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ラストライフ・オンライン  作者: 蜜柑
魔術の学園
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いないことの意味

 夜になって各自準備や情報収集も終わり決めてあった宿に集合した。


 なぜかヴェルの顔が暗い。

 女の子に逃げられたかな。


「さて、誰から報告しますかね?」

「私たちから武器についての報告を。」

 ルリが一本の剣を取り出した。

 今までに比べて重そうだ。


「説明は俺がするぜ!」

 リルが剣を握って見せた。

 持ち上げられなくて困っている。


・・・!

「トリガーついてるぞ!」

「おう!名付けてバスターライフルグレードサーベルだ!」

 自慢げに語る名前が最低だ。


「・・・。まさかもう名称登録してないよな・・・。」

「大丈夫です。私が止めておいたので。」

「偉いぞルリ!」

 ルリの髪をなでまわした。


「えぇ、葵にしないといけませんから。」

「冗談はおいておいて。イオ!なんで名前教えたんだよ!」

「えっ・・・」

 赤面しすぎだ。

 これでこいつの思いに気づかない唐変木がいたら馬鹿だな。


「いいじゃないですか。良い名前ですよ。」

「もう名前なんていいから・・・。性能を頼む。」

 リルが名前否定のダメージから復活。


「あぁ。このトリガー引くと魔弾の効果が剣につく。」

「つまり、魔法剣ってことか。」


「そうさ。中級魔法まで対応だからな。マジックフェンサーよりも強い攻撃が一瞬だけ撃てるぜ!」

 確かに便利だがなんか盛り上がりにかけるな・・・。

 と思ってるとそれが伝わったらしい。


「待て!まだあるぞ!」

 だいぶ焦っている。


「こんなのどうだ!剣にブースター付けてぶっ込む!」

「無いな。」

「ブーメランみたいに投げたら返ってくる。」

「なんの役に立つんだよ。魔法剣で十分満足してるからこれ以上はやめておこうぜ。」

 ひどい落ち込みようだ。

 大人だとか言ってすまなかった。

 子供だ。


発明王キング・オブ・ハツメイの俺にもう少し時間をくれ・・・。」


「次ー。」

「私は食料調達と装備の手入れ。ユグドラシル攻略に時間かかるみたいだからね。」


「かなたとベタベタしてただけじゃないかな。」っとヴェルが言うと思っていたが微笑みにいつもの余裕がなく黙っていた。


 それにしてもイオはわかりやすくなった。

 カルムでのあれから2人でいる時はあまり隠さなくなったのだ。

 いろいろと。

 

 人がいるといつもに戻ってしまうが。

 男まさりというイメージが強かった現実での葵にもこんなところがあったのかと驚かされる。

 こうなったのもLLのおかげかもしれない。


「それでヴェルはなんで一言挟んでこないのかしら?」

 イオも言われると思っていたらしい。


「うん。かなた・・・。確定した話はできないんだけど。」

 とても言いづらそうだが先を聞かないといけない話だろう。

「どうした?」

「お姉さんいなくなったみたい。」

「いない?ユグドラシルにか?」

 どういう意味でのいないなのかさっぱりわからない。


「ユグドラシルっていうか・・・。この世界かも。」

「死んだって言うのか?」

「攻略組の人に会ったんだけどね。10層でボス撃破のリーダーをしてたらしいんだけど。」


 冗談で言ってるわけではない深刻さが伺える。

 他の仲間も黙ってしまっている。


「それ以降誰も見ていないって。」

「見てないだけだろ。」

 死ぬような人じゃないからな。

「うん。ただ、20層の攻略にもいなかったらしい。」

「それでも死んでいない。どっかで迷ってるんだろ。」

 こっちは道のわからない巨乳だからな。


「そうね。氷花さんがそう簡単に死ぬわけがないわ。」

 ただ危ない状況にいるのは確からしい。


「僕はトスカーレのプレートを見てこようかと思うんだ。生きてることだけでも確認しておいた方がいいだろうから。」

 なるほど一理ある。

 絶対に無駄足だが。

 死ぬわけないのだ。

 死んだら困るのだ。

 まだ何も返せていないのに。


「でも、ヴェルがいなくなるといろいろと困るんだよな。」

「確かに使えるモヤシよね。2人きりを邪魔されるのも嫌だけど死んだら困るし。」

 また後の方が聞こえなかった。


「ヴェル。とりあえず攻略されてるところまで登ろう。おまえがいないと俺たちじゃなんともならないからさ。」

「仕方ないね。かなたの頼みとあれば叶えちゃうよ。」


「その話に私も加えてもらえませんか?」

 そんな風に急に声をかけてきたのは白髪のウォーウルファー初老執事だった。

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