2、 奴隷。
《異物を、送りこみましたが、大丈夫ですか?》
《あれは、面白いぞ。高性能の体に面白い精神体だ。フフフッ》
繭は、輝きを失い徐々に消えて行った。
もう、出て行けと言う事だろう。準備もそれほど無い。
少しの、保存食料位だ。洞窟は、入り口を土魔法で塞いで置く。
ゆっくりと、降りていく。麓の辺りまでは行った事が有るがそれ以上は
行った事が無い。
川に沿って降りていく、川幅が徐々に広くなっていく。
野宿をしながら、1週間位歩いた頃に、川に橋が架かっている。
初めての道、橋だ。木製の10m程度の橋である。幅は、5~6m位かな。
何方に行こうかと迷ったが、川下方面が、良いかと思い右方向の道路に
足を向けた。
暫く、道なりに歩いて居たら、後ろから馬車がやって来た。
ヒッチハイクが出来るかなと思い、手を挙げたけど無視された。
2頭立ての馬車で、同じ様な馬車が5台連なって通り過ぎた。
おまけに、護衛らしき男に、蹴り飛ばされそうになった。
「фЩЖωлЖД(ばかやろう)!」意味不明の言葉で怒鳴られた。
多分、不審人物に認定された様だ。フードを被って黒っぽい衣装だ。
子供でも、こんな辺鄙な所を歩いて居たら不審者確定だよね。
(しかし、言葉が分からなかったな、何処かで覚えないと)
行先は、馬車が行った方に行けば町が有るのは確実だな。
先程の、馬車で文明程度は分かった様な、中世ヨーロッパかな?
護衛も、剣をぶら下げていた様だった。
山に居た頃に、動物も魔物と呼ばれるもの達も居ましたよ。
殆ど数ヶ月で居なくなりました。私のせいですが。
ここからは、出て来るでしょうね。
(盗賊なんてのも、居るのかな?)
野宿をしながら、2日程歩いたら前方に馬車の残骸が道の横に有る。
矢が突き刺さり、血らしき黒ずみが所々に残って居る。
前世の、交通事故現場検証なら、多分、先頭の馬車が襲撃されて馬が
転倒して馬車も倒れて、後続の馬車が立ち往生して全滅かな。
ここが、襲撃場所なら見張りが居て、俺は、もう見つかっているな。
(どうしょうかな、捕まって奴隷確定かな? 美形だから貴族に
買われるかな? 変な趣味の貴族なら嫌だな)
そんな事を、思って居たら。来ましたよ、騎馬が10騎来ましたよ。
盗賊(山賊)ですね。大人しく捕まって後は、臨機応変ですね。
先頭の男が、槍を突き付けて「бцв?ЩωЮ」『大人しくしろ』
(ヘッ、テレパシーかな?)
俺は、武器は持って居ないから、素直に手を上げる。
後から来た男たちが、馬から降りてから武器を持って居ないか確認して
後ろ手に縛られた。それから、馬に2人乗りして連れて行かれる。
途中で目隠しをされて、隠れ家の位置を知られない様にされた。
1時間位で、隠れ家に着いた様だ。馬から降ろされて5歳児だ、肩に担がれて
連れて行かれる。降ろされて目隠しと、縛られた手が解放された。
思っていた通り、牢屋の中だった。
広くは無いが、10人位の子供がいる。俺と一緒で売られるのだろう。
「яёфжомел」『飯だ、食え』言って居る事が分かるよ。
護衛に言われた時は、高速移動中だったので聞こえにくかったのだな。
パンとスープで、それ程酷い食事では無い、痩せて居たら商品価値が落ちる
からだろう。
近くに居る、子供にパンを半分やって言葉を覚える為に声を掛ける。
優秀な、補助脳が有るので、語呂は少ないけど、テレパシーか、心が読めるのか
言葉は分かる。話す事に問題が有る。
捕らえられている子供は、10歳位までで、男女半々位だ。
全部が、人族で獣人の様な人種は居ない様だ。
殆どが、白人種で髪の色は色々だった。これなら、余り目立た無いね。
