表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/103

1-8

 笑いながらナナカはリッコに聞かれたことに答えてくれた。

 火の精霊を呼ぶと燃料は必要なく魔法の火を燃やせること。大抵の植物は魔法の火で炒ると黒くなること。火の精霊を自分も呼んでみたいと言い出したリッコに対して、ナナカは難しそうに眉根を寄せた。


「あら……そうね、どうかしら。子どものうちは属性が固まっていないから、呼べば返事をするかもしれないわね」

「呼びたい呼びたい。ねえナナカ、いいでしょ?」

「ええ。試してみましょうか。でもリッコ。一言二言試してみて、もしダメならすっぱりあきらめるのよ。いい?」

「うん! 分かった」


 ナナカは再び立ち上がると今度は燭台付きのロウソクを一本、持ってきてテーブル中央に置いた。水晶でできた二十センチくらいの杖を手にしてロウソクに火を灯す間、彼女はずっと異国の言葉を喋っていた。


「ねえ。今なんて言っていたの?」

「今の? あれはリッコの国の言葉で言うとね、『灯れ火よ、四十九の階段を上り下りて。我が生くる世の門となり汝らの世界から同胞を寄せよ』ってなるわ」

「……うーん、難しい……」

「大丈夫よ、リッコがこれから使う言葉はもっと簡単だから」


 言ってナナカは両手を差し出し、リッコの手を左から順にロウソクの側へ手のひらを上に向けてかざすように誘導した。そして自身の手はリッコの手を下から支えるように添えて、目を閉じるように言う。その後、これから言う言葉を繰り返すように告げるのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