表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/113

5-11

 まだコントロールが不慣れなリッコだ。出し切るのは楽だが少なくするのは難しい。


 光の帯を途中で千切ると、ぴり、ぱち。と静電気のようなものが彼女の指にまとわりつく。「これは困るわね」とオードにこぼすと、「魔力は電磁波に似てると言うからな」と教えてくれる。


「電磁波に?」

「そうだ。右のこめかみの辺りから左の踵へ向かって流れる。だから足の裏は必ず左の踵がささくれ立つし、白髪は右に集まりがちだ。これまでに意識したことはなかったのか?」

「そんなの気付かないわよ。まだそんなに白髪が出てくる歳じゃないし──いや、でもそっか。だからフリーカラーのパンプス……」

「心当たりあったか」


 うんうんとうなずくリッコを横目に、くす。と笑って手を差し出すオード。

 リッコの指先にまとわりついているテープを一枚ずつつまんで床に円を描くように置いていく。

 それがやがて荷物も含めて一周囲むと、彼は真っ直ぐに立って西洋語を唱え出した。


 リッコはテープから深紅の光が下から上へと垂直に伸びていくのを見て、身をすくめた。


 紅が円柱を作るように立ち昇っていく。


 その柱が完成する少し前にオードが告げた。


「できるだけすべての穴をふさげ。目や口は閉じて耳は両手で押さえろ」

「え?」

「いそげ。息は止めろ」


 慌てて言われた通りにするリッコ。

 目を閉じているから見えないが、時々赤い光がまぶたに当たる。それと同時に、両手からぱりぱりと静電気が走った。いや、おそらく魔力なのだろうが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
魔力は、たしかに電磁波のようなイメージがありますね。そして、ここでついにフリーカラーのパンプスの謎が解けましたね…!納得です。リッコの魔力が影響していたのですね。 続きも楽しみに、これからも読ませて…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