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ラストライフ・オンライン  作者: 蜜柑
やるべきこと
17/99

鍛冶と発明

アスガル草原の街道を歩きながら、俺は一つの疑問を口に出した。


「なぁ。イオはなんであんなとこにいたんだ?」

「知り合いにアイアンの素材が欲しいって頼まれてね。ゴブリン探して鉄鎧とか集めようと思ってたわけ。」

「鍛治の知り合いがいるのか!」

「いるわよ?発明家もいるわね。」

「紹介してくれ!」

「今ならバザーにいるんじゃないかしら。」


ーーー。


そうしてあったのがリルとルリの双子の兄妹だった。

「あら。イオさんおかえりなさい。」

「ルリー。いっぱい鉄鎧とってきたよ。」


妹のルリ。

幼児体型のチューマ族。

鍛治のクラスで既にアイアン素材を扱えるところをみるとかなり高ランクだろう。


「おー!イオじゃん。早かったな。」


兄のリル。

弟にしか見えないがこっちが兄らしい。

クラスは発明家。

ロマンを追いかけガラクタ作りによねんがないらしい。


「かなた。早く鉄鎧出しなさいよ。」

「はいはい。どーぞ。」


 鞄に収納していたアイテムを物質化させルリの前にどさっと並べて見せた。

 このデータ化と物質化のおかげで重たい鞄を持たなくて済むわけだ。


「まぁ。ほんとにたくさんですね。」

「昨日からゴブリンばっかりやってたからな。」

 しかし、あんまりルリが嬉しそうにしていないのが気になる。

「お礼に払うお金がたりなさそうですね・・・。先ほど兄が大量の銀を買い込んで見事にガラクタにしてしまいましたから。」

「発明に失敗はつきものだ!それに一個眼鏡できただろ。まぁレンズ一個しかついてないけど」

「その眼鏡いくらで売れば黒字だと思ってるんですか。」

 妹のほうが苦労が耐えずため息まみれのようだ。

「じゃその眼鏡と俺の剣が代金ってことで。」

「えー!?」

「お!お兄さんこの眼鏡わかっちゃう?」

「まあな。」


 早速、眼鏡を受け取って・・・。

「なんで武器かまえてんの!?」

 余分な部分というかほとんどの部分を斬り捨てた。

「ヴェルー。」

「ありがとー。これが無いと落ち着かなくて。」


「!イオさんそちらの2人は?!」

 ルリがヴェルの方をみてから異常なテンションのアップを見せた。

 さすがに俺でも傷つく。

「チェイサーとバカ。」

「あの・・・おバカさん。名前を聞いてもよろしいですか?」

 もじもじとしながら聞く姿は可愛いが・・・俺にじゃないから傷つく。

「うーん。混乱して失礼になっちゃってるね。ベルヴェルクです。よろしくね。」

「ルリー。この見た目だけイケメンに騙されちゃ駄目だよ。モヤシなんだから。」

「ヴェルは性格もイケメンだけどな。」

 なんでこうイオとヴェルは敵対しているのだろう?

「そんな照れちゃうよ。ルリさんあとでお茶でもしましょうか。」

「えっ!えー!お願いします!」

 ルリがすっごい赤面している。

「いかせません!このバカ何するかわかんないんだから!」

「イオ。ヴェルは信用できるやつだ。」

「僕とかなたの親密度は100パーセントだからね。」

 ヴェルがぽっと顔を赤く染めた・・・。

 なんでだよ・・・。

・・・。

「どういうことよ!何かしたの!?」


 ここからイオの誤解をとくのにまた20分かかった。

 俺までアロンダイトの錆になるとこだった。

 というか、人にダメージのはいる街の外だったら今の俺は錆だった。


「ヴェル!こいつの前では含みのある話し方はやめるように!」

「仕方ないなー。」

「具体的にはどこまで・・・?」

「ルリ!」


 駄目だ。話を変えないと


「そうだ。発明王。」

「呼んだか!」

 嬉しそうなリル。飛び跳ねる姿が可愛い気がした。


「頼みたいことがあるんだが。ちょっとここでは言えないことなんだ。」

「秘密の発明もロマン!わかってるな!」

 ニヤリ!

「おまえもな!」

 ニヤリ!

「精神年齢が同レベルね・・・。」

 イオのため息が聞こえる。

 男のロマンに対する理解が足りないようだ。

「イオにはおしえてやらないからな!」

「いいわよ。かなたに聞くから。」

「やっぱりイオさんとかなたさんは

「ルリーーーー!」

 イオがルリの口を必死で押さえている。


 なんか話がすすまないな。


「それでどうしてイオは双子と知り合ったんだ?」

「えっとですねぇー・・・。お恥ずかしい話なのですが、デスゲーム開始のコールがあった後、混乱して私泣いちゃって・・・。」

「あの時は凄かったな。俺が背中さすってやっても駄目だったぜ。」

「その時慰めたのが私!これ以上は聞かないで!」

「そうなんです。凄くいい言葉でした。『一緒に頑張ろう。私も帰って会いたい人がい

「ルリーーー!」

 また必死で首を絞めている。

 ・・・首っ!?

 

 全然進まない。

「で、デスゲーム開始のコール?」

「あー。かなたは後追いだから聞いてなかったね。要約すると、デスゲーム開始する。ダイブアウトしたかったらこのゲームをクリアすること。私はユグドラシルの木の上で待つ。あーはっはっはって感じだったかな。」


 なるほど。

 最終的にはユグドラシルを登るのか。

 姉さんと一緒にきっと。


「さすがベルヴェルクさん!とっても似てました。素敵です。」

「ヴェルでいいよー。」

「ルリ!騙されちゃだめ!」


 無視しないといつまでもこの展開だな・・・。


「リル。明日の昼までに頼めるか?」

「発明王に任せるがいい!」

「ルリも剣頼むな。」

「はーい!スキル系は攻撃系でいいですか?」

「それでよろしく。」

「じゃヴェル。明日の昼にカルムに出発するぞ。準備しっかりな。」

「はーい。」

「私も行くの!」

「危ないって・・・アロンダイト握り締めるのやめろっ!一緒行くから!離さないから!」


 ・・・ぽっ!じゃねぇ・・・

 危険物を拾った気がする・・・。

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