私にはよく分かりません
そんなこんなで部屋でゆっくりと待機していた私は、もしかしたらレオ王子は私が見えているのでは……といった新たな疑惑を持つ。
ただ持ったからといってどうなのかというと、どうにもならないので私は諦めた。そして、
「私がいた所で、本命はあっちのルカだし大丈夫……なのかな?」
きちんと区別がついていれば問題がないのだけれど、と思いつつしばらく待つとルカが戻ってきた。
ぐったりとしたルカは、ふらふらとしたように私に近づき、
「明日、ベリオールとリセントの邪魔をしないといけない」
「リセント? 確か上級生キャラだよね、白い髪に青い瞳の優しそうな人だったよね」
「マーガレットと接触して興味を持ってしまったらしいの。マーガレットの行動範囲と教室移動の動きはある程度把握しているから、リセントの動き求めないといけない」
「つまり何らかの形で会話して足止めすると?」
「うん、学園内には防犯も兼ねて映像記録装置が付けられていて、そこに私はアクセスできるから」
「それって偽物の私が映ったりする事もあるんじゃないのかな?」
「うーん、全部の箇所に設置されているわけではないし、透明人間になる魔法を使っているんだよね?」
「うん」
「だったら大丈夫なはずだよ」
ルカがそういうのでそうなのかなと思う。と、
「それで瑠香、明日お願いしておきたいことがあるんだけれど」
「? 何? 私にできること?」
「うん、授業に代わりに出て欲しいんだ。私の人形を動かしておくって伝えておくから」
「授業……答えられる自信ないよ」
「そのための、映像同期魔法だよ。私に魔法でそれを送ってもらえれば、私が答えるから」
「それならいいけれど、映像同期ってどうやるの?」
「念じてみてよ。そうすると自然に起動するはずだから」
言われた通りに私は念じてみる。
【エイゾウリンクカイシ】
そんな声が聞こえて、同時にルカが、
「うん、見える見える。信用していないみたいだね。だったら瑠香が見えて私には見えないように手で隠しながら指を立ててみて」
なので手で隠すように指を三本立てると、
「三本だね」
「正解! ……これ、解除するのどうしたら良いだろう」
「解除って念じて。ちなみにこの状態だと口を開かなくても念話が出来るんだ。私は瑠香と同一存在だから」
へー、と思った私は試しに、にんにく、とつぶやくと、にんにくって何? と言われてしまった。
この世界には、にんにくは無いらしい。
そして同期を閉じた私。
そしてルカが、ベリオール用の罠を事前に用意しておくと言って、どこかに出かけてしまう。
それを聞きながら私は、
「そんな話あったかな? まあいいや、」
とりあえずマーガレットに放課後話しに行く約束があったなと思って私は歩き出したのだった。
待ち構えていたマーガレットは、何だか機嫌が悪そうだった。
部屋には花瓶に花が飾ってある。
何でも凍りづけにするのは明日に変更して、今日は花の香を楽しむらしい。
そこでマーガレットは口を開いた。
「それであのルカは何でこんな事をしているの?」
「何かをやっているのですか?」
「穴掘り」
「……私にはよく分かりません」
「ベリオールがよく一人で休んでいるお気に入りの場所に落とし穴を掘っているみたいなの。怪我をさせるために」
「あー、確かに入院したらマーガレットと会えませんからね。というか私は知らなかったのによく知っていますね」
何気なく私はマーガレットに聞いてみた。
だが聞くとマーガレットは上を指し、
「この学園の上空に、魔法観測装置を打ち上げてあるの。だから上空からのリアルタイム映像が手に入るのよ。もっとも学園内だけだけれどね」
そろそろこのヒロインは本当に大丈夫だろうかと私は思い始めるとそこで彼女は立ち上がり、
「さてと、折角だから私のベリオールが怪我をしないように穴でも埋めに行きましょうか。……貴方も手伝うのよ」
「え? でも私まだ魔法ってよく知らないのですが?」
「似ているのに魔法が使えないの? 実は穴を埋める魔法は、私も知らないし使えないから……人手がいるわ、手伝いなさい」
とのことで、私はヒロインに連れられてルカが掘った穴を埋めに向かう。
そこで私達はある人物と遭遇したのだった。
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