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「やった……!」
水精は光と冷気が合わさって出来上がると、オードから聞いた通り。
濃い青の光は水の精霊が玉に宿った証だ。これで持ち主を火精の暴発から守ることができる。
リッコは護符をテーブルに置くと、万歳の形に両手を上げて満面の笑みを青い明かりに浮かべた。
「ありがとオード、やったよハヤタ!」
ばんざい、ばんざい。と一人で狂喜乱舞のリッコ。
思い出すのは今日の昼食のことだった。
自力での精霊召喚に成功したことがなかったリッコは、その心配を二人に伝えた。
二人とも魔法が使えるから、相談相手にはもってこいだった。
その結果、オードからは歌を教わり、ハヤタからは気を抜くことを助言された。
命令に従わせるようなイメージで真剣に考えすぎだから、もっと遊びに誘うくらいの軽い気持ちで試してみろよと告げられた。
リッコは鮭とイクラがのったクリームスープパスタをスプーンの上でくるくるとやりながら、うんうんとうなずいたのだった。
美味しい食事。ためになる話。良い時間だった。
それらを思い出したリッコはほくほく顔で持ち上がる頬を両手で押さえた。




