パワースポット+トマトジュース
「見てください!これが一週間前に突然沸き出したという清盛の井戸です!その姿を一目見ようと既に長蛇の列が出来ております!なんでも、その井戸の水を飲んだところ、持病の喘息が治ったという話や、試験に合格した、更には宝くじが当たったという話まであるそうで、新たなパワースポットとして注目されているようです」
「田島さーん」
「はいはーい」
「どなたからかお話は聞けますか?」
「わかりました。皆さん大きなペットボトルに水を汲んで帰られておりますね。ではあの人に、すみません」
「え、はい」
「夕日テレビの者なんですけども、インタビューさせて頂いてもいいですか?」
「テレビですか?」
「そうなんです」
「あ、大丈夫です」
「ありがとうございます。それで今日はどれくらい並ばれましたか?」
「いや、二時間くらいですかね」
「そんなにですか。ちなみに今日は何の為にこのお水を?」
「えっと、実は今妻が出産間近なんですけども、元気な赤ちゃんが生まれるようにと」
「あ、それはおめでとうございます」
「田島さーん。今、そのお水を飲んでもらう事って出来ますか?」
「あ、はい。すみません、今そのお水を飲んでもらう事って可能ですか?」
「え、これですか?」
「出来ないですかね」
「わかりました」
「どんな味ですか?」
「トマトジュース、みたいですね」
「え?」
「なんかトマトジュースみたいな味ですね」
「お水ですよね」
「透明なんですけど、いやでもトマトジュースだな」
「え?」
「あれこれなんか汚いのかな?すごいトマトジュースみたいな味がする」
「いや、お水ですよね」
「なんだこれ?気持ち悪い、すごいトマトジュース」
「ちょっと」
「これ飲んでいいやつ?すごいトマトが」
「ちょっとやめ」
「すごいトマトだな、ペッ」
「あの生放送なんで」




