新たな情報をいただけるかしら
そこにいたのはレオ王子だった。
そういえばルカの邪魔をすると言っていたので、邪魔しにここに来たのかもしれない。
そこでレオ王子が笑った。
「こんな所でマーガレット嬢一人で何をしているのかな?」
「……どういう意味かしら。そこに……なるほど」
マーガレットが何かに気付いて嗤う。
そういえば私はまだ透明人間のままだ。
なのでレオ王子は気づかないのだろう。
そうなってくると、私に気付いているように見えたり、見えない私の胸を触ったりしたのは気のせいなのかもしれない。
そう思っているとマーガレットが私の首を腕できゅっとして、
「今すぐこの魔法を解きなさい?」
「で、でも……」
「監視映像魔法機は私と一緒にいる時は偽映像で貴方がいないことになっているから大丈夫よ?」
「……え?」
「でなければこの前のカフェで私と会っているのが、とうの昔にあちら側に知れ渡っているわよ」
さすがです、マーガレット様、私はもうそんな言葉しか思いつきませんでした。
なので私は魔法をとくと、レオ王子が目を瞬かせてそれから、
「君は……ルカではないね? 私が愛してやまない彼女ではないけれど、そっくりな君は一体誰かな?」
「えっと……実は、カクカクシカジカで」
「つまり君は、異世界の“ルカ”であることになるのか」
「はい」
すぐに事情を理解してくれたレオ王子。
そして私の立場からも私のことは知らないという事にしてくれるらしい。と、
「でも、早めにこの“可愛い悪戯”はなくしておいた方がいいんじゃない?」
マーガレットは穴を指さす。
そこでレオ王子が指を鳴らすと、地面がせり上がって穴っぽいものが全て埋められてしまった。
「まさかマーガレット譲ともあろう者がこんな魔法を使えないとは」
「あら、好きな相手一人捕まえられない貴方に言われたくありませんわ」
「ははは、今は泳がしているだけだ」
「世の中思い通りにはなりませんのね」
「そうだね、彼女女の事に関してはほぼ全てそうだ」
小さく悲しげに笑うレオ王子にマーガレットはそれ以上挑戦的な言葉をやめて、
「私の部屋にご招待するわ。こんな所で立ち話もなんだし」
「おや、いいのかな? 本命以外の男を部屋に呼んで」
「だったら貴方だけ窓の外でもよくてよ?」
そんな軽口を叩くマーガレットに案内され私達は部屋に戻ったのだった。
「え、チートですか?」
「そう、君にもこの世界に来たことで何らかのチートを手に入れているはずなのだけれどね」
「……分かりません」
「ではおいおい分かるだろう」
そう優しげに私に言うレオ王子。
どことなく私を通してルカを見ているようだった。
そこでレオ王子は白い玉に気づく。
「これは盗聴器か」
「そうよ、貴方関連で私の部屋に付けられたの。いい迷惑だわ」
「ふむ、それはすまないことをした」
「それでどうする?」
そこでレオ王子は小さく笑う。
「つまり、私に君達が協力してくれるということかな?」
「敵の敵は味方。目的が一緒なら手を組むことが出来るわ」
「そうだね。そして、これから何が起こるのかをある程度知っている“彼女”がいる」
そこでちらりとレオ王子は私の方を見る。
マーガレットも私を見て頷く。
何だか責任重大だなと思いっているとそこで、
「それで、新たな情報をいただけるかしら、瑠香」
そう、マーガレットは悠然と微笑んだのだった。
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