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初期値にしては良いのかも

 さてさて、そんなこんなで私はどうにかルカの部屋までやってきた。

 予めもらっていた合鍵で部屋に入って、椅子に座る。

 マーガレットには問い詰められるわ、ルカとのアレなシーンは見てしまったりと、散々だった。

 

 もっともこの後は、マーガレットと少し相談しないといけないけれど。

 ただその前に、ベリオールのステータスはチェックしておきたいと思う。

 現在のマーガレットへの好感度がどの程度なのかを知っておかないと後々、調整しにくい。


 後でベリオールのいそうな場所をルカに聞いてこよう、そう私が思っているとそこでルカが帰ってきた。

 首のところの赤い跡があったりするが……多分つけたのはレオ王子だよな~と思ったのでそれに関しては特に突っ込まず、代わりに、


「今日は早かったね。どうしたの?」

「午後の授業が、先生が風邪をひいてお休みで……」

「あー、そうなんだ」

「それでどうだった? この学園内の構造がわかったかな?」

「うん、広いね。そして本当に魔法が使えるんだね」

「今は瑠香ルカも使えるんだよ。異世界に魔法がないっていうのが私には不思議だけれど、数多ある世界の中にはそういった選択もあったのかもしれないね」


 そう言って笑うルカに私も自然と微笑んでしまう。

 別の世界の私とこうやって話しているのは不思議な感じがする。

 でも彼女も私なのだという奇妙な確信めいたものが私の中であるのも不思議な感じがするなと私は思いながら、


「あ、そうそう、ある人物の居場所をその魔法で調べてもらってもいいかな。そういった魔法ってある?」

「あるけれど……どうしたの?」

「そのゲームのヒロイン、マーガレットが片思い中の相手がいて、その人物とくっつけられたなら、と思ったんだ」

「! そうすれば王子と……」

「でも途中、その場合でも二人の仲が深まるのを邪魔をしないといけなくなるけれどね」

「……それが私の役目だから、うん、仕方がないよね」


 悲しげに笑うルカに、私まで胸が締め付けられるような気持ちになる。

 共感みたいなものをしているのだろうか。

 そう思いながら私は、ゲームの中での展開はある程度頭にはいっているけれど、


「ベリオールの様子を見てから考えようよ。それからどう諦めてもらうかを考えていくのもいいと思う。それに……」

「それに?」

「私のやっていたゲームでは、最後はルカとレオ王子は結ばれていたよ? だからそのルートに行けるよう、手助けするから元気を出して!」

瑠香ルカ……うん」


 笑顔になったルカを見ながら私は、早速そのベリオールの居場所を教えてもらったのだった。






 どうやら図書室にいるらしいと分かったので私はそちらに向かう。

 ルカの魔法で学校の見取り図のようなものを取り出し、一本の糸のようなものを取り出す。


「ルカ、それは?」

「ベリオールの髪の毛。探査にはその人の身近なものがあると反応しやすいから。……もっともこれは特別な魔法なんだけれどね」


 と笑っていたが、あっさりベリオールの髪の毛が出てくる辺り、もしや全校生徒や先生方もあったりするのだろうかと思ったけれど私は怖くて聞けなかった。

 そうこうしている内に、居場所を特定。そして、


「王子とくっつるために邪魔をしないといけないから、その人物の居場所がすぐに分かるようにしているんだ。決してこの髪の毛は私の趣味じゃないからね」

「う、うん、もちろん分かっていたよ」


 といったやりとりがあって、それから私は現在、一人で図書館に来ていた。

 そしてその目的の人物、ベリオールを見つける。

 赤い髪に、茶色の色の瞳をした男。


 資料が何処だったかなと探している彼女を見ながらも、もし他の人に見えたら困ると思って私はここの図書室にいる見える範囲の全員と念じてから、


「ステータス、オン」


 そう小さく呟く。

 そこら中にステータス画面が現れる。

 幸い誰も気づいていないようだ。

 なので私は目当ての人物の前を通りながらステータスを覗く。



名前:ベリオール・ロックフレア


レベル:28


体力  200

魔力  56

攻撃力 89

防御力 99


好感度 (マーガレットへのもの) 56




 確か好感度は100になると最大値だから……初期の値にしてはいいのかもしれない。

 それを考えながら私は、そのままマーガレットの部屋に向かったのだった。


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