悪霊(デーモン)
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はは・・・ははは。今日はもう帰ろうかな。急いで森に引きこもりたい気分だ。王女様のモフモフを奪ってしまった俺は、これからどう生きていけばいいのだろうか?最悪命を狙われてもおかしくない。
自分でも顔が真っ青になっていくのが分かる。何かを察したルークがさりげなく肩をポンポンしてくれるが気休めにしかならない。
その後、なんとか気を取り直したものの俺の頭はポーっとしたままだった。まあ、クラスで改めて自己紹介をしていただけなので問題は無かったが、みんなの声が右耳から左耳に流れていった。
唯一記憶に残っているのは担任だけだろうか。もともとセンチュリオールの特待生クラスを受け持っていた、30代前半ぐらいの女性で名前をグレイシーというらしい。ママンは理事長になってしまったため、特定のクラスを受け持つことはないのだろう。悲しいいことだ。
「~~~~~ということになります。レオナルド君?聞いてますか??」
不意に俺の名前を呼ばれた。
「え?・・・」
「ちゃんと聞いててくださいね。もう一度言いますが、新たな試みとして、このクラスには特別プログラムを受けてもらうことになりました。学校の中だけでなくより実践的なことを学んでもらいます。今のところ、実習は2班編成を考えているので、今から班分けのために対戦してもらいます。よろしいですか?」
「は、はい。」
「では早速闘技場に移動しますよ。」
そういうことらしい。
♢
やってきたのはドウランとは異なるオシャレな建物。収容人数もはるかにこちらの方が多いだろう。
辺りをキョロキョロしていると横にいたルークが手を上げた。
「グレイシー先生!1つよろしいでしょうか?俺達が対戦するのはいいんですが、レオナルドは規格外過ぎて対戦相手が危険です。」
何を言い出すのかと思えば、まったくルーク君は・・・センチュリオールの学生は、ドウランの生徒よりはるかに強いんだから、総長の俺でも簡単に勝てるわけがないだろう・・・これで負けたらただの赤っ恥じゃないか。ハードルを上げてくれるなよ・・・
「う~ん忠告ありがとう。確かにうちのトラ吉を手懐けたって話だものね。ただそれも含めてどれぐらい出来るか知りたいの。実際見てみないと分からないでしょ?」
なぜかルークの意見に、ドウランの生徒全員とシンディーが猛烈に頷いていたが、結局俺はビアンカと対戦することになった。大貴族の娘でセンチュリオールの首席とは恐れ入る。
ちゃちゃは入ってしまったが、彼女は戦闘に関して相当の自信があるらしく、自信満々の顔をしていた。辺境伯爵家のエマをはじめ、他の女性陣も彼女の実力を知っているらしく、ビアンカの勝利を確信しているようであった。
開始の合図とともに詠唱を始めた彼女は、どこからともなく幽霊のような半透明のイルカを呼び出すと、そいつを自分の体の中に取り入れた。初めて見る魔法だったので何をしたのか分からなかったが、彼女の力が跳ね上がったので、おそらく合体か何かしたのだろう。
「降参するなら今のうちですよ?」
ここまできたら私のもんだと言わんばかりに口元をニヤッとさせてから俺に忠告する。だがこちらも簡単に負けてやるわけにはいかないので、手を広げ首をすぼめてみせる。
こちらに降参の意志が無いと見るや、彼女はすぐさま攻撃態勢に移る。
「いくわよプーちゃん!」
相変わらず詠唱は必要なようだが、なかなかの魔法だ。少なくとも正面からやり合えば素のグレイよりは強いだろう。まあ、実際の戦闘では卑怯なんて言う言葉は通用しないからアイツの事なら何かしそうだが。
飛んでくるイルカの形をした水魔法を片手でいなす。少しだけピリッとしたが問題無いようだ。
「え?」
「えええええ!」
それを見ていたシンディー以外の女子生徒たちが口をパクパクさせている。まさか自分達よりも強いビアンカの攻撃魔法が通用しないとは思ってもみなかったのだろう。ビアンカが勝てないということは、つまり自分たちも勝てないということだ。
俺としては、予想以上に簡単に勝てそうだったので拍子抜けしてしまったが、彼女が使う魔法は興味深い。
「そのイルカは何ていう魔法なの?君と合体しているように見えるけど?」
「・・・なぜ・・ビクともしないの・・ですか??これはただの水魔法じゃないんですよ!精霊魔法なのに・・・」
独り言なのか、俺の質問に答える気があったのかよく分からないが、彼女が使用しているのは精霊魔法らしい。今まで出会ったことのない魔法なので、原理などは知らないが俺も使ってみたい。
ようするに、どこかから何かを呼び出せばいいんだろう。そういうことだ。
知らんけど。
「召喚!」
黒髪になりながら、これでもかと生命力を込め、強い奴をイメージをする。
するとその瞬間、空間がひび割れ、周辺の空気が不穏なものとなった。肌はピリつき言葉を発せられる者は誰もいない。硬直するみんなをよそに、その裂け目から出てきたのは人間?の姿をした何かだった。
やはり召喚する際に、魔物たちから奪った寿命を使用したのは間違いだったかもしれない。なんだか危なそうな奴が出てきてしまった。精霊と言うよりかは悪霊っぽい。正体不明だが危険だ、危険すぎる!直感的にそう感じる。
「・・・俺様を呼び出しやがったのはどこのどいつだ?」
男はそう言いながら、恐怖で動けない全員を見回す。そして俺で目を止めた。
「お前か?」
ザッツライト!
「うん。そうそう。でも君名前なんて言うのか知らないけど、危なそうだから帰ってくれないかな?」
「・・・人間風情がナメた口を・・・俺様の名はブラディウスだ。」
「・・・お、おう。」
聞いたことは無いが、ご丁寧に自己紹介をしてくれるなんて、もしかしていい奴なのだろうか?
ってあれ?なんでみんなワナワナ震えてるんだ??こいつ有名人なのか??
「もちろんお前の僕になるつもりはないし、腹が膨れるまでは帰るつもりもない。・・・そうだな、まずはお前らを前菜にさせてもらおうか。」
殺気の籠ったプレッシャーに、石のように固まっていたみんなが腰を抜かした。それだけではない、ちっさくてかわいい組のヘレンとダックスが気絶した。
はて?なんでこうなってしまったのだろうか?・・・
すいません!悪霊の名前をブラディウスに改稿しました。
ブックマークありがとうございます!最近はアクセスも多くて嬉しく思っております!
1話書くのにトータル4、5時間ぐらいかかるんですがなんとか続けていきたいですね。(@^^@)




