表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法の杖のテスター 〜それは憧れから始まったことなの。魔法使いの彼女への〜  作者: 夜朝
第5章 進展

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/118

5-5

「ナナカかわいそう……どうして協会はナナカに?」

「渡せる状態の手引き書と杖とがセットでそろっていたのが、その時は師匠だけだったと聞いてる」


 リッコは両手で顔を覆って、深く吸った息を吐き出した。

 その手を少しおろして、覆っているのを鼻と口だけにする。自由になった両の目で前を見ると、そこにはオードの顔があった。

 穏やかな表情だ。

 リッコは、ぽそりと言葉をこぼした。


「あたし、ひどいことしたわ」

「うん」

「お金なんか持っていくんじゃなかった」

「うん」

「大人になっても欲しいと思ったらあげるって約束してくれた。あの約束を信じてれば良かったのよ」

「うん……そうだな」


 リッコの目からは涙が幾粒も幾粒も転がり落ちていく。


 オードは片手でハンカチを差し出して、もう片方の手で彼女の頭を撫でた。


「師匠さ、リッコが来なくなってた間も極東語の手引き書を少しずつ作ってたんだ。いつか杖と一緒にリッコにあげられるようにって」

「ナナカ……ごめんね、ごめんね」

「ここで言っても仕方ないぞ」

「会いたいよ──っぅえええん」


 だから。

 だから行こう。

 師匠の住まいへ。


 いよいよ本気で泣き出したリッコを持て余し、とりあえず頭を撫でられるだけ撫でて、中央北へ──ナナカの家があるオードの故郷へと、一緒に行こうと持ちかける。


 リッコはうんうんとうなずいて渡されたハンカチが全面的にびしょ濡れになるまで、ずっとずっと泣いていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ナナカの本当のことを知り、涙が止まらないリッコの様子に、オードがハンカチを差し出しつつ、頭を撫でるのがとても印象的です。 そして、改めてナナカのところへオードとともに向かうようですね。二人の再会、互…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