食い殺す程の好敵手
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
能力が同じくらいの子って、意識し易いんです。
それを他を食い殺す程の子にぶち当てた様が見たいです。
人と言うのは、ある意味物語を好んで食べる生き物だ。勿論、私もその中の一人、だから様々な媒体で物語を消化している。今日も今日とて友人と共に漫画を見て、読了後にささやかな感想会を行っている。
「この子バリイケメン……!! ……ヤバ……。なんで男で出さないのかな」
彼女が指さしたのは波打った髪を持つ、目の大きな美少女だった。一見すると可愛らしい。けれども読み進めて行くと、かなり男前。正義感が強く、弱い者いじめが嫌い。目の前で見ると、その輪の中に突っ込んで、苦言を呈さなければ気が済まないタイプの子である。
「そりゃ勿論、他の男性キャラ食い殺すから」
その途端、物凄い神妙な顔をして、此方をみた。別に嫌な意味じゃないって。
「この子が魅力的過ぎて、他の男性キャラ、あーつまりなんだ。ヒーローポジさえ伸してしまうから。『え、なんでこの子と付き合わないの』って読者側思っちゃうから。女子で良い」
すると納得した様に瞳を輝かせた。どうやらそれ相応にお気に入りのキャラになったらしい
まぁでも、この子と同じくらい魅力的な子が出てきたら、滅茶苦茶意識して欲しくもある。
他の追随を許さない程、完成された輩というのは、やはり魅了される。下々の者が喚き散らしても、相手にしない大人びた人間を見ている気分になるのだ。
でもそんな完成された輩が、時折ムキになって、子供らしく意地を張るのを見たら、その比じゃない程に堕ちてしまう。
「有り得ない話だけど、この子が最初から男性として登場して、その子と同じくらい魅力的なキャラが出たら、子供の様に意地を張って欲しい。その好敵手相手に、滅茶苦茶突っかかって欲しい」
人間目上の者と、目下の者に対しては、そこまで敵愾心を持たないものである。絶対に目が合わないから、争う必要がないのだ。けれども能力が等価の場合、目が合ってしまう。些細な事でも目に付いて仕方が無くなる。つまり意識し易い関係にあるのだ。
そういうの、好き。対等にさえ並ばなかった子が、殴り合えるだけの相手を見つけられた様で、とても好き。少年漫画で言えば、ある意味ラスボス。少女漫画で言えば、運命の相手。そんなのだから。
「好敵手がいるって事は、自分の半身を得たのと同義だからね」
少女漫画にですね、めっちゃイケメンな『お女子』がいるんですよ。もうべらぼうにイケメン。
正々堂々勝負するし、嫌味がないんです。
主人公ちゃんとも仲良しですし、なんなら主人公ちゃんがファンです。
で、男性なら間違いなく読者の人気をかっさらうと思ったんですよ。ヒーローを差し置いてね。
これを『他を食い殺す』『他を全て伸す』と表現してます。
この役者に役を食われる。なんて言いますが、それだと生ぬるい。
『食い殺す』というワンステージ上の言葉にしました。
でも『男性』にして、そこまで完璧にしてしまったら、多分孤独だろうなぁと思います。
誰も彼に叶わないし、悩みを聞いても流されそう。
そんな時に人気を二分するようなキャラが出て欲しいと思います。
その相手にだけは、滅茶苦茶意識して、突っかかって欲しいんです。
今までずっと勝ってきて退屈だったのに、気張るという楽しみを知って欲しいんです。
それって恋愛、友愛色々ありますが、それだけ特別って事だと思います。
作者は特別扱いが好きなので、そう言うの見ると容易く落ちるんですよ。