準備は万端で
始まりの街には2種類の人間がいた。
このゲームを開始している人たちと、時間を止めてしまっている人。
普通にダイブインしてデスゲームを迎えていたら俺はきっと状況を理解できず立ち止まっていただろう。
俺は姉さんほど強くないから。
今は姉さんを探すという目的がある。そして、クリアする。
このトスカーレという街は気候も温暖で住みやすく、農業系のクラスには最適の街だ。
止まっている人達もきっと生きていけるだろう。
クラフト系のクラスで活動を開始している人達もいる。
こういう人達がいないと俺達戦闘系クラスは何もできないからな。
なるべく早く製造を頼める知り合いが欲しいところだ。
しかし、今はクラスが育ってないから対したものは作れないだろう。
こういう時はギルドに限る。
ーーー。
「よぉ兄ちゃん。ここは鍛治ギルドだぜ!今日は何か用かい。」
街にはAIで動いているノンダイバーキャラクター 通称NDCが溢れている。
なかなか賢くて十分に話ができる。
「あぁ 騎士系の片手剣が欲しいんだけど。」
「騎士系ねぇ。予算は?」
このゲームでは開始時に1000リルのお金が貰える。
その財布を開いた時にまた胸の締め付けられるのを感じた。
この街でひたすら時を待つ人達はこれだけで生きていくのかと。
空腹感というやつはなかなか厄介だ。
だが、俺もまた姉さん以外を気にするほど余裕がない。
逆に明日には死んでるかも知れない。
「800でいいのある?」
「それならこれだ。「ハイフォンソード」720リルどうだい?」
「じゃそれで。あと、この初期武器買って。」
「まいどー。そっちは12リルな。」
基本的には武器は作って貰った方がステータスUPやら追加効果があるものができることもあるのでいい。使いやすく加工もお願いできるしな。けど今はクラスランクも低いし素材も全然無いだろうからそれは諦める。
最初のうちは、お手軽ちょい高いギルドで購入が吉だ。
防具はあたらなければどうということは無い精神。
そもそもディソーダーは軽装装備しか使えない。
たいして性能かわらないしな。それに、初期防具のシックなグレーが好きだったりもする。
回復とかのアイテムは高いので買わない。
ゆくゆくはもしもの時のために一個は持っておきたいけどな。
食事は買っておかないとな。
ネットで見つけた噂によれば限界まで空腹感を上昇させるとその場に倒れ、二時間以内に食べないと死ぬらしい。
βの時に試してみようと思ったが、あまりの空腹感に靴を茹でて食べようとしたあたりで断念して食べ物を貰った。
あれは本当にやばい。
実験の観察をお願いしてた女の子のプレイヤーが肉に見えたぜ。
食事くれなかったら食ってたな。
それはおいといて、スキルをセットしよう。
クラスごとに選べるスキルは決まってる。
クラスがあがれば選べるものも増えるし、スキルを磨けば上位スキルとか新しいスキルを覚えることもある。
俺のオススメはフロントステップと受け流しかな。
組み合わせて使えば、接近が格段に安全に行えるパリィになったりもする。
すれすれを弾きながら懐に入って攻撃できるからダメージUPも期待できる。
体術スキルは便利だけど、初期のクラスランクでは2つまでしかセットできないしな。
戦闘に関する準備はできた。
ここから姉さんが行く可能性があるルートは3通り。
水の街エルディラか科学都市カルム、魔術学園ミーミル。
情報を集めるとしよう。
ーーー。
書き方の下手さに困っております。こうしたらいいよ!などのアドバイスありましたら是非是非、感想などで教えてください。