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ラストライフ・オンライン  作者: 蜜柑
魔術の学園
47/99

おしゃれは大事の前の小事

「ところで、その執事の服ってどこで買ったんですか?」


 やっぱりヴェルは大人だ。

 大人に対しては大人な対応をする。


「これですか?」

 執事が自分の姿をみながら答えようとした。

「私が作ったのよ!」

 ゴスロリ少女が俺たちに向かってしゃべった第一声がこれだ。


「へぇ~。凄い技術じゃないの?」

 イオも興味深々といった感じだ。


「えぇ。私の裁縫のランクとデザインセンスはこの世界でナンバーワンですもの!」

 うわぁー。

 リルとそっくりタイプだ。


「ボクも着てみたいんだけど駄目かな?」

「もちろんいいですわ!ただし同じものは作りません。あなたにあったデザインで作らせていただきます。」

「おぉ!楽しみにしてるよ。」

「それでスリーサイズは?」

「スリーサイズ!?」

 なんでヴェルにスリーサイズ聞くんだよ!?

 驚いて声が裏返ってしまった。


 それにしても、さっきまで気弱そうに執事の後ろに隠れていた姿はどこへやら。


 だが、これは好機だ。

 俺もカッコイイ装備がほしい!


「あのさ、俺の

「私にも可愛いの作って!」

 イオの声に押し負ける俺・・・。

 俺が姫風ドレス着た方がいいんじゃないかな・・・。


 待てよ。

 これはイオのスリーサイズを聞けるチャンスじゃないか!

「いいですよ。執事服ですね。」

「え・・・?」

 イオが愕然としている。

「すごく似合うと思うのですが、ダメですか?」

「う…うん。じゃ執事服で。」

「ウェディングドレスがよかったですか?」

 がっかりしているイオに優しい言葉をかけている。

 リンカは意外と良い子のようだ。


 しかし、イオ!

 こっちみて赤面しすぎでしょ!

 俺の許可がほしいのか!?


 そして、各々の注文を受けた後、リンカは作業に入った。

 こんなことで日を過ごしてる場合じゃないと思うかもしれないが。

 防具として上級の裁縫職人が作った防具にはスキルやステータスがつくこともあるため、非常に重要な準備なのだ。

 今までギルドで買ってきたのが間違いだ。


ーーー。


 次の日。

 夕日が眩しい時間帯。


「できました。早速着てみてください。」


 それぞれ部屋に戻り着替えている。

 よし、ちょっとヴェルの様子を見に行くか。


「入るぞ~。」

 勝手にドアをあけて侵入すると・・・。


 半分脱ぎかけた背中が見えている。

 男とは思えない綺麗な曲線で構成された華奢な体だ・・・。

 脱ぎかけの服を手でおさえてこちらをみている。


 なにこれ。

 俺は男の裸を見ているはずなのだが・・・。


 いや・・・。

 目覚めたりはしないぞ!


「かなた・・・。あんまり見ないで。」

挿絵(By みてみん)

 おい!なにそのリアクション!

 つーか、俺そんなに見とれてしまったのか!


 とりあえず部屋から出た。

 自分の胸の高鳴りが聞こえる。


 イオ・・・ごめん。

 俺は最低な人間だ。


 よし!

 こうなったらイオの裸で俺は自分を取り戻す!


「イオ~。入るぞ~。」

 大丈夫。

 俺はアロンダイトを受ける覚悟がある。


「ちょ!待ってよ!心の準備ができてない!」

 純白のウェディングドレスのイオがいた。

 胸のあたりの防御力が薄い。


 この高鳴り・・・俺はやっぱりイオに惹かれている。

「イオ。よかったな。俺はまともだ。」

「どこがまともなのよ!女の子、それも着替え中ってわかってるのに入ってくるなんて!」

 

 追い出された。

 ヴェルだったら剣で斬り殺されてただろうが。

 俺は盾で顔を殴られる程度で済んだ。

 これが恋の力だ。


 そして、イオの部屋の前で泣いているルリに会った。


「どうした?」

「すごく素敵でした。イオさん。私も着てみたかったです。」

「頼まなかったのか?」

「頼んだらそんな体型には似合わないってこれを着せられたんです。」

 なるほど。

 だからルリはネコミミフード付のパジャマ着てたのか。

 あまりに似合ってるからいつもそれなのかと思ってしまったぜ。


「見ろよ!これ!」

 リルが自慢げにくるりと一回転。

 イヌミミパジャマだ。

 似合ってる。

 しかし、おまえそういう趣味だったんだな。


「ところでおまえら。」

 全員のお披露目が終わった中で言う。

「そんな格好で人前でたり戦ったりできるのか?」


 結局、戦闘向きの服を作り直し、さらに次の日まで時間をかけた。  




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