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ラストライフ・オンライン  作者: 蜜柑
魔術の学園
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再会の中で

 イオが少し膨れている。


 今ならわかる・・・

 食べ過ぎたのだ。



 魔術学園ミーミルは大きな学園都市だ。

 学校に所属すると、魔術の学習ができる。

 ソーサラーなど魔術系のクラスの拠点に便利な街だ。


「学園都市っていいよね。」

 現役女子高生には馴染みやすい雰囲気らしい。

「このお店も美味しそう。」

「寄ってくか?」

 そんな感じでいくつも店をまわっていた。


「ここはなにが美味しいのかな?」

 空いてる席に座りメニューを見ながら言う。


「あんまり食べると太るよ?」

 ヴェルがお店の入り口から声をかけてきた。


「食べても太らないでしょ。ゲームなんだから。」

 そう言えばゲームなんだったなこれ・・・

 あまりにリアルすぎて忘れていた。

 しかし、ゲームといういい方はもう違うのかもしれない。

 セカンドライフをおくるステージといったほうが納得できる。


「LLだと食べたカロリー分現実でも太れるんだよ?」

「うそでしょ・・・?ていうか何でいんのよ。せっかくデート気分だったのに。」


 最後の方が声が小さくて聞き取れなかった。

 そして


 イオが少し膨れている。


 今ならわかる・・・

 食べ過ぎたのだ。


 喋らなくなったのは吐きそうだからか?


「それでヴェルどうしたんだ。」

「散歩してたら見かけたからさ。あんまりイオさんばっかりかまってたらダメだと思うよ。」

「ん。そんなにかまってるか?」

 そう言われてみれば前よりも一緒にいる時間が増えたようなきがする。


「診断結果はベタベタです。」

「そっそんなことないわ!」

 膨れていたイオが必死で否定している、

 少し傷ついた。


「ん。どういう意味だ。俺とベタベタは困るってことか?」

「えっと・・・それは・・・。」

 

 ヴェルのため息。

「一応、女の子なんだから困らせちゃダメだよ?」



「あれ?イオさん!」

「え?ルリ!」

 ルリが走ってくる。

 

 そんなルリがイオに飛び込む中で、リルが入り口から俺を見ている。


「待たせたか?」

「だいぶな。まあ来たなら良い。」

 大人っぽくなりすぎだろ、急に。


「すまん。つーか女に手を引かれて来た。」

「かっこ悪いやつだな。まあお前らしいんじゃねえの。とりあえず武器見るぜ。」

 結局、自分じゃまったく手入れできなかったからな。

 見せるのが恥ずかしい。


「剣は私に・・・。セーブザクイーンは私に。」

「せっかくだから戦車の素材で強化すればいいんじゃない?レア素材だし命名権つくかもだし。」

 イオが少し照れくさそうにいった。


「そうですね!今すぐやりましょう!」

「イオが持った方が良いんじゃないか?」

 いつも守られる俺の方がクイーン側だしな。

 しかし、誰も反応してくれなかった。


「えと、名前はセーブプリンセスで・・・。」

 イオが控えめに大胆なことを言う。


「さすがにそれは無理があると思うなー。」

 ヴェルも命知らずだな・・・。

 アロンダイトの切れ味、最近良くなっているんじゃないか?


 そして、イオとヴェルがいなくなると話が進むのもいつものことだ。


「剣の名前・・・イオにします?実名にしますか?」

「しつこい!リル!ネーミング任せた。控え目で頼む。」

「ああ。ついでに武器の仕上げも任せてもらっていいか?」

「考えがあるのか?」

「あるぜ。とっておきが!」

 久しぶりのニヤリ。


 最近大人っぽくなってたからな、リルはこうじゃないと可愛くない。


 やっぱりこのメンバーといると楽しくなるな。

 これをゲームとして楽しめたらと思う。


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