火に追われて
主砲が火をふく。
まじで火をその主砲から吹いている。
そして俺たちが逃げたほうへ砲塔を回転させてくる。
「うぉー!」
全員で火に追いかけられつつ敵の周りをぐるぐる走るしかない。
そんな中でヴェルだけが矢を放つが相性が悪いのか弾かれる。
「もうちょっと走って!きれるはず!」
遅れてきたファランの言うとおり吹かれる火炎がとまった。
「一気に攻めるぞ!」
右手のスパタを叩き込む。
が、弾かれる。
逆にスパタがダメージを受け劣化している。
イオのアロンダイトですら弾かれている。
有効なダメージを与えられない間に砲塔の上についた銃座が動きだした。
再びファランの注意がとぶ。
「ガードしても足とめられるからね!」
しかし、確認してあったとおり十分避けられる遅さの弾丸だ。
「支援するよ!」
錬金開始!
鞄から取り出した何かの素材を左腕に持つバスケットに投げ込む。
完成!
バスケットから取り出したのは液体の入った茶色のガラス瓶。
硫酸ボトル!投擲!
その液体が掛かった装甲が溶ける。
「ナイス!」
そこにピンポイントでヴェルの矢が命中する。
さらに俺の剣撃でダメージを加え2割ほどHPを削る。
「GYAGAGAGAGA!」
機械なりの怒りの咆哮なのだろうか。
再び主砲が火を巻くが、
ワンパターンな動きに全員で対応できている。
今回はさらに装甲が溶けた部分を矢で撃たれ、着実にダメージを受けている。
俺も負けじと左手のブラックバートを放つが外れ装甲に弾かれる。
「宇宙戦艦大和のままでよかったんじゃないの?」
イオの皮肉が痛い。
「左回りじゃ無ければ当てれるんだよ!」
「じゃあかなたは右手に持とうか。」
「それだ!さすがヴェル!賢いな。」
ファランとイオの溜息が聞こえる。
そして、俺の銃のダメージも加わり繰り返すうちに敵のHPが3割をきる。
「思ったより弱いわね。」
確かにワンパターンだ。
「油断しないでね。この程度で終わるはずないから」
ヴェルの注意。その通りだ。
「でも走り疲れました。」
ファランの胸なら仕方ない。
しかし、その油断を狙うように火炎を吐きつつ銃座が回転し始めた。
その射線が狙うのはメイド!
「あぶない!」
ファランの後ろから体当たりをしかける。
こけない程度のナイスな後押しだ俺!
まあ、代わりにスタン弾を食らうわけだが、他のやつがくらうくらいならマシだ。
バチっと電撃を受けて身体が麻痺する。
さらに、麻痺で動けない俺に火炎が迫る。
どうみたって連続ダメージで燃え尽きるだけだ。
「ごめん。姉さん・・・。」