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神の領域[後編]

リュプケの家

リュプケ「おい!ベッカー!返事をしろ!」

エレミア「どうしたんですか?」

体を作ってもらったエレミアが水晶の前のリュプケに問いかける。

リュプケ「エレナとか言う魔女だ。ベッカーの中で生きてやがったんだ。」

リュプケは悔しそうに。机に突っ伏した。

リュプケ「奴は私の最高傑作だぞ!渡すもんか!渡すもんかぁぁ!」リュプケは自分が泣いていることに気がついてハッとした。

リュプケ「ベッカーよぉ、帰ってくるよなぁ。」

魔女はうなだれた。


ところは変わって帝国領深部

ベッカーは首都の地下に入っていった。ワイバーン、ドラゴンの研究所。外は阿鼻叫喚の地獄だ。

警備達もパニックになって、ベッカーどころではない様子だった。

エレナ「アナタの望みは何?私が叶えましょう。」

ベッカーは今までのことを思い出した。

帝国の四天王の一人、ハートランド、その腹心で鉄機兵乗りの狼の獣人ウルフブレスの奇襲作戦。

そこで自軍の野砲が準備が整う時間を稼ぐために自軍の少ない騎兵を連れて突撃、引き際を誤って死んだはずだった。

ベッカー「リュプケ、ネクロイド。懐かしい。」

ネクロマンサーの魔女、リュプケにネクロイドにされ、実戦データを取るために、戦場に舞い戻った。

ベッカー「そして、ロバート。」

国の唯一の巨人、俺の親友。アイツの死と引き換えにウルフブレスの駆る鉄機兵のオリジナルを倒した。

ベッカー「レオナール、カーラ。」

魔法剣の師弟で協力して街を奪還した。

失敗した停戦交渉。カーラを慰めたっけなあ?

ジョン、マリサ、エレミア……

シンフィールド「どこ行くの?貴方。そっちはトイレじゃないわよ?」

考え事をしているうちに、道なりに進んでたらしい。

目の前の魔女が時空から斧を取り出す。

ベッカー「俺の望み、終戦だよ。」


剣撃、斧から繰り出される一撃は重い。フクロウの死体からはぎ取った剣は瞬く間に折られて使えなくなった。

シンフィールド「私の城のあり方、よくわかったわねぇ?」

ベッカー「外にドラゴンのデカい発着場が見えたんでね。」

シンフィールド「それでココまで来たの?ゴキブリみたいなやつね。」

ベッカー「しぶとさもゴキブリ並みさ。」

崩れ行く、帝国の首都。その地下施設。その通路は崩れた壁が床に落ちて配管が折れて中から蒸気が漏れている。

ベッカーは近くの鉄パイプを取った。

エレナ「私の出番?」

頭の中でエレナが囁く。ベッカーは心のなかで応える。

ベッカー『加勢してくれるのか?』

シンフィールド「何をボーっとしてるのかしら!」斧がベッカーに振り下ろされる。鉄パイプで受けるが鉄パイプは耐えきれず割れた。

ドスッ!

シンフィールド「は?」

割れた破片がシンフィールドの腹部に刺さる。

キューちゃんに狙撃され癒えたばかりの傷口がまた開く。ドバァ。血が滝のようにこぼれ落ちる。

エレナ「私は因果律の魔女。貴女の死を引き寄せた。」

ベッカーの口からエレナの声がする。

シンフィールドは床に倒れた。

シンフィールド「バカ、な、新手の魔女だと?因果、りつぅ?あり、得、な……」

斧の魔女は自分の血の海に沈んで動かなくなった。


ベッカー「着いた。最深部だ。」

そこはドラゴンだったものがドラゴンを生む場所だった。壁に張り巡る動脈がリズミカルに鼓動を刻む。

エレナ「こんなのがあったなんて。」

ベッカー「エレナ。最後の頼みだ、いいかい?」

エレナ「アナタとならどこまでも。」

ドラゴンドライブ。それを臨界まで出力を上げる。

けど、自分ではリミッターを解除できない。

ベッカー「やってくれるね?」

エレナ「任せて、アナタ。」


ーエピローグー

レオナール「停戦、の間違いじゃないのか?」

カーラ「終戦よ。帝国の首都が木っ端微塵ですって。」

南部の前線から本国首都の作戦群に戻ってきたレオナールはその報に耳を疑った。カーラの持ってきた報告書に目を通す。

レオナール「四天王が全滅?!こりゃすごい!誰がやったんだ!?」

カーラ「知らなーい。」机に座るカーラは足を組み直した。

レオナール「おいおい、そこ大事じゃないの?」

レオナールは机の引き出しから禁煙パイプを取り出した。

カーラ「あら?禁煙?」

まあね。

レオナール「となると、今のうちに軍備の立て直しをやらないとな。」

カーラ「なら、いい情報があるわ。」

じゃーん!カーラは新しく刷られたであろうチラシを見せてくれた。

レオナール「ネクレイターズ?」

カーラ「最近、魔女の間で人気の商品よ?めちゃくちゃ強いの!」

レオナールは連絡先を見た。

レオナール「ここ、ベッカーの家じゃないか?」

カーラ「あ、そうなの?」

知らんのか、まぁ、首都で付き合ってたからなぁコイツら。

レオナール「とりあえず、奴の家に行って話を聞いてくるよ。」

カーラ「私も、行く行く。」

2人は扉の向こうへ消えていった。


       ーおわりー

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