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4-15

「どっちもそれぞれの良さがあるんだな。気泡があるのは水だけでなく風も入れられる。すると火属性の人間にも肌馴染みが良くなるんだ」


 へー。と二人で感心したような吐息をもらして、ハヤタが掲げた玉を四つの瞳がのぞき込む。

 もう一つのほうの良さはと聞くと、オードはそれを持ってみるようにとリッコを促した。

 リッコはオードの指示に従い、左手でガラス玉を握り、右手でハヤタと握手をした。

 その形でオードはリッコの左手を拳の上から包み込み、リッコに呪文を復唱するように言う。


「宿れ水よ──その遥かな深みより」


 すると、海の波。潮の歌が彼女たちの耳の奥で聞こえてきた。

 その音に集中しようと目を閉じると、眼裏に海の中の景色があふれて自分たちがどんどん沈んでいった。

 うわ!? と、上がる声はハヤタのもの。彼はリッコと握っていた手を離すと、目を真ん丸に見開いて激しく脈打つ心臓の上に手をやった。


「何だ今の?」

深水(しんすい)の良さだよ。ただの水ではなく海とつながるから、護符の力が強まるんだ」

「もっと底まで見てみたかったのに。ハヤタって海は嫌い?」

「いや、俺な……その、カナヅチなもんで」

「ええ、そうなんだ〜。そしたら、気泡入りのほうが良いわよね」


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― 新着の感想 ―
青いガラス玉、凄いですね。オードの指示と、リッコの呪文で、海ともつながるとは……。そして、ハヤタの意外な一面も明らかになりましたね。 気泡の方は、水に風も入れられるとのこと、魔法の力をさらに引き出し…
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