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才女系主人公ヒロインに見つかりました

 何故、こんな事になってしまったのか。

 そう自問自答する私だが、未だ答えは出ない。

 現在、私は目の前に座るゲーム内では才女系主人公ヒロインとして存在していた、マーガレットと、人の少ない学園内のカフェでお茶をしていた。

 

 私から誘ったわけではなく半強制的にこうなったのである。と、


「貴方、ルカ・スノーホワイトじゃないわね」

「ななな、何のことでしょうか」

「そうね、教えてあげないわ」


 マーガレットが笑う。

 ヒロインが怖いよ~、ガクガクブルブルとなっていた私ですが、このヒロインがちょっと私に刺のある言い方をするのには理由がある。

 それは本日の入学式の出来事だ。


 その時に、ルカは嫉妬にかられてマーガレットにちょっとした嫌がらせをした。

 それはささやかなもので、自分がやったとばれないように魔法を行ったが気づかれてしまう。

 けれどそれに怒ったマーガレットだが、その時は王子であるレオが宥めて事なきを得た。


 ただそれを見て、ルカは自分の行動にショックを受けたり、後々、この時王子のレオがルカがやったと気付いてフォローに回ったのが判明する。

 さて、その辺の説明は置いておくとして、どうしてこうなったのかという経緯について説明しようと思う。

そう、私が召喚されたのは入学式の日のお昼休み。


 既にゲームは始まっており、この主人公ヒロインは男性とのフラグは幾つかたっている筈だけれど、まだ本筋には影響しない程度のものだったはずだ。

 私が知るかぎりでは、だが。

 ただ私が思い出す限り、ヒロインはこの入学式の日何をしていたのかが分からない。


 正確には描かれていない。

 だから……入学式があるとはいえ授業中に、あんな所にヒロインがいるとは思わなかったのだ。

 そう思いながら私は、先程の出来事を思い出す。


 それは私が、これが異世界の魔法の学校か~と、透明人間になりながら学校見学を楽しんでいた時の事だった。

 ルカの言う通り私は同じ存在だったのでその透明人間魔法は覚えやすくて、簡単に透過出来た。

 透明人間ならではの悪戯をしても面白そうだったのだが、そんなことはせずに私は、普通に魔法の学校ってこんな風なんだとか、魔法の練習してる、わ~、といったように学園内を満喫していた。


 けれどそこで私は出会ってしまったのだ。

 ゲームの主人公ヒロイン、マーガレットに。

 鮮やかなピンク色の髪に青い瞳の彼女。


 才女であり魔法の能力の強い彼女ならば私に気づくのではと不安に思いながらそっと避けるように通り過ぎる。

 通りすぎて、良かった、気付かれなかったと私は安堵したのだけれど、そこで細い腕が私の首に巻きついて、


「それでこの変質者さんは、一体何者なのかしら」


 と笑うような声で囁かれました。

 ひいいいいいっ、と悲鳴を上げる私はそのまま魔法を解除されて、お話しましょうと襟首を掴まれてカフェに引きずり込まれ、今に至るのである。

 そんなわけで偽物と看破された私だけれど、


「わ、私はルカ・スノーホワイトです」

「あらそう、だったら朝、私に何をやったのか言えるかしら」

「風の魔法を使って、スカートめくりをしました!」


 確かこの時、ちらっとマーガレットのパンツが見えたのである。

 そう、水色の縞々のパンツが!

 あれを見たとき何故男性向けサービスシーンがと思ったものである。


 だが今は、それはあってよかったと私は思った、のだが。

 そんな私に、マーガレットが意味深に笑う。

 今のは何か間違えてしまったのでしょうか、と私が不安に思っているとマーガレットが、


「その風の魔法、朝、貴方を問い詰めても知らないで通されたのよね。どういう心変わりなのかしら」


 楽しそうに私に告げる。

 私は、しまったと顔を青くしたのだった。



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