儀式+キリン
どうも初めまして。ワタクシは海良商事のムネミツと申します。
ムネは宗教の宗にミツは光と書いてムネミツでございます。
本日、イタバシ様のお宅にお伺いさせて頂いたのは他でもありません。我が社の新商品を誰よりも早くご紹介させて頂きたかったのでございます。
イタバシ様は我が社の優良お取引き先だと伺っておりますので、私がこのようにして社長でいらっしゃいますイタバシ様ご本人のお宅へお伺いしたのでございます。
そしてその商品はと申しますと、なんとペルミナムというアフリカの先住民が食べているという動物の骨を粉末状にしたものです。
その動物は現地の呼び方でムヒータと言い、日本では麒麟と呼ばれている生き物になります。
麒麟がおるはずはないと。
そう、確か大昔のこと、あの首の長い方のキリンを日本に初めて輸入しようとした時のことです。確か北海道のどこかの動物園の園長だったと思いますが、その当時はまだ恐ろしく高価だったキリンを、あの伝説の生き物麒麟が居るとウソをついて、莫大な金を国に出させたという話です。
その通りです。麒麟はこの世に存在しておりません。
しかし、彼らは麒麟の骨をしゃぶり食っているのです。
当然それは麒麟の骨でございます。
他の動物の物ではございません。
紛れも無い”あの”麒麟なのでございます。
そしてそのペルミナム達は麒麟の骨など食べて何をしているのかと申しますと、彼らの儀式にパムワムというものが存在します。これはいわゆる性交のことです。しかし、ただの性交ではありません。
彼らは神の子供を産む時にだけ使うのです。
ペルミナムたちにはアムダージャと呼ばれる神の血統の者たちがおります。しかし、彼らは子を宿さない。そのためアムダージャでは無い者たちが年に決められた人数の神の子供たちを作るのです。
そして、その人数や、誰が誰に宿すなどはアムダージャたちが決めるのですが、彼らは聞こえる言葉に従っていると申しているのです。
儀式はとても神聖なもので、選ばれた男女はまず麒麟の骨を一本ずつ食べさせられます。一番良いのは肋骨だとされておりますが、どこの骨を使うのかはアムダージャが例の声に従って決めるそうです。そして、パムワムが行われる枝や藁のようなもので出来たムルシャナという社に連れられます。そこには麒麟の骨を砕いて溶いた水で三畳ほどの大きさの円が描かれていて、その円の外にはボミュララという仮面をつけたアムダージャたちがおります。このボミュララはどうやら木の板に果物の汁で模様を描いたり、貝などで装飾された仮面のようですが、その彼らが見守る中、男女は交わるのです。
これはペルミナムの彼らにとって絶対的な事だそうでございます。中には考え方の違いからひどく嫌がる女などもおるという話ですが、その場合喉を焼くなどは日常茶飯事で、中には四肢をもがれた者までおるそうでございます。そうまでして交わらなくてはいけないのはやはり神の神聖な儀式だからだそうでございます。
はい。これは一体なんの商品かと。
我が社はこのペルミナムたちが作る伝統的な染物を輸入しようと考えております。しかし、彼らの人口はどんどんと少なくなり神の子供たちを宿す為の体が不足しているそうです。このままでは染物はおろかペルミナムたちもこの世から消えてしまいかねません。そこで我が社では粉骨も事業としまして、食べやすく効率的な性交が出来る環境の確保を手伝っているわけでございます。
そしてイタバシ様、この度あなた様がアムダージャに父体として選ばれましたのです。ええ、当然日本人でも結構なのでございます。
明日、アフリカへ出発しますゆえご準備をお願い致します。
え?
お相手でございますか。
そうでございました。ワタクシとしたことがとんだ失礼を致しました。
申し訳ございません。
お相手はイタバシ様、あなたの娘さんでございます。
幸い、まだ手足はちゃんと付いておりますゆえ早く。へへへ。




