~現実編~
初めての連載小説です。
楽しんで頂けると嬉しいです!
お前を一生守ってやる…
俺の初めての告白だ。告白というのは、好きだと相手に伝えることである。まわりくどい言い方だったが伝わっていただろうか…?
そう…あれは今から十年前のこと。
当時五歳だった俺、ユウは近所の幼馴染と遊んでいた時に大人によく絡まれた。何故かって?決まっているとも。彼女が綺麗で清楚だからさ…冗談抜きでいうとお嬢様だから。
ただし、当時は俺もお嬢様とかそんなの知るはずもない。
不良に絡まれるといつも彼女が守ってくれた。たまに俺が彼女を庇って殴られた時とか、手をとって逃げたりもしてくれた。俺はそんな正義感や優しさ、そして可愛さに惹かれた。
彼女は黒髪の長髪、体は細かった。笑顔が素敵な女の子だった。
ある時、彼女は俺に向かって言った。
「今まで、私はずっと一人だったの…」
と…
俺はその時、
「お前を一生守ってやる。一人だった?俺がいる。一生お前と一緒に生きていってやるよ。」
と言い放っていた。
彼女は俺と歳が一緒で、ずっと近くにいると思っていたのだ。
だが、一年後。彼女は帰らぬ人となった。守ってやると言っておきながら守れなかった自分が情けなかった。
彼女はなぜ死んだのか…そんなこと知る由もなかった。
なにより、彼女が生きていない世界で生きている意味を感じられなかった。
そして今…
引きこもり、絶賛ニートまっしぐら。
他の言い方?そんなの決まってるじゃないか。自宅警備員さ。くぅ〜、たまらねぇ。なんともいい響きじゃないか。と言い張っている俺だが、本当は人と関わるのが怖いだけなんだ。俺の家族はもういない。俺がこの世に絶望感を一番抱いていた時期に父の浮気により母は狂気的になり始め、最終的には俺を除いた一家心中。笑っちまうよな…俺を一人残して行っちまうなんて…
けど幸い、母が善意で残してくれた金。これでなんとか生きてるけれど、いつ尽きてももうおかしくはない。
「そろそろ働かないとなぁ」
俺の買い溜めしていたカップ麺がそろそろそこをつく。そこで俺は思いついて、
「金と掛けましてカップ麺と解きます。その心はどちらも底をつくでしょう…」
(はは…笑えねぇ…)
そんな中俺は外に伝説の非常食、カーップメーンを買いに出かけた。
「今日から新作のカップ麺出るらしいし、すげぇ楽しみだ。」
だが俺は後から後悔することになる。あの時外に出なければよかったのに…と。
外は暑かった。温度は三十度越えの猛暑日だそうだ。外は当然暑く、早く涼しい場所に駆け込みたくてコンビニまで急いだ。コンビニに入ると冷気が熱くなった肌に気持ちが良い。そんな俺はいつも思う事がある。
(このエアコン、うちにも欲しいなー)
さっさと家に帰る気もなく少し漫画を立ち読みしてから新作のカップ麺を持ちレジに向かった。レジにカップ麺を出すとすごくいい気分になった。
(これで食える〜)
だが、ある一点を除いては気分がくつがえる。
急にドアが開いた。聞きたいのだが、目出し帽は普通なのだろうか?銃を構えて金を出せと…俺には強盗にしか見えない。とっさに物陰に隠れ様子を伺った。店の中の客や店員さんはレジ前に集められた。
人質は十人いた。その中には少女も。銃を構えて周りの人たちを脅している。外には警察が…
(まさか警察の取り逃がし…?やけに警察来るの早いし、マークしてたってことか?)
人質たちは手を拘束され始めた。
突然少女は泣き出した。すると慌てた様子で強盗は少女に黙れと命令を出した。言い続けているが、一向に泣き止まない。強盗はせっかちな性格だったのか、銃を少女に構えた。
(殺される…)
頭をこの文字がよぎった。
俺の身体は考える暇もなく少女を守るお母さんの前に、まるで盾のように飛び出した。少しは本物ではないだろうと疑いを抱いていたがそんな事はすぐにわかった。なぜなら、
バンッ!
赤い液体が流れている。痛い、やっぱ本物だったか…
俺は泣いていた。痛さに?いいや違うね。少女を守れたそのことにさ。昔守れなかった彼女と少女を照らし合わせて考えていたのだ。そう、自己満足。
途切れ行く意識の中で少女に
「お兄さんごめんなさい。ありがと…死なないで…お兄さん!」
と今にも泣き出しそうな声で言われたので、
「強く生き…ろ……。死ぬ…な……よ…」
その少女の頭を撫でて俺は力尽きた。
少女の心の中にはトラウマとして残るだろう。でも生きている限り楽しい事だってあるはずだ。あの子はまだまだ未来があるのだから。
(俺のような生き方したら承知しないからな…)
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