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帝国の魔女

フクロウ「画質はご了承ください。」

(ザーッ)

『……コイツは私の商品だ。非売品だぞ?力付くでも売ってやるもんか……』

テレビ画面を食い入るように見ていた魔女が笑う。

魔女「アッハッハ!この声、アイツか!ネクロマンサーのリュプケ!懐かしいな!ケケケ。」

(ザーッ)

『コレだ。データを取れ。』

魔女「お?」

画像の男の体に赤いオーラが纏う。

魔女「ドラゴンドライブ?あれ、完成してたのか。そしてコイツ、大きくなったなぁ。」

フクロウ「知り合いですか?」

魔女「まあな、あちらは記憶がないだろうが。」

いいねぇ、椅子から立ち上がった魔女は伸びをした。

帝国領の首都

その魔女にとって、セントラルタワー高層階からの夜景は最高の眺めだった。

魔女「私の作品とお前の、どっちが上かな?リュプケ。」


リュプケ「エレミア。」

リュプケはエレミアの顔を両手で持ち上げた。

エレミア「直りますか?コレ?」

エレミアの首が目を開け、喋りだす。

リュプケ「ベッカーの旅には同行できそうにないが、そのうち直るさ。少女の体がいいだろ?」

エレミアはなにかいいたげである。

リュプケ「あー、前の?痛みが激しいから全部交換にしよう。」

二人のやりとりを見ていたベッカーが言う。

ベッカー「その状態でも喋れるんだな。」

リュプケ「幽世音声だよ。お前ら肺呼吸してないだろ?」

そう言われてみれば……

リュプケ「死体のゴーレム。私の先祖はアンドロイドとか作ってたんだぜ?大破壊時代で技術、メンテナンスパーツが作れなくなってどうしよう?せや!パーツの予備の入手が比較的容易な魔導生命体、ゴーレム作ればいいんじゃね?ってなったのが興りよ。」

ベッカー「説明くさ。」ベッカーは壁にもたれて腕を組む。

リュプケ「うるせーな。とりあえず、頭が無事ならいいのさ。個人を決定づける記憶媒体だからな。」

とりあえず、これつけとくかぁ。

エレミアの首に手がついて、顔だけだが歩けるようになった。

リュプケ「魔法で接着しただけだから、気をつけろ?後でちゃんと縫合しないとな。」

エレミア「よかった。自分で歩きたかったんですよね。」(カサカサカサ)

ベッカー「こえーよ。」


リュプケは車椅子をメカクレネクロメイドに押させて

家の外に出た。

リュプケ「馬で行くのか?」

ベッカー「アイツを仕留める。あれが最後の四天王だ。」

リュプケ「後で、味方、助っ人をよこすから。それまで死ぬなよ。」

頭さえ残ってればいい。そう言ってたな。

まあ、アイツと刺し違えてでも仕留めるつもりがだ。

アナタ

死んだって構わない。待ってる人がいるんだから。


ベッカー「この馬、速いな。」

フクロウ達の足跡はリュプケにもらった変な装置で追える。奴等の所に刃のつむじ風、エウレカ姫もいるはずだ。ベッカーは街道をそれて山道に入っていった。

ベッカー「険しい。アイツラ、よくここを通ってきたな。」

馬を置いて、急勾配の上り坂を登る。修験者か何かか?

フクロウ「我らを追ってきたな。バカな奴め。」

木の上、ベッカーの頭上から声がする。

フクロウ「おっと、動くな。リボルバーだ、わかるな?」 

ストッ

地面に降りてくる。ベッカーの後方、数m。

ベッカー「エウレカのところまで連れてってくれると助かるんだが?」

フクロウ「お前を無力化してな。」

カチリッ、撃鉄を上げる音

それと同時にベッカーは振り向きざまにナイフを投げた。

ドス!

フクロウ「うぅ!?」眉間に刺さる。ガスマスクがなければ即死だった。

ベッカー「蛾の鱗粉だ。」

フクロウ「何だソレは!う!」ドバァ

フクロウは血を吐いた。ガスマスクがその血を留める。溜まった血がフクロウを窒息させる。

ナイフに付着してた蛾の鱗粉の毒が肺を襲う。地球のへそにいた蛾、その鱗粉を吸ったものは、死ぬ。

フクロウはその場に倒れ、もがいた後、動かなくなった。

この調子で行こう。

死んでる体に鱗粉は害はないが生身の人間はそうはいかない。そこにアドバンテージがある。

ベッカーはそのまま山を抜けて、帝国領に入って行った。


フクロウC「一人か?殊勝な奴め。」

フクロウD「鱗粉か、厄介だな。」

!同じ手は通じないということか。今度は山の中でも開けて、足場のいいところでフクロウ達は待ち構えていた。

フクロウ達は抜刀した。

ベッカー「こちらには光の剣がある。撃ち合いにはならないぞ。」

フクロウC「ふん!ソレは百も承知よ!」

時間差、左右から時間差での斬撃。ベッカーは光の剣でソレをハラッた。

フクロウ「かかったな。」

接触発動魔法。ベッカーは混迷状態になった。

ベッカー「グぅ!」ベッカーはその場で片ひざをついた。

フクロウC「脳内麻薬さ。効くだろ?」

フクロウD「魔法剣はお前だけのものではない。」

???「そこまでです!お前達!」女性の声?

!ズド!

ベッカーの後ろから何か鋭利なものがフクロウCの顔に刺さる。

伸びた腕?

フクロウD「チッ!新手か!」

パン!パン!顔に腕が刺さっているフクロウがリボルバーで残った方の隊員も処理した?

ベッカー『一体何がどうなってる?』

リュプケ「またせたな。ベッカー。」

今まで何をしていたんだこの魔女は?いつも、頭の中でわーわー騒がしいのに。

リュプケ「なんだよ、寂しかったのか?」

そ、そそ、そういうわけではない。

助っ人「間に合いましたね、よかった。」

顔だけ人間で他の体は黒い螺旋?伸び縮みする、魔導生物。がベッカーを支えた。

ベッカー「く、まだ近くにいるかもしれないぞ?!」

ベッカーの心配を尻目に魔女は続ける。

リュプケ「ゴーストハックもできるのか?スペック機能に載ってなかったぞ?クインシー。」

クインシー?

キューちゃん「奥の手です。呼びにくかったら、キューちゃんと呼んでください。」

ベッカー「助っ人ってコイツか?」

リュプケ「うちのネクロイドお買い上げの最初の魔女が等価交換つってくれたんだ。いいだろ?壊すなよ?」


魔導生物、キューちゃんが仲間人間加わった!



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