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自分で掴み取れるわ

 それはネバネバした液体のように初めは見えたけれど、それがむくむくと膨れ上がって球状になる。

 スライムというものが頭に浮かんだ私にそれは襲いかかる。


「つ、つめた、ふあああっ」


 服を溶かして侵入して体を這うスライム。

 気持ち悪さに悲鳴を上げる私。

 しかもそのスライムが、どんどん増えていってルカが必死になって、やめてと先読みの魔女達に叫んでいる。


 もうやだと私が思っているとそこで何かが倒される音と走る誰かの足音が聞こえる。

 同時に、私達の捕らえられた牢の壁に大きな穴が空く。

 それは壁自体がサラサラと砂粒になって消え失せたのだ。


 ここは1階にある場所であったらしい。

 穴から地面が見える。

 同時に、その穴から姿を現れたのは、レオ王子、のように見えたけれど……。


「ひあああっ、ぁああっ……」


 その間もスライムに服を溶かされかかり、体を這われて私が涙目になっていると、そのレオ王子が私を襲っていたスライムを一瞬にして消滅させた。

 更に真っ直ぐに先読みの魔女とスノーホワイト侯爵を見据えて、


「“猛き風よ、歌え”」


 まっすぐに手を伸ばして、風の魔法を使う。

 その威力に私達は呆然としてしまう。

 それに先読みの魔女とスノーホワイト侯爵はなんとか耐えているようだが、吹き飛ばされるのは時間の問題だった。


 そして吹き飛ばされたなら、彼女らはどうなってしまうのだろうと気付いて私は、


「レオ王子、それ以上やったら死んじゃうかもしれない!」

「それがどうした? 俺の瑠香ルカを酷い目に合わせようとしたのだから、当然の報いだ」


 淡々と告げるそれは、幼馴染の伶音れおが怒って、周りが見えなくなっている時そのもので。

 それに今彼女は、自分のことを私ではなく、俺と言わなかったか?

 私はいまめの前にいて私を助けようとして誰かを傷つけようとしているのが誰なのかに気付いた。


伶音れお、止めて、それ以上はしないで! 私は……伶音れおにそんな人になって欲しくない!」


 その私の言葉に、ようやく伶音れおはぴくっと反応して、その先読みの魔女たちを睨みつけたまま魔法を徐々に弱めていく。

 と、声が聞こえた。


伶音れお、無茶をするな!」

「……レオが遅いのが悪い」

「マーガレット達が手助けしてくれるというから、少し話していただけだろう。私だって今すぐ助けに行きたいのを抑えていたというのに……」


 新たに現れたレオ王子が、そうもう一人の彼女に言う。

 そしてそれから少し送れてから、


「まさかこの私が二人に遅れを取るなんて思わなかったわ。そして……まさか裏で糸を引いているのが母さんだったなんてね」


 皮肉げに笑うマーガレット。

 それに先読みの魔女は、


「貴方が駄々をこねなければこんな事にはならなかったわ」

「あら、聞き分けがいいふりをして、裏でこんな無関係の人達まで巻き込んでやらかしているとは思いもしませんでしたわ」

「私はいつだって貴方の幸せを願っているの」

「私の幸せは押し付けられるものではなくて、自分で掴み取れるわ」


 そこで二人は黙って睨み合う。

 けれどそこで、スノーホワイト侯爵が動いた。


「これを見ろ! この、ルカの生命の契約書がどうなってもいいのか!」


 取り出したのは、茶色い紙に魔法陣の描かれた……ルカのベッドの下に隠されれていたものにそっくりな、一枚の紙だったのだった。



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