協力関係を取り付けました
矛盾点を指摘されてしまった。
何も言えずに固まっている私に、マーガレットは更に、
「それで、私を入学式で会った王子様とくっつけるのが貴方の目的、いえ、ルカの目的なのよね」
私に告げてくる。
なんでこの人はここまで事情を知っているのだろう、そう思って更に固まる私に彼女が、
「どんなものでも情報を握るものが世界を制する、ということよ。それで、貴方は何者なのかしら」
「い、いえ私は……」
「言わないと、警備の人間につき出すけれど。だってあのルカに似た人間なんて私のこの学園内の人間データにはないもの」
これはもう積んだと思った。
言い逃れできない。
あと、見ている限りではこのヒロインは面白いけれど、こうやって敵に回った時点で洒落にならない。
私はどうしようと思って……ルカに相談しようとするが。
「あ、あれ?」
「連絡できないように妨害用の魔法を展開させてもらっているわ」
私はそれを聞いて、もうだめぽ(´・ω・`)、となり、仕方がなく事情を説明しました。
それを黙ってマーガレットは聞いてから、
「ふーん、異世界からね。それでそのステータス画面って、私にも見れるの?」
「さあ、今やってみますか?」
「是非お願いしたいわ」
そういうので私は、ステータス画面を表示させる。
名前:マーガレット・ブラウン
レベル:22
体力 120
魔力 89
攻撃力 87
防御力 99
魅了能力 Lv,1
マーガレットのステータスはこんな風なんだ、これは私が見ていた画面と同じだなと私は思っていると、
「……その画面とやらは出ているのかしら」
「はい」
「私には見えないわね。でも魔力は感じるから、そのうち見れるようにしてみるわ。それでもう閉じていいわ」
と言われたので私は閉じました。
でもレベルは高いし魔力等もルカより高いんだなと私は思いつつ、そうしていると彼女女は私を見て笑った。
私は嫌な予感がしたが、その予想は当たっていた。
「貴方、二重スパイにならない?」
「いえいえ、私はスパイなんてするつもりはありませんというか、何をさせる気なんですか?」
「私に協力してもらおうかと思って。実の所、“男”って私もよくわからないから相談相手も欲しかったのよね」
「? ……はあ。……あ、そういえば片想い設定があったはず!」
そこで私は思い出した。
主人公のマーガレットには片想い設定があったはず。
確か、幼馴染のような貴族の少年で、人が良くて見かけもよくてスポーツ万能で、でも勉強がちょっと出来ない優しい人物、
「ベリオールが好き……もがもが」
「……次にそれを口に出したら、警備員に突き出すわよ」
マーガレットに口をふさがれた私は、低い声でそう囁かれる。
怖い、ヒロインが怖い。
けれどそこから察するに、
「その、ベリオールとの仲の手助けをしましょうか? それで上手くくっつけばこちらの方も失敗ということになりますし、ルカも喜ぶと思うんです」
「……なるほど。でも本来のルカの立場では私の邪魔をするんでしょう? その本物のルカの動向という情報を私に貴方は流してくれる、と?」
「それがマーガレットさんの言う協力ですよね?」
「前半の邪魔に対しての手助けは考えていなかったけれど後半はそうね。それで、今の会話だと、良い返事を期待してもいいのかしら?」
微笑むマーガレットに私は頷き、今後のそういったフラグについて考えた私は、
「今日の放課後、一度、マーガレットさんとお話していいですか?」
「ええ、構わないわ。では部屋に来てくれるかしら」
「第二女子寮にですか? 私達が住んでいるのは別の場所なんですよね……どんな用事を言い訳するか」
そんな私にマーガレットは、
「私の部屋は1階だから、窓から招き入れられるから見つかりにくいでしょうし、そういった心配はないわ。他の人の目のない所でお話したいから、そのほうがいいでしょう?」
出会ってすぐ、本来なら警戒すべき私を自分の部屋に招待するヒロイン・マーガレット。
相変わらず大胆だなと思う私はそこで彼女と別れる。
そして私はもう部屋に戻ろうと歩いている途中、ある現場に遭遇してしまったのだった。
評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。