表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/32

わ、私はもうだめかも

 部屋に戻ってきた私は、部屋の隅で両膝を抱えるルカに気づいてビクッとなった。

 そのあまりの暗い雰囲気に、私は恐る恐る近づいて、


「ど、どうしたの? ルカ」

「……瑠香ルカ、どうしよう」

「え?」

「私、レオ王子とその……セッ」

「それ以上言わなくていいです! ……まさかあの喘ぎ声……」


 顔をルカはそこで真っ赤にする。

 もしかしてそのせいで出られなかったと気付いた私も、顔を赤くする。

 微妙な雰囲気の中、ルカは震える唇を開いた。


瑠香ルカ、話を聞いてくれるかな?」

「え、えっと……うん」


 私が頷くと、ルカはぽつりぽつりと話し始めたのだった。








「実は私は、前から君のことが気になっていたんだ」


 微笑むリセントにルカは怯えていた。

 移動時間の時に、たまたま教室の外に出そうなマーガレットと接触しそうだったので、ルカは足止めをしていたのだけれど……。

 柔和な上級生の仮面を脱ぎ捨てた彼女は、射抜くようにルカを見つめている。


 そして彼女は、マーガレットと接触させないようにルカがしているのを知っていた。

 別に誰かに話すつもりもないし協力すると言った彼女だけれど、そんなリセントにルカは壁に押し付けられていた。

 そして囁かれる、君のことがずっと気になっていたと。


「もしも君が私の“恋人”になってくれるのなら、出来る限り手を貸してあげてもいい」

「で、でも……」

「君は本当に自分が、レオ王子の恋人になれると思っているのかな?」

「! それは……」

「私にしておきなよ。そうすれば皆幸せだよ? 私も君も含めてね」


 優しく微笑む彼女に、ルカはその誘惑に、心ひかれてしまう。けれど、


「リセント先輩、そこまでにしていただきましょうか」


 ここにいるはずのない、レオ王子が立っていたのだった。






 そこまで聞いた私はあることに気づく。

 確か授業の間、レオ王子は私のクラスにいたはずなのだ。

 なのでルカと一緒にいたという。では、あのレオ王子は……。

 けれど私は、今はルカの話を聞くのを先決にしようと思ったのだった。






 怒ったレオ王子にルカは部屋に連れ込まれた。


「どうしてあんな男と会っている」

「……レオ王子には関係ありません」

「……そもそも、ルカはどうしてあんな養子縁組を受けた。罠に決まっているだろうに」


 それを聞いたルカはむっとして、


「レオ王子の隣に立ちたかったんです。貴方の隣で、貴方と一緒に生きていけるように私は、力を蓄えていたのです。私は自分が平凡だって分かっているから」


 レオ王子が沈黙して、それから……。


「どうやらまだルカは、自分を過小評価し過ぎのようだ。……良いだろう、私にとってルカがどんな存在か思い知らせてやる」

 

 そう私は王子に襲い掛かられてしまったのだった。







 そ、それでどうなったのと私は聞くと、


「抱きしめられて耳に息吹きかけられたりして……キスされて」

「そ、それで?」

「それだけだよ、セッ……」

「……ルカ、それはセッごにょごにょと言わないよ」

「……え?」

「言わないって」


 私の言葉に目を瞬かせるルカ。

 それからほっと息を吐いて、


「だから私は、生きているんだね」

「え?」

「何でもないよ。うん、それで、本当のそれってどうするのか教えて欲しいんだけれどいいかな?」


 微笑んだルカに私は、どうしようと私は思いながらも耳元でこっそりとやり方を教える。

 真っ赤になったルカが、ポテっと床に倒れた。


「わ、私はもうだめかも。午後の授業もお願いしていいかな」

「嫌だよ、頑張れ」


 そう私は、ルカに告げたのだった。


評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