~イカれた薔薇銃士マミー編~
綺麗な姉は一体誰か?
姉とユウの運命は…
「マイ プリンセス。」
「プリンセス?」
「妹から聞いていたでしょう?」
「そういえば…。南の国の姫…だっけか?だけど、弱いんじゃないのか!?」
すると少しムッとした様子で、
「誰がそんな事を!」
ユウは少しその表情の代わり具合にビビりつつ、
「……。あんたの妹からだよ。」
「一言でも妹が『弱い』と発したのか?」
(推しが強い…)
「いや…言ってなかった…。俺の勝手な解釈だ。」
すると姉は落ち着いて、
「どんな言葉を聞き間違えたのかしら?」
(優しい言葉の奥に何か怖いものを感じるのだが…)
そうユウは思いながらも立ち向かうように敬語一切なしで挑んだ。
「妹曰く『私がついていればそんな事にならなかった』そうだ。皮肉なもんだよな。妹が守るっていうのは…。」
「そうか…、そんな事を…。私が弱かったのか…。」
「やっぱり弱いんじゃないか!」
姉はすぐさま、
「黙れ。口を慎め愚民よ。敬語はどうした?黙って聞いていればいい度胸だな?貴方一人に対して戦争を仕掛ける事だって出来ますのよ。」
(性格変わりすぎだろ…。喋り方も変わりすぎだ。戦争起こせるとか…どんだけだよ。)
「分かったよ、姉。ただ一つ言わせてく……。」
口を途中で出してきた。
「私を呼ぶときは、『マイ プリンセス』と呼べ。あと、敬語を忘れるな。次はないぞ!」
「分かりました、マイ プリンセス。しかしながら一つお願いしたい事がございます。」
「言ってみろ。」
「ありがたき幸せ。それでは言わせていただきます。言葉を一つに絞っていただけませんか?」
「絞るとはどういう事なのかな?言ってみろ。」
「はい。マイ プリンセスは、言葉が変わりつつあるのです。例えば、優しかったと思えば、急に偉そうになったりと…。ひとまず、統一していただけませんか?」
「ふむ…。」
すると姉は黒服の奴らの方を向き、
「お前たちはどう思っておる。正直に申せ。」
すると一番背の高い黒服Aは、
「失礼ながら正直に言わせていただきます。その者と同じ意見でございます。」
続いてイケメンな黒服Bは、
「マイ プリンセス。貴方の喋り方などどうだっていいじゃありませんか…。貴方の美しさの前では言葉遣いなどどうでも…」
するとムッとした姉は、
「処刑じゃ。」
「マイ プリンセスも冗談がきついですね。」
「誰も冗談なんて言っておらんぞ?」
姉は微笑んでいる。
「まさか本当…?」
「も・ち・ろ・ん!」
可愛げの奥に本気を感じる。
すると恐怖した黒服Bは、
「怒っていらっしゃいますか?」
姉は、満面の笑みで、
「も・ち・ろ・ん!」
「本気で処刑をお考えですか?」
「も・ち・ろ・ん!」
「私は命乞いすら出来ないのでしょうか?」
もう既に、黒服Bは泣き崩れている。
すると、満面の笑みを超える笑みを見せ、
「も・ち・ろ・ん!貴方はここで死んでね!テヘッ☆」
(こいつ、イカれてやがる。)
すると姉はユウの方を向き、
「ひとつだけ訂正するわ。私は姉じゃないわよ。あの子……死んだもの。私は今、その子の皮を剥ぎ取ったものをかぶってるの。どう?素敵でしょ?あははは!」
「お前!狂ってやがる。まともじゃねぇよ…。」
「分かってる事じゃない、最初から…」
次の瞬間、黒服Bは首をはねられた。
「真っ赤な薔薇。綺麗でしょ?私はお花を咲かせるのが好きなのよ。真っ赤な真っ赤なね。」
血で汚れたまま笑っている。
「申し遅れたわ。私は、薔薇銃士、マミーよ。よろしくね。ウフフ…。」
黒服たちは逃げ出そうとしたが、黒服Aがユウの元へ飛んできた。
「なんだ…これ?」
するともう人間とは思えないような笑みで、
「見れば分かるじゃない。死体よ。綺麗でしょ?私のお花畑。」
無残な死体がユウの足元に転がっていた。
(動きが早すぎる…攻撃が見えなかった。)
読んでくださりありがとうございます。
ご感想や評価などよろしくお願いします。