2~3日牢屋で言葉を覚えて、日常会話は出来る様になった。
捕まってから、1週間位過ぎた頃に、馬車に乗せられて何処何連れて
行かれる。
野宿やら、安い宿に寄ったりして1週間程度かけて街に着きました。
どうも、奴隷市場の様である。牢屋の中の子供達とは親しくしなかった。
どうせ、バラバラに売られるのだ、一緒になれば又、親しくすれば良い。
奴隷紋の様な物は、押されなかった商品に傷は付けない様だ。
多分、買主が、首輪でも付けるか焼き印でも押すのだろう。
俺は、見た目が良かったので、最後に出品される様だ。
順番が来た様だ、檀上に上がって素っ裸にされる。商品なのである。
(非常に恥ずかしい、特に若いお姉さんに見られているよ)
「年齢推定5~6歳名前は無し、健康状態良好」進行係が説明する。
俺は、事前に聞かれたけど、全て分からないと答えていた。
俺も、親の事は知らないのだから、孤児ですよ。
金額は、分から無いけど結構な金額で、落札された様だ。
変な、貴族なら皆殺し決定だな。
控室で、少し小奇麗にされて待って居たら、執事らしき男が現れて
連れて行かれる、一言も喋らない。
逃がさない様に、手を持って連れて行かれる。
【アスカロン・アガディール】年齢50歳 人族 白人種
所属・マリエン辺境伯爵 執事
妻無・・・・・・・
性癖・・・・・・・
身長 185㎝・・・・・・・・・・・・
以下、個人情報がダダ漏れ状態です。脳内付帯脳に記録します。
相手に接触すると、情報が入手し易い様です。
考えて居る事も、分かります。高性能な体です。
奴隷護送用の荷馬車に押し込められます。先客も居ますね。
5人程居ますが、全員 頭から頭巾を被せられて顔が見えません。
体付きから、女性の様ですね。体格から俺と同年代から少し上の様です。
馬車の中からは、外が見えないけれど大きな屋敷に到着した様です。
馬車から、出されて、俺だけ別の場所に連れて行かれます。
今回は、女性ですね。
【リサ】年齢16歳 人族 白人種
所属・マリエン辺境伯爵 メイド見習い
独身・・・・・・・
性癖・・・・・・・
処女・・・・・・・・・
身長 155㎝B・・・W・・・H・・・
今回も、知りたい情報や気になる情報が手に入る色々べんり・・・
連れて行かれた所は、浴室だった。何故か全身を磨き上げられて
特に股間を念入りに洗われた。リサは、ニヤニヤしながら洗って居る。
男性器等、普段見られないだろうな。
5歳児だ、マダマダ実用品では有りませんよ。
浴室から上がって、綺麗なタオルで体を拭いてくれる。
俺が造った腰蓑素材より数段上等のタオルですよ。
又、特別に股間を念入りに拭いてくれますよ。
リサは、名残惜しそうに下着を着せてくれます。
リサは、茶髪で肩までの長さです、水に濡れない様にスカートを託し上げて
白い太ももが見えて、薄いブラウスが少し濡れて艶めかしいのです。
しかし、体は5歳児。心は還暦ですよ、役に立たないですね。
俺の体は、汗をかかない様です、下着を着てから上着を着せてくれます。
銅板を磨いた鏡が有ります。5歳児ですが見事なお坊ちゃまの誕生です。
衣装も整い、リサに連れられて控室らしき所に来ました。
中に入ると、中年の叔母さんが居ますよ。
「まあまあだわ、これなら合格ね」どうもメイド長らしい。
メイド長に手を引かれて執務室に入る。
【アルテナ】年齢31歳 人族 白人種
所属・マリエン辺境伯爵 メイド長
夫有り・・・・・・・
性癖・・・・・・・
非処女・・・・・・・・・
身長 160㎝B・・・W・・・H・・・
突っ込み処満載の能力である。