なんでそんなに仲が悪いんですか?
そんなこんなで私は事前に、レオ王子とマーガレットに明日、入れ替わる旨を伝えた。
それを聞いたレオ王子が、
「……まだ何かを仕込む気か? ベリオールへの罠は穴以外に何かあるのか?」
「さあ、私はそこまで聞いていませんでしたから。……あ!」
そこで私は思い出した。
確か類はもう一人の人物の接触していたはずだ。
「リセントという上級生と接触していましたね。そういえば」
「別に少し話しただけだろう? 顔見知りになった程度。……だから私は手を打たなかった。ただルカと少し話していたから」
「ええっと、事前に接触があったのですか。彼女はマーガレットに“珍獣”のような興味を持っていて、それがやがて愛に……となる前に、ルカは邪魔者を排除しようとしているようですね」
「……そうなのか。だが、私は不安だ。今すぐそれを止めたい」
変なことを言い出したレオ王子に、私は首を傾げる。
「マーガレットとリセントが仲良くなるのが嫌ということでしょうか」
私がよく分からずに問いかけると、そこで私はマーガレットに頭を叩かれた。
地味に痛かった私は涙目で、
「何をするのですか。私が一体何をしたと……」
「そういう風に言うと、そこのレオ王子が私を好きみたいじゃない」
「あれ?」
「あれ? じゃなくて、見なさい。レオ王子だって物凄く、嫌そ~な顔をしているじゃない」
見るとレオ王子も、ものすご~く渋面を作って私を見ている。
何でだろうと私が思っていると、レオ王子が苦笑した。
「そういった所はルカと同じだな」
「? はあ」
「無防備過ぎて、そこもまた可愛く見えてしまうのだから、私も狂っているな。ルカ以外であれば面倒だから関わらないか利用してやるのだが、残念だな」
冷たく笑うレオ王子に、あれ、この人こんな人だったんだと私が思っているとそこでマーガレットは鼻で笑い、
「あら、この前そんな無防備な子の手助けを、ルカに似ているからと言ってしていた方が言う台詞とは思えませんわね」
苦虫を噛み潰したような顔で、レオ王子はマーガレットを見る。
マーガレットはマーガレットで舌をぺろりと出している。
この二人本当に仲が悪いな、と私は思って、
「なんでそんなに仲が悪いんですか?」
「「性格の悪さがわかるからだ(よ)」」
声がハモる。
そしてお互いい嫌そうな顔をする。
同族嫌悪? というものなのだろうかと私は思いながら、そこでレオ王子が、
「これ以上気持ちが悪い事を言われたくないから、はっきり言っておく。あのリセントとは私は面識がある。だから知っているんだ。彼女の好みが……ルカそのものだという事に」
「……はあ、そうは言いましても、ルカはレオ王子が好きで好きでたまらなくて私を召喚してしまうくらいでしたからね。杞憂じゃないんですか?」
「いや、危険因子は早めに潰しておくべきだ。そもそもルカは、あいつは……昔から年上の優しい人間には気を許しすぎるからな」
「何をする気なんですか!? 止めてください、一応、全キャラ揃ってラストに一悶着あったのに、何とかなって大丈夫だったんですから」
うっかりゲームの終盤のイベントを言ってしまう私。
その時には既に遅くて、レオ王子が、
「……そんな危険なことが?」
「……はい」
「何があったのか説明してもらおうか」
「ええっと、この学園の南にある校舎には、もともと封印の扉が有りまして、それがじつは開きかけていて……」
「では明日人を手配して片付けておく。これでリセントは必要ないな?」
「止めてください! そ、そういう事をするとルカに嫌われますよ?」
「……別に嫌われたなら連れ去らえばいい」
「別に、ただ単に授業を休んでレオ王子が直接邪魔しに行けばいいのでは?」
「それだ!」
いや、それだ、ではなく……と私が思っているとそこで、マーガレットが、
「段々茶番じみてきたわね。まあいいわ、私はベリオールの好感度? が完全に貯まればいいのでしょう?」
「はい、そちらに出来る限り誘導しますので」
「操られている気がするけれど、都合がいいなら踊ってあげるわ」
笑うマーガレットに、そろそろこういうヒロインに慣れてきたな~、と私は思ったのだった。
そして全員が自分たちの部屋に戻り就寝した頃。
レオ王子の自室にて。
「君のいう瑠香は善良な人間だね」
「当然ですよ、俺が好きになる相手ですから」
「それで明日、頼めるか?」
「ええ、構いません。大抵の内容は覚えましたから」
「助かるよ、伶音」
それにレオ王子の前にいる彼にそっくりな人物は微笑んだのだった。
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