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孤独魔法使いと転生者  作者: 優一 雫
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~初見!異世界編~

現実世界で死んでしまったユウは異世界に転生し、そこでみた光景とは…

俺は死んだ。


気がつくと暗闇の中にいた。自分は誰で何者なのか、人間であったのかすらも分からなくなっていた。

ただ覚えていたことは、俺にかかった少女の涙と俺の幼馴染の笑った顔だけ。

彼女はいつも俺が迷った時に導いてくれる。


そんな中、声がした。

「貴方は…に……たいですか…?」

俺のことなのか?理解できない。聞こえにくい。ただ俺の脳は賢かったのか、文字を組み替え言葉を作り上げた。要するに、「俺が何になりたいか?」だそうだ。これがどんな意味なのかは理解出来なかった。だが、答えるべきだと俺は思った。「ニート」と答えたかったがやっぱり非現実的なことを一度は言ってみたかった。なので最初に思いついた

「勇者になりたいです…」

……い、言っちまった。恥ずかしい…

途端に赤面し、顔を手で覆っていた。そのとき思い出した。俺が誰なのか、

「俺は人間で、中野 優だ!俺が好きな奴は……だ。」

何故か風が吹いたようだが、覚えていたことに変わりはない。

「良かった。あいつを覚えている。」


忘れた頃に今度ははっきりと言葉が聞こえた。

「貴方には人間の模範となる資格がある。なぜなら、自分とは全く関係がない人に対して最後まで自分よりも相手を大切にするということを選びました。よって、貴方に次の生き方を与えます。次の生き方で貴方はどんな生き方をするのでしょうね?

それでは希望により、職業は勇者。全ステータスは普通。しかし、あらゆる隠しオプションが存在しますので、ご自分で見つけてください。ガイド役は……いりませんよね!

それでは、貴方に神のご加護があらんことを。」

最後に小さな声で何か聞こえた。

「次はしっかりと自分のために生きてくださいね…私のことは忘れてください…」

〈追加オプション《期待の新人》を獲得〉

まるで泣きそうな声で。その声には懐かしさを感じた。意識はどんどん遠のいていった。昔聞いた事がある。多分あの声はきっと…

意識は又しても途切れた。


気づいた時には空から落下。

(最悪だろ…)

落ちた時には多分頭を強く打っており死んでいてもおかしくなかったが、それどころではない状況が目の前にあった。

目の前には獣が村人らしき女性を襲っているところが見えた。こういう時「助けたい」と思うし、体は勝手に動く。やはり俺は馬鹿だ。最後に自分のために生きろと言われたのに…だが俺は走った。

「やっぱ俺の人生、俺のために生きないとな」

その時、俺の気持ちは決まった。

獣に近づいて村人の前に立ちはだかった。

(この展開、二回目か…)

やばい、やばいと思っていると頭の中に文字が…俺はとっさに右手を振り上げ、

「来い《黒の聖剣》(アーテル・グラディウス)」

と叫んでいた。

(頭に文字が浮かんだ?なんだろ。でも俺の趣味にドンピシャ。)

同時に右手を振り下ろすと漆黒の剣が出てきた。

(カッコいい!よし。これなら戦える!)

俺は獣に一撃入れた。獣は反射的に右腕を振り上げる。俺はその行動を見切り、右側に回り込み獣の左腕を斬りつけた瞬間、倒れ込んだ。

(チャンス!)

俺は獣の頭上に飛び上がり獣を一刀両断した。

〈追加オプション《救世主》を獲得〉

〈追加オプション《ハンター》を獲得〉

(なんだろう…又だ。これで二度目だが分からないことだらけだ。しかも《救世主》は分かるが《ハンター》って。)

剣を振り払い獣の血を払い落とした。次の時には剣は手から消えていった。

すると、女性が近づいてきた。

「危ないところを助けていただきありがとうございました。」

「いえ、当然の事をした…ま…で……」

俺は意識が遠のいていくの行くのを感じた。

(多分落ちたせいだな…でも動けただけマシか…)

「貴方が無事で良かっ…た……。」

俺はそのまま気を失った。

〈追加オプション《不幸者》を獲得〉

(寝る時くらい静かにして…く…れ……)


読んでくださりありがとうございます。

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