Chapter 3
飲みにに行くたびに泣いたり笑ったり、私の凹んだ話を批判もせずに黙って省吾は聞いてくれた。
たまに自分自身の話を織り交ぜながら…
「俺、会社に入ってこんだけ腹割って話す人が出来るなんて思わなかったっす(^_^)それが〜なんかいいな〜って思って(^_^)」
「私も〜♪なんかぁ省吾とはこのまんま飲み行ったり出来たらいいなぁ〜♪」
「行けばいいし(^_-)-☆♪」
でも、毎回私が正樹との話で泣いて凹んで…私、省吾に悪いなぁって思い始めてて…↓↓
?度目くらいの飲みで酔っ払って店を出て2人で歩いた時、私は省吾に言ったんだ。
「今までいつもそばにいてくれてありがとう。いつもこんなおばさんに付き合ってくれてありがとうね。もぅ…ここで、あなたを解放しないと…(:_;)ここからタクシーで帰って…」
「なんでっ…!香澄さんを1人には出来ないよっ」「正樹と私との事でいつまでもあなたを縛り付けておくわけにはいかないよ(;_;)」
崩れてしゃがみ込む私を抱えるように
「そばにいるから!」
「ダメだよ(:_;)」
「そばにいさせて!」
「帰って…私1人で帰るから…」
泣きながらうずくまってた顔をあげて、省吾の顔を見ると、とてもとても悲しい表情で…
抱えていた私の肩から手が離れ…1歩2歩下がり…うつむきながら振り返り…肩を落としながら歩いて行く後ろ姿を私はずっと泣きながら見つめてた。
これでいいんだ…これでいいんだ…と思いながら…(T_T)
でも…省吾の姿が見えなくなったとき、思わず立ち上がって省吾を追い掛けてた…
電話かけても留守電になる↓
「どこ!?やっぱり帰ってきて…そばにいて…」
追い掛けて辺りを見回してもいない…あちこち探してもいない…
<どこなの…?(;_;)>
気付かなかったけど少し小雨が降り始めていた
もう一度電話かけてみた。そしたら繋がった!
「今どこ!?」
「タクシー…」
「戻って来て…(;_;)」
「今どこ?今行くから!」
私は居場所を教えた。
1月の雨は小雨といえど冷たくて、交差点の角のタバコの自販機に小さな屋根があってそこで雨宿りして待った。
しばらくして道路の向こうから省吾が小走りで向かって来た。
そして、私をHugして頭撫でながら、
「濡れてるじゃん(汗)大丈夫?」
「ごめんね(:_;)ごめんねぇ〜(;_;)」
「追いかけたの?」
「いっぱい探したぁ〜(><)でもどこにもいなくて…電話は留守電で…(T_T)」
「アホやん(¨;)」
「だって〜(T_T)」
「はぁ…人の温もり、久しぶりだ…温かいね(^_^)」「うん(:_;)温かい(^_^)」
省吾の腕の中でいっぱい泣いた(T_T)
そして私が落ち着くと、2人でタクシーで帰っていった。
あの小雨の夜からも、2人の間は相変わらず飲みや食事、夜景観賞、パチンコ…何も変わらなかった。
「私、無くなったOne piece探さなきゃ〜f^_^;どこか落ちてないかね、One piece…」
「すぐに見つかるよ(^_^)」
「でもこの私を受け入れてくれる人なんてそうそういないと思うよ(´〜`;)」
「大丈夫だよ(^O^)きっと!」
そんな話をしたりして過ごしていた。私はなんだか省吾を身近に感じていた。
でも、欠けたOne pieceは大きくなるばかりで…
ある日、切なさの極限が襲い、私はずっと前に別れた彼に会ってみようと思って省吾にメールした。
◇私、今日前に別れた彼に会ってみようと思う。One pieceなのかどうかはわからないけど…(;´・`)◇
◇何で会うの!?◇
◇One piece探そうと思って…◇
◇意味わからん!!◇
<なんで?怒ってる…?>
私はなんで彼が怒るのかわからなかった。応援してくれてたし…
◇今からそっち行くから!◇
気になって気になって…省吾ん家まで車走らせてた。
省吾は自分の車を駐車場に停めて待ってた。
「ねぇ、怒ってる…?」
「いや…(-_-)でも非常識だなと思って(-_-)」
「One pieceを探そうとしただけだよ(´〜`;)」
「俺はっ……!」
「??」
「今まで話聞いてきて、いろいろアドバイスをしてきたよね?」
「うん…」
「なのにそんな簡単にっっ…(>_<)今までいろいろ話してきたのは無駄だったんだね!!」
省吾の顔が残念そうに歪む。
そして省吾の言葉に胸を締め付けられた私は罪悪感さえ覚えて……
もしかしたら、その時の私は自分のどうしようもない衝動を省吾に止めて欲しかったのかもしれない……。
「ごめんね(:_;)そうだよね↓省吾の気持ち考えてなかったよ↓いろいろ助けてもらってるのに…(;´・`)」
「もぅ会う約束してんの?」
「うぅん…まだ約束はしてない…まだ怒ってる…?」
「いや、怒ってないよ↑それにメールで済まさずにこーやって話に来てくれたし(^_-)-☆」
「よかった(^O)=3」
