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 僕はどこまでも続く下り坂を歩き続ける。途中、道端でラオが口から舌をダランと出して死んでいた。ネットを通じて知り合った有希が求めてくる。

 おかしい? 有希とは会ったことがないし、顔は知らない。なぜ彼女が有希だと、僕は分かるのだろう。……そうか、また夢か。僕は最近、夢を見過ぎている。でも現実に早く戻りたいとは特には思わない。現実はもっと味気なく、不安に満ち、僕ができることは限られ過ぎているからだ。現実について考えると、僕は嫌な気分になってしまう。

 

 有希は小柄で利発そうな顔をしている。生まれつき茶色い髪のショートカットは、彼女にとてもよく似合っている。突然、有希の舌が僕の舌に絡みつく。僕は強引に有希を引き剥がし、足をかけて転ばせ、馬乗りになって唾を浴びせた。

「君が有希だって? 笑わせるなよ。有希は君みたいに初対面の相手にそんなことするような人じゃないんだ。いくらネット上で仲が良かったとしても」

 僕は彼女に向かってそうハッキリと言った。彼女は苦笑いをしながら僕を見つめた後、何も言わずにどこかへ行ってしまった。

 僕はまたこの下り坂を歩き始めた。歩道はどこもかしこも精液と血が飛び散り、汚れていた。異様な雰囲気と匂い。僕は歩くスピードを少し速めた。

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