発明の威力
アスガル草原を超えて、クラックアワー砂漠。
白骨化した牛のような骨がところどころに落ち、生物が住むにはあまりに過酷な乾燥した死のエリアだ。
サイクロンがところどころに発生することで赤褐色の土が舞い、ところどころにあるといわれているオアシスも近づかなければ見ることができない。
こんな最悪のエリアだが、乾燥に強いリザードマンという敵が多く住んでいる。
ウィザードタイプから槍や弓となかなかの知性を持った敵だ。
肌の色は緑色と茶色の二種類がいる。
虫とか爬虫類が駄目らしいイオは俺の服の裾を離してくれない。 そして、その惨劇は砂漠を半分ほど進んだあたりでおきた。
「おい!発明王!敵に見つかってるぞ!」
どうやら聴覚が優れているらしいリザードマンの近くでこけたようだ。
まあしかし弾がもったいないとまだ一度も使ってなかったブラック・バートの出番だ!
左手をすーっと伸ばし、敵の右眼に狙いをつける。
景気よくダブルショットといこうじゃないか!
どっかーーーーーーーん
耳元に落雷したんじゃないかという爆音が響いた。
ついでに銃身が真っ赤に燃え上がり排莢すらできない。
おまけに爆音で周りにいた5体のリザードマンがあまりの音に戸惑った様子を見せたあと一斉に襲ってきた。
「それが誤作動らしいな。」
「おまえ俺が狙われてるからって落ち着きすぎだろ!」
思いっきりブラック・バートを投げつけてやった。
「あつっ!?」
「早く直せ!」
左手にハイフォンソードを構えなおし二刀流で迎え撃つ!
斧をもったやつが二体突撃をかけてくる。
槍はアビリティ3連突の気を溜めている。
その後ろにウィザードタイプ二体、魔法を詠唱している。
ヴェルは双子の護衛で手を出せない。
イオは現在役に立たない。
斧の強力なジャンプからの振り下ろしが二連続で襲う。
重たい一撃だか遅く、知覚加速など無くても避けられる。
しかし、地面に直撃した斧は地を揺らし、俺の足元の砂漠を流化させ踏み込めぬ泥沼とかした。
ステップが踏み切れないまま、3連突の2連発に襲われる。
一段目が俺の足目掛けて放たれる。
それを俺はこけるようにして避けるしかなかった。
もちろん次の攻撃を避けることはできない。
爆発芸術!
触ったものを爆発させられるアビリティだ。
それを敵の槍にぶつける。
昇華!
そして、二発目に合わせて爆発させる。
痛いがあの槍を受けるよりはましだ。
しかし、まだウィザードの魔法の追撃がくる。
「かなた!右火!左水!」
リルがブラック・バートに弾をつめこみ投げ返してくる。
知覚加速を使い、左手で受け取り氷の魔法に火弾を、火の魔法に水弾をぶつけ相殺させた。
まぁこんだけやって最初の攻撃を凌いだだけで何も好転していない。
というか、自分の爆発芸術でダメージを受けた分、状況は悪くなっている。