私の妹でございます。」


 ていうことは侯爵家の人間か。それなら政治的にも丁度いい。


「よろしく頼む。」

「はっ!」



 それからくたばった奴らをフィールドからポイポイ放り出し、今度は魔法師団長の選抜を開始した。こちらは暗黒騎士デュークに代わって、俺の相棒ブラディウスに頼んだが、ぶっちゃけ勝負にならなかった。


 勝負にならなかったというのは言葉の(あや)ではない。文字通りの意味だ。


 決闘前にブラディウスを紹介したら、なんと気絶する者まで現れ、みな戦意を喪失してしまったのだ。


 そう言えば、ブラディウスは伝記に時折現れては甚大な被害をもたらす有名なデーモンロードだと誰かに聞いたような気がする。


 すっかり忘れていたが、俺の聖炎で改心したことだし、まあ表に出してもいいだろう。副団長は一番見込みのあったメルケル、魔法師団長はブラディウスで決まりだ。



 これにて一件落着。


 あれ?身内で固めるなら選抜試験を開催する意味なかったんじゃね?とか言わないように。みんな実力差を理解したからすんなり受け入れてくれたわけだし、俺への忠誠も高まったし、やって良かったに決まっている!


 反論は受け入れぬ。

ブックマークありがとうございます!嬉しいです!!

ポチッとな(@^^@)


少し苦労しております。明日更新できるかな・・・

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