秘密の部屋
たくさんのアクセスありがとうございます!
そ、そんなバカなことがあっていいのですか!?精霊魔法を手で払いのけるなんて・・・お父様や家族に言ったって誰も信じてくれないわ!
混乱する私とは対照的に、ドウランの首席である彼は平然としていた。さもそれが当然のことかのような雰囲気すら感じる。
そればかりではない。明らかに精霊魔法を理解していなかったのに、なんと目の前でブツブツ呟きながら何かを呼び出してしまったのだ。
空間が裂けた瞬間から嫌な予感はしたが、その中から出てきた男を一目見て、その思いは確信に変わった。
空気が重くなり肌がピリつく。精霊ではなく、精霊と対になる存在、つまり悪霊。
それも下位の存在ではない。例外を除いて基本的に精霊は、その姿かたちが人間に近づくほど大きな力を持つと言われている。これはおそらく悪霊でも同じことが言えるはずだ。
つまり、彼が呼び出したのは間違いなく上位の悪霊だ。一体どんなことをすればそんなことになるというのか・・・
「・・・俺様を呼び出しやがったのはどこのどいつだ?」
冷たい声が私の耳に響く。後から考えればここまでは良かった。本当の恐怖は彼が名乗った時に訪れたのだから。
そう、彼の名前はブラディウス。小さな頃にお父様の書斎にあった本を盗み見たことを思い出す。表舞台に、時折現れては莫大な被害をもたらすと言い伝えられているデーモンロード。
「俺様は腹が減ったんだ・・・そうだな、まずはお前らを前菜にさせてもらおうか。」
腰が抜け、立っていることが出来なくなった。心臓がこれでもかと早く波打ち、冷や汗が噴き出すけれど、自分の意志では体が動かせない。いっそヘレンのように気絶してしまった方がどんなに良かっただろうか。中途半端に強靭な精神力をしていることに絶望さえ感じる。
生まれて初めて死を覚悟した。
しかし、その後思いもよらぬ展開が待ち受けていた。
なんと彼がブラディウスをぶっ飛ばしてしまったのである。しかも光り輝くドラゴンに姿を変えて、、、、
高次元の魔法同士の衝突・・・もはや私など足元にも及びません。ただただ必死に、自分の気配を消す事しか出来ませんでした。
ようやく私の体の震えが止まった頃、なんと彼はデーモンロードと契約をしていました。悪霊と契約を交わすなど前代未聞のはずなのに・・・
私を恐怖のどん底に陥れたアイツが、彼の中に吸い込まれていく。一体彼は何者なのでしょうか?唯一分かったのは、私たちの常識では考えられない強さだということだけです。
♢
みんなを巻き込んでしまって申し訳無かったが、思いがけず新たな力を手に入れてしまった。この力があれば、戦いながら体力や魔力を回復したり、傷の再生ができる。いわば無限のスタミナを手に入れたようなものだ。シンディーも、かすり傷1つ無く目を覚ましたことだし、結果オーライ。
ということで、その日の夜ママンから貰い受けたダンジョンに挑戦してみることにした。ダンジョンにはお宝とかもあるそうだし、モンスターも沸いてくるそうだから、試すにはうってつけの場所だろう?
夜ご飯を食べた後、鉄扉で厳重に締め切られた部屋に入る。もちろん結界が張ってあるので、中から魔物が出てくるなんてことはないが、緊張と興奮が入り混じる。
万が一に備えて軽い食事だけ異空間収納に詰め込み、あとは軽装のまま地下へと続く階段に足を踏み入れる。
中はひんやりとしているようだ。まるで鍾乳洞にでも入った感じとでも言えばいいだろうか。
魔物の反応の多さに思わずニヤっとしてしまう。もちろん地下にどれだけ広がっているのか分からないが、これなら退屈しなさそうだ。一番近くにいる奴のところまで走っていく。
突然の来訪者に驚いた顔をしたのは、バスケットボールぐらいの大きさのスライムだった。
正直こんな弱そうな奴に新しい力を実験するのもどうかと思ったが、ものは試しだ。
「ブラディウス召喚!」
そう唱えると、空間が裂け小さな男が現れた。身長が縮んだだけでは無くて、雰囲気が幼くなったような気がする。
「やあ。さっそく呼んでくれたんだね。」
男?いや少年?がまるで友達のように喋りかけてくる。
「ああ、それでどうやって力を使えばいいんだ?」
挨拶もそこそこに早速本題に入る。ワクワクして待ちきれないのだ。そんな俺に対して目の前の少年は嫌な顔せずに淡々と答える。
「髑髏のマークがある左手で対象に触ればいい。召喚されている間は一心同体みたいなもんだからね。」
「なるほど。じゃあやってみるか。」
言われた通り目の前のスライムを掴み上げる。すると、わずかではあるが左手に何かが流れ込んでくる。それがとてつもなく心地が良い。
「ははは、こりゃすごいな。」
調子に乗って周りにいるスライムを片っ端から捕まえ吸い上げる。
ふと我に返り、ブラディウスを見ると、ほんの少しだけ身長が伸びていた。どうやら、俺が吸い取った体力と魔力を同じように感じるらしい。そうであるならば、逆パターンも試しておかなくてはならない。
「今度は君がやってみてくれ!」
「ああ。」
これが上手くいならば戦闘の幅がものすごく広がることになる。彼の手がスライムに触れるのを固唾を呑んで見守る。すると俺にも力が流れ込んできた。詳しい分配比率は分からないがお互いにとってwin-winの関係らしい。
デーモンロードがなんぞかはよく分からないが、もしかしたらとてもいい相棒ができたかもしれない。
ブックマークありがとうございます!感謝感激です!!
ポチっとな(@^^@)
なんとか間に合いました。褒めて欲しいです・・・イヤン。




