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Chapter 2

………2 Years ago………


私がまだ『お客様』だった頃、正樹に仕事を頼んだことが始まりだった。

メールしあうようになって一緒にドライブなどに行くようになり…


ある日、夜景の綺麗な場所に車を停め、いろんな話をしていた。会話が途切れ…その時、


「キスしていい?」


正樹が聞いてきた。


「だぁめぇ〜\(^^:;)」

「どして?いいじゃん(^_^)」

「したら怒るからね〜(^^ゞ」


私は彼とは『遊び友達』でいたかったのだ。


何度か彼と会う中で私は気付いた。彼の話の中によく出て来る名前。


「ねぇ、あなたは私を好きだと言ってくれてるけど…本当?」

「本当だよ」

「そぅ…ありがとう。でもあなた由紀さんと何かあった?」

「どうして!?(。。;)」

「私、勘が良すぎるんだ(´〜`;)」

「何もないよ(¨;)」

「嘘はわかってしまうから言わないで(;´・`)」

「…たしかに…食事に行ったりドライブ行ったり…」

「体は?」

「そりゃ…1度は…でももうとっくに終わったことだよ!今はあなたが好きだよ!」


この歳になって異性から『好き』と言われることなど思ってもみないことだし、それに…そのころの私はすでに正樹を好きになっていたのかもしれない…。


それから数日後、私たちは付き合うことになった。もちろん、普通の恋愛ではないが…


私たちは、デートを重ねた。ドライブ、お泊り、パチンコ…時には彼の家で。楽しかった。


しかし、1年も過ぎた頃、私は知ってしまった。彼が由紀さんにメールしてることを…

もちろん、メールくらいするだろう。だけど、問題は中味だ。彼は由紀さんの事を思ってるような事を送っていたのだ。

私はかなりショックだった(:_;)


<やっぱり忘れられないんだ(:_;)今までの私はなんだったの!?>


それから私の中で、彼を信じる気持ちと反面、彼のどこまでが本当か嘘かわからなくなっていった。『光』と『陰』が生まれてしまったのだ。

そんな思いを打ち消しながら過ごしていたその頃、忘年会の夜の出来事だ。



…………焼肉店にて………


私は、正樹が由紀さんを好きなんじゃないかということ、いつも私が振り回されカラ回りなこと、いままでの2人の間に起きたことをすべて話した。


「そんなことが…まさか、相手が大山さんだったとは…(¨;)」

「びっくりした…?」

「うん(^^:;)でも…たしかに今までの行動や発言を思い返せば繋がるわ(-.-;)」

「中田くんとパチンコしてて大山くんいる時あったじゃない?その時、あなたが帰っても大山くんの様子見るって言って私残って…」

「あー!!残ってたね!」

「そういうことなの(-.-;)」

「大山さんね〜…」

「実は、その忘年会の夜のカラオケ、彼、由紀さんたちの部屋にいたんだ(:_;)それ知って悲しかった(T_T)」

「なんで知ったの?」

「由紀さんから聞いたの。メールくれたんだ。だから余計に私、何度も何度もメールして…返事待って…それなのにこなくって…(T_T)由紀さんと彼が一緒にいる、それだけでも辛いのに…連絡こないとますます…」


