愛してるぜー
酸素みたいな色の朝焼けを見て
こぼれたのは浮気性の涙
パッと火がつく赤色の目にも近い
移り気な僕らの手を引いてバスは最終路へ
困らせるつもりはないけれど
きっとそれは真夏の汗ばむ午後のせい
ゆらりーゆらりーゆらりー
揺れるウェディングドレスは
君の君の君のためだけにー
白く真っ白にしつらえられたもので
今もー昔もー未来でさえもー
それは変わらない
だから愛してるぜー
人懐っこい愛想笑いだけを残して
ノスタルジーは去っていくから
短い髪の花嫁は本当に気まぐれで
青色の水たまりで遊ぶ僕らは落ちていく
振り回されて 振り回されたままで
のめり込んだつもりはないけれど
二人の相性は最悪で
最初から一緒になれるはずもなかったんだよ
だけど 遠くー遠くー遠くー
遠のいていくガーベラのブーケは
君の君の君のためだけにー
空へと放り投げられたもので
過去も未来も今もないその場所で
種子をまいているから
まいているから
だから君を愛してるぜー
幸せと不幸せとか時に考えるけれど
君の前では適度に無意味で 意味があって
目を覚ますのに遅すぎるというのはないでしょう きっと
だからそろそろ乾ききったベッドから抜け出そうか
移ろうー移ろうー移ろうー
夏の恋心は 眠る君の焼けた素肌にきざまれて
君の君の君のためだけにー
それなりに用意されたもので
時間をさかのぼっても 遠回りしても
たどり着くのは君だけだから
だから愛してるぜー
そろそろ式場が 近づいているから
手に手を取って 進もうか
そろそろウェディングカーは走り出すから
後ろも前も見ずに キスでもしようか
そろそろ響くのは 君へ贈る「愛してるぜー」