「香澄さんならきっと話に来ると思ってたよ」
「だってメールの文が怒ってるかな〜って…(汗)」
「怒るとマジで絵文字使わなくなるもんだね〜f^_^;」
なんだか人に心配されてる守られてるって…心地良いって感じた出来事だった。
ある日、いつものメンバーと省吾の部屋で鍋パーティー(すき焼き)をすることになり、私は朝から買い物や仕込み、さらには省吾の部屋の掃除をしてみんなを待ってた。
みんなが集まり楽しく過ごす間も、何かしら省吾とはアイコンタクトとゆーかなんとゆーか…2人にしか存在しない空気がそこにはあって…(#^.^#)
もちろん、回りには気付かれないように…
お互い『好き』とも、ましてや『付き合う』の言葉もない不思議な不思議な関係…でも深いところで信頼してる(^^)
パーティーも終わり、私もタクシー拾って帰ることにした。
省吾が見送ってくれて、2人で歩いた。
夜風が酔っ払った私を気持ち良く…また切なくさせた…
「楽しかったね〜♪」
「うん!すき焼きうまかった♪」
「…省吾…こないだの小雨の夜はごめんね↓あのね…えっと…私ね、あの時…省吾の姿が見えなくなった時、また1つPieceを無くした思いがして、なんかすっごく悲しかった…」
「香澄さん!!……あんたが俺を突き離したんよ!!?」
「そうだったよね…わかってる!わかってるよ(;´・`)でも2つもPieceが無くなるなんて…思いもしなかったもん(T_T)」
「…俺……最後まで香澄さんの面倒見るつもりでいたんよ…(:_;)」
「…!? ホントに!?」
「そうだよ(^_^)」「私もこのまま省吾が私のOne pieceになってくれたら…って何度も頭をよぎったよ(:_;)でも私からはとてもそんな事、言えなかった(T_T)」
「それは俺も一緒!俺みたいな子供は香澄さんにとって頼りにならないって…」
「One pieceになってくれる?」
「正樹さんみたいなOne pieceにはなれないけどねf^_^;」
「そんなことないよ(^^)」
「でも…形が定着しない、いつでも形が変わるOne pieceだよ↑」
「…いいよ」
私にとってそれでもありがたい事だった…
何故なら終わりの決まってる2人だから…
2月。旅行の行き先は熊本。目的は熊本ラーメン!
省吾の車で高速に乗り、交代で走る。
私、彼氏と旅行なんてほとんど経験なかったからすごい楽しくて♪
着いたのがちょうど昼時だったので、目的のラーメン屋さんに入ってランチを済ませた。美味しかった〜♪
そのあとは熊本城へ。
天守閣まで歩くんだけど、階段とかあって…
「きつーいo(><)o」
「ほらっ!手(^O^)」
省吾が私の手を取って引っ張ってくれた。それからずーっと(#^.^#)
そこで初めて手を繋いだんだ(#^.^#)
「省吾、あのさ…私と手なんか繋いだりして恥ずかしくないの…?f^_^;」
「なんで?恥ずかしいわけないじゃん!俺と一緒だと恥ずかしいわけ?(-.-;)」
「んなわけないじゃん(¨;)悪いな〜って思ってf^_^;」
「気にすんなっ♪」
頭をポンポン♪ってされて超〜嬉しい!!(#^.^#)
だけどその反面、こんな年の離れた私が省吾の隣にいてもいいのか自問自答してたんだ↓
夜は繁華街に行き済ませてネットで調べたラブホへ(^^ゞ貧乏旅行だったけど楽しくてしょうがない♪
次の日は阿蘇方面へ。
阿蘇には登らず、阿蘇のカルデラが一望出来る展望台へ。
スッゴい壮観な景色で感動☆☆
ちょっと雪化粧もロマンチックだった☆☆
旅行からほどなくして、バレンタインがやってくる。何にしようか悩んでサイトとかで検索したら、なんとピッタリ♪の品が!!(^^ゞ
<バレンタイン早く来ないかなぁ〜♪>
省吾に早く渡したくてバレンタインの前のデートでおバカな私はつい…
「あのね、バレンタイン楽しみにしててo(^-^)o絶対ウケるからっ!!♪」
「マシで!?ナニナニ!?すっげえ期待してしまうんだけど…ってか今日言わないで欲しかった(-.-;)サプライズ感なくなるやーんo(><)o」
「あっ!ごめ〜んf^_^;」
そしてバレンタインの日。
予約してたお店で食事を済ませ、夜景を見にそして車の中で、
「はい、これ(^^)/」
「あーっ!Thank you〜♪」
「何がいいか悩んだけど、これゼーッタイうけると思って(^_-)-☆開けてみて!」
ガサガサ…
「…」
中身を見た省吾は私の顔と品を交互に2度見…
「スゲェ〜!!何これ!!スゲェ〜!!チョコ!?」
「美味しいかはわかんないよf^_^;」
そして、1つ食べてみる。
「あっ!美味い♪」
「よかった♪」
そして、また元通り包み始め、
「これは大事にゆっくり食べるっ(^_-)-☆」
喜んだ顔に私も嬉しかった(^O^)
何故ピッタリかとゆーと…
省吾は車の整備士なんだ(^_^)