もう泣きすぎて話せないくらいになっていた。


「だからあの時、ケータイばっかいじってたんだね↓…大丈夫?」


泣いてる私を気遣う。


「…大丈夫…ではないけど…ごめんね、こんな話↓ヒクよね…誰だって(´〜`;)嫌な思いさせたね↓でももう、いっぱいいっぱいだったの(:_;)」

「いや!逆に全部話してくれてよかった」

「ありがとう。そう言ってもらってよかった。明日、はっきり私のこと聞いてみようと思ってるんだ(;_;)」


省吾は黙ってうなずいた。頑張れって言われた気がした。



……………翌日……………


「おはようございます」

「ざまーす!!」


省吾は私を励ますように元気よく挨拶してくれた。しかも優しい笑顔付きで。私は悲しい笑顔しか出来ずに申し訳ないくらい。


そのあと仕事中も、暗い顔をしていると、


◇暗い顔してるよ〜!Smile Smile♪(^O^)◇


とメールくれたり、すれ違いざまに口パクで、


「スマイル、スマイル(^O^)」


と言ってくれた。

私はありがたかった。とても心強かった。


そして、帰り…


◇今夜、話すんだよね?頑張って!◇

◇ありがとう(:_;)頑張るから◇


私には味方がいる!そう思えた。



その夜、私の中の『陰』を無くしたくって思い切って彼に思いをぶつけてみた。もちろん、怒るのを覚悟して…


「あなたが由紀さんの話しを聞きたくないのはわかってる。でも、やっぱりはっきりしないの嫌なの!カラオケだって一緒にいたから連絡くれなかったのよね!?あなた、由紀さんに『このあとどっか2人で行かない?』って言ったらしいじゃない!(>_<)」

「言ってないよ!(-.-;)別な人が言ったんじゃない!?一緒のカラオケだったけど俺、話してもないし!なんでいつも由紀さんにこだわるわけ!?なんともないって言ってるのに…」


私がこだわる理由…それは友達で、しかも同じ主婦、同じ世代だったから。


「じゃあ、由紀さんが嘘をついてるの!?」


由紀さんを疑いたくはなかった。


「本当にそんな事言ってないよ」

「由紀さんがいたから連絡できなかったのよね(-_-)」

「いや!他にも人いたし」

「ぶっちゃけ私の事、もうどうでもいいのよね(:_;)?」

「…」

「私たち付き合ってるのよね?」

「今、こうやって一緒にいるじゃん!」

「でもあまりにも私にたいして雑すぎない!?」

「…たしかに…前のような気持ちは無くなってきてるよね(−_−)」

「私と別れて由紀さんと付き合う!?彼女も私と同じ状況じゃん!」

「いや!なんともないし向こうもそんなこと思ってないよ。それに、次に付き合うときは独身の女性だよ(´〜`;)」


<たしかにそうよね…だって私には帰らなきゃいけない場所がある。とても冷たい風の吹く場所…>


その夜はもう何も言えなかった。



次の日、出勤すると省吾が心配そうに顔をみる。

しばらくすると、メールが入る。


◇今夜、飯食い行かない?◇


私の話しを聞きたいのだろう。私も省吾に話したかった。その日も正樹にもう一度、私は何なのか、どうすればいいのかメールしたが、やはりすぐには返事はこない(;´・`)直デンしてしまった。


「どう思ってるの?」

「なんでそんなに聞きたいわけ?すぐには答えられないよ!(-.-;)明日会ったとき言うからっ」


明日…それはX'mas Eve。会う約束を前からしていた日。


その夜、私と省吾はファミレスで食事しながら話した。


「俺さぁ〜今日お客さんとこ行くときさ〜、香澄さんのこと考えたらなんか可哀相で悲しくて涙が出てきてさ(;_;)なんか……人のことで泣けたの高校以来だし(¨;)」


<私のために泣いてくれた人がいる…>


省吾の言葉がなんだかあたたかくて涙が出そうなのを見せたくなくて私はうつむいた。


「そうだったの…ありがとう…」

「で、どうだった?」

「なんか…由紀さんのことは、はぐらかされた感じ…でも私をどうしたいのかはきちんと聞いたよ。そしたら…明日って言われた(:_;)明日、Eveなんだよね…何て言われるんだろう…(´〜`;)」

