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まいどあり

「私の名前はルルで、この子たちはロロとララです。助けてくれてありがとうございます。」


 そう言って美少女達がペコリと頭を下げてくる。彼女たちに先ほどまでの怯えはもう見られない。それどころかほんのりと頬が赤くなっている。


「俺はレオナルドだよ。基本的には学生なんだけど、今日はそこにいるマリーさんと冒険者としてオークの集落を調査していたんだ。そしたらララちゃんかな?豚小屋に連れて行かれるのが見えて・・・とにかく間に合って良かったよ。聞いていいのか分からないけど・・・一体何があったんだい?」


「私たちは・・・施設で育ったんですが16歳になったので働きに出ることになっていました。それでシスターに紹介された商人さんと隣国に向かっていたんですが・・・突然オークの集団に襲われて・・・」


 悲惨な現場を思い出してしまったのだろう。ルルちゃんが顔をしかめながらゆっくりと話す。今の話からするとどうやら彼女たちは奴隷では無かったようだ。


「そっか。そういうことなら俺が隣国まで運んであげようか?」


「・・・いえ・・とりあえずシスターに何があったのか話をしないと・・・それにシスターに会いたいです。」


 ふむ。


「じゃあ俺達と一緒に帰ろうか。」

「はい。お願いします。」


 少女たちと話がまとまったところで試験監督に意識を向ける。


「マリーさん?」

「は・・はい。」

「そういうことみたいなんで帰ろうと思うんですが・・・試験はもういいですよね?」

「え・・えと・・そうですね。調査というのはその後に行われる殲滅のためですから・・・3人を救助した上に、1人で壊滅させたということは合格以上の評価になると思います。」

「よし、じゃあ掴まっていてください。飛んでいくんで。」


 形態変化し馬車を持ち上げ上空に舞い上がる。4人が乗っているため単純計算しても160キロ以上、馬車の重さも合わせたら何キロになるか分からないがこんなもの軽々持てる。


 安全運転を心がけること10分。


 眼下に広がる森の中に複数の男たちを見つけたが彼らはこちらに気が付かない。かなり上空を飛んでいるので仕方ないことだが、こちらからは割とよく見える。顔までは識別できないが服装からして関わっちゃいけないタイプの奴らだ。あんなに大勢で一体なにをしようとしているのだろうか?少し離れたところに馬車を隠してから人間へと戻り男たちの下へと向かう。


 近くで見れば見る程アウトローな奴らだと分かる。というかあそこにいるのはこないだドウラン祭で戦ったばかりのグレイとその幹部どもじゃないか。俺と目が合うと一瞬顔を引きつらせた。


「どうも。」


 知らない仲ではないので一応挨拶はしておく。確かあれから学校に来ていないと聞いていたが・・・家業でも手伝っているのか?


「あいつだ!全員やっちまえ!!」

「え?」


 なぜか急に戦闘体勢に入ってしまった。突然の事に俺はついていけない。彼らに恨まれるようなことなどした覚えはない。ただ試合でぶっ飛ばしただけなんだが・・・明らかに俺のことを殺しにきている。これは俺も反撃しないとまずそうだ。


 魔眼を開眼させ黒い炎を体に纏う。マフィア相手なのだから手を抜くことは出来ない。


「黒龍!」


 細長い黒い龍を作り出し、その動きを操作する。


「「うぎゃああああああああああ!」」


 まるで本当に生きているかのように半ぐれ共を食い散らかし死体の山を築いていく。食われた者、というか触れた者は、一瞬にして俺の寿命を増やすためのお供え物となる。相手の命をいきなり取ろうとしたのだから、当然の報いだ。


「ば、化け物め!」


 グレイが(わめ)いているが、俺への攻撃を止めるつもりは無いらしい。それは幹部共も同じだ。最後に顔見知りのよしみで話をしようとしたが聞く耳を持たなかった。そのため仕方なくパックんちょさせてもらった。


 10分もしないうちに辺りには生きている人間の気配は無くなった。なぜ俺の事を狙ってきたのかイマイチよく分からなかったが、先に手を出したのはあちらだ。後悔などしていない。


 その後何事も無かったかのように馬車まで戻る。マリーさんには少し怪しまれたかもしれないが、何があったのかは聞いてこなかった。そのため再び空を移動し、王都まであと1キロぐらいになったところでソフトランディングして人間形態へと戻る。もちろん車輪がついているので人間形態でも引っ張ることぐらいわけはない。



 入国したあとは冒険者ギルドへと直行した。今朝出発したばかりだが内容の濃い数時間だったので懐かしく思う。マリーさんと、ルル、ララ、ロロを連れてカウンターへと進みギルド長を呼ぶ。


 明後日帰ってくると思っていたギルド長は、ハトが豆鉄砲を食らったような顔をしたがすぐさま真顔になった。


「これは・・・どういうことだ?マリー?」

「はい、それにつきましては少々込み入った話になりますので場所を変えてください。」

「ふむ・・・よかろう。私の部屋で話そうか。」





「それで??」


 全員がギルド長と向かい合うように椅子に座ったところで訝しむようにギルド長が話を切り出した。


「はい、まず試験についてですがレオナルド君は見事に達成しました。それどころかオークに捕まっていたこちらの3人を救出し、集落を一人で壊滅させてしまいました。」


「・・・は?おいおい、マリー君。君は一体なにを言っているのだね?今朝君たちを送り出したばかりなんだぞ。本来ならまだ目的地に到着すらしていないはずだ。確かに彼が不思議な少年だということは私も認めるがそんなわけないだろう。」


 ギルド長がやれやれといった様子でため息をつく。


「いえ・・・全て事実です。彼は竜人なので空を飛べるのです。私も最初は驚いて唖然としたのですがものの15分で着いてしまいました。戦闘力も規格外です。私の目の前でオークキングを一発で倒してしまいました。」


「・・・それは本当なのか??」


 目線を俺に向け事実確認をしてくる。もちろん本当だが・・・あいつはジェネラルオークじゃなくてオークキングだったのか・・・てことは幹部っぽいやつがジェネラルオークだったのか。


 衝撃の事実にビックリしながら異空間からオークどもの死体を取り出してみせる。ギルド長の表情からして本当にオークキングだったのだろう。まあ、こちらとしては高く売れるならなんでもいいわけだが。



「確かに・・・」

「買い取ってもらえますかね?」

「ああ。大金貨100枚だそう。」


 おほほほ、日本円で100万円!まいどあり!あ、っとその前に魔石はちゃんと頂いとかないとな。


アクセスありがとうございます!


すいませんが負担が大きいので更新頻度を少し調整するかもしれません。よろしくお願いします!

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