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こちらの方の不手際もあるから

 魔法実習。

 魔法を放ち、怪物を倒す実習である。

 ただ私としては、自分の姿を消す魔法しか知らないのだ。


「ど、どうしよう……とりあえず、他の人達に付いて行って着替えを……違った、これは体育じゃない」


 制服のまま練習場に向かうのみである。

 なので、そのまま私はそちらに向かう。

 でも魔法はどうしようと私が思っていると、授業が始まり、


「では、二人組を作ってください!」


 女の先生が私達にそう告げた。

 確かこのイベントで、好感度のそこそこ高いクラスメートとマーガレットは組み、更に好感度をアップさせるイベントだったはずだ。

 上手くいっているのかなと思ってみていると、


「マーガレット様、ぜひ私と」

「マーガレット様、ぜひ私と」

「マーガレット様、せひ俺と」


 といったように人だかりができていた。

 山のようにもこもことしたそれを見ながら、少し離れた所でベリオールがマーガレットを見ている。

 いや、ここはこの人混みをかき分けて、マーガレットを奪うところでしょう……と私が見ているとべリオールと目が合った。


 ニコッと彼は微笑み、


「ルカ、俺と組まないか?」

「!?」


 私は、何で私にしたし、と思った。

 そして私を見るマーガレットの視線が怖い。

 まるで好きな相手を寝取ろうとする恋敵を見つめるような目だ。


 怖すぎて私は首を横に振り拒絶の意思を示す。

 そんな私だけれどそこで後ろから右肩を叩かれた。


「生憎だけれど、俺が先約をとっているから駄目だ。行くぞ、ルカ」

「へ?」


 振り返るとそこにレオ王子……かもしれない人物がいて私の手首を握り、


「二人組にならないといけないなら、俺と一緒のほうがいいだろう?」


 確かに事情を知っている彼の方が一緒にいるならいいだろうと思う。

 そもそも私は魔法も使えないし、それに、マーガレットとベリオールがくっつくにはここの好感度イベントは確実に取りたいところだ。

 そう思っているとその黒いもこもこした人だかりが何かが数メートル上空に飛び上がった。


 その人物は宙返りをくるくると数回転してから少し離れた場所に着地し、立ち上がる。

 そこにいたのは無表情のマーガレットだ。

 この身体能力には、何かを突っ込まざる負えないが、そこでマーガレットはつかつかとベリオールに近づき、


「それで、ベリオール、私以外の一体誰と組むつもりだったのかしら」

「え?」

「……ムカっときたからあっちの二人の邪魔をしてやる。ルカ! 私と組みましょう!」

「ちょ、マーガレット」


 ベリオールと私が焦る。けれどそれにレオ王子が嘆息して、


「これは俺が先にもらった。だから渡さない」

「……ふーん、まあいいわ。こっちのほうが好感は持てるし、見逃してやるわ。ほら、ベリオール、行くわよ」


 マーガレットがそう告げてベリオールを引っ張っていく。

 ただマーガレットは今妙なことを言っていなかっただろうか。

 そう私が考え始めた所で、


「よし、魔法演習を始めるぞ」


 そう先生が告げたのだった。







 魔法演習の授業では魔法で作った怪物を魔法で攻撃して倒すのだけれど、


「ここでそう、魔力を集めて……いまだ」

「“ファイヤーボール”」


 炎の球が私の手から放たれて怪物に当たる。

 それにレオ王子がすかさず魔法を打ち込み倒していく。

 さすがですレオ王子と褒め称える声を聞きながら、良かったと私は思う。

 

 レオ王子に聞きながらなんとか私は魔法を使って切り抜けたのだ。

 優しく教えてくれて、多分、それは私がルカに似ているからだと思う。

 何にせよ、ルカが理由は不明だけれど出られないこの状態だから丁度いい。


 それに安堵しながらもマーガレットやベリオールの様子を見ると良好そうだ。と、


「ステータス画面を見ておいたほうがいいんじゃないか?」

「そ、そうだった……」


 そう思った私だけれどそこで私は、何でレオ王子は知っているんだろうと思って、でも図書館のあれを知っているようだから見えるのかもと私は思った。

 そしてベリオールの好感度を見ると、82→92になっている。

 上手く行けば後1つか2つのイベントで好感度が100になる。

 

 そうすればこちらのものだと私が思っているとそこでレオ王子に、


「後もう少しみたいだな」

「うん、100になれば後は好感度は維持されていく……のかな?」


 ふと不安を持った私だけれど、とりあえずは100にする目標を立てておいて、と思ってそこで私はレオ王子に振り返り、微笑み、


「今日はありがとうございました。とても助かりました」

「いや、こちらの方の不手際もあるから」

「? そうなのですか?」


 それにレオ王子は笑うだけでそれ以上何も言わず、こうして私達は別れ、昼休みになった私は自分の部屋に戻ったのだった。

 


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