「自分ではどっちだと思う?」

「それは…このままでいたいけど、『気持ちは無くなった』って言われたし…もしかしたら、もうダメかもしれないとも思う(:_;)でも…まだ好きなんだよね…(¨;)」

「そこまで言われても?」

「たぶん、周りの人はみっともないって言うと思うよ。それでもいいんだ。カッコ悪くっても…」

「…」

「自分の気持ちに素直になりたい」

「そっか…明日頑張りなよ」

「うん、頑張る(:_;)」


心なしか省吾の顔がかげったように思えた。



そしてEveの日、朝から仕事をしてても考えてしまう。


<今夜なんて話しよう…でも、前にもこんなシチュエーションはあったし、その後もなんだかんだいって続いてたし…大丈夫な気もする!でも〜…(´〜`;)>


◇今夜何時に約束?◇


省吾が聞いてきた。


◇たぶん彼は仕事だから10時過ぎだと思う…(-.-;)◇

◇じゃあ、その前に飯食いいかん?◇

◇いいよ。じゃあパチンコやっとくから来てね!◇


よかった!一人でいるといろいろ考えてしまうから省吾が一緒にいてくれるだけで気が楽になる。

パチンコ中に省吾はやって来た。


「どこ行く?」

「近くがいいね」

「じゃあ、近くにいいとこあるからそこ行こうか!」


私たちは、小さいけれどお洒落なフーズバーに入った。薄暗い感じで間接照明がとてもいい雰囲気のお店だ。

「なんか…ごめんね〜…Eveなのに私なんかといるはめになって…(¨;)」

「いや、別に暇なんで(^_^)それに香澄さんと話したかったし!」

「ありがとう。私もよかった!会うまでの時間ドキドキだったから…」

「それで…大山さんがNOだったら、自分どうするの?」

「……」

「YESだったらもちろん現状のままだよね?」

「うん…」

「じゃあNOだったら?」

「まだ考えてない…し、考えたくない…」

省吾は黙ってうなずく。


「大山くんのどこを好きになったんだろう…雑にされてるのに…わかってるんだけどなんでなんだろう(:_;)…」

「『好き』に理由はないよ」

「そうなのかな〜↓…ねぇ、男の人の立場だったら大山くんの気持ちはもうないのかな↓」


省吾は黙り込む。


「中田くん、どうなると思う?」

「50:50かな…」


『50:50』…きっと省吾の優しさの言葉だったのだろう。あの時のあなたは悲しそうな顔で答えてたもの…


しばらくして私と省吾は店を出た。そしてとうとう会う時間。


◇今から行ってくる!◇

◇おぅ!がんばれ!どうなったか教えて◇

◇わかった◇


そして、彼の家に…


◇出てこれる?◇

◇中入って◇


鍵の開いた玄関を開けると正樹が居間に寝転んでいる。そばによりいつものように雑談をしたあと、私は切り出した。


◇私の事、好きでもなく嫌いでもないんだよね??◇

◇好きは好きだよ。でも…嫌いなとこもあるよね…50%50%かな…◇

◇じゃあどーして抱くの!?◇

◇抱きたいから◇

◇…別れたい……?◇


思い切って言葉にしてみた。彼はしばらく考えて…


◇今は一人になってゆっくりしたいよね…◇

◇別れるってことだよね…?◇

◇…◇


私はもうこれ以上は聞けなかった。正樹の顔が私を申し訳なさそうに見てるから…

私は黙って彼の家を出た。あとからあとから流れ出る涙を拭うことも出来ないくらい…声を殺して泣いた…


◇終わったよ…◇


省吾に連絡する。


◇そっか…がんばったね。…今からどっか行かない?◇

◇うん…◇

◇迎えに来て!◇


省吾は私の凹んだ気持ちに気を使ってくれてる。


そして、私は省吾を迎えに行き…街の明かり見える山の上の公園まで走らせた。

誰もいない公園につくと辺りは木々で真っ暗。


小さな吊橋を渡り、少し坂道になった林の中の小路を歩いていくと夜景の見える展望台がある。


私の少し後ろに省吾は立ち、2人はそれを黙って眺めてた。私は夜景がせつなくて涙が出て来るけど、それを見られたくなくて後ろを振り向けなかった(:_;)


「綺麗だよね〜…」

「綺麗やね…」

「なんかさ〜…自分の中にポッカリ穴が空いたような気分だぁ(:_;)なんてゆーか…ジグソーパズルのOne pieceが無くなったような…?(;_;)そこって、もろくて崩れやすいんだよね…↓↓↓」


そういって無理して笑顔作って振り向いてみたら、省吾は夜景を見ずにしっかり私を見つめてた。


「香澄さん、あんた心が綺麗すぎるよ。無理すんなよ(^_^)あ〜!!俺があと10年早く生まれてたらしっかりしたアドバイスも出来てちゃんとしたこと言えるのに〜(´〜`;)」

「ありがとう。こうやって毎日私の話に付き合ってくれて…ほんとうにありがとうね」

「よし!今度は飲みにでも行くか!(^_^)」

「うん(^_^)」


そしてそれから毎日2人は飲みに行ったり食事したりした。それが始まりと気付かずに…

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