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「ガラス玉のひとつやふたつなら構わないわよ。ポイントも付くしね」
「ここでの決済の仕組みがよく分からないが、高くなるなら経費で落とせよ。──さて、ガラス玉はどこに売っている?」
案内板はどこかと左右に目をやるオード。
そんなものないぞとオードを引き止めるハヤタ。
リッコはカートに向けて「ガラス玉の売り場へ行って」と告げた。
すると、カートがひとりでに動き出して三人を先導する。
太い道を通って奥へ向かい、階段状ではなく坂道になっているエスカレーターで二階へ。
そこからまた少し進むと、ガラス製品の並んだ売り場に出た。
「それじゃ好きなの選んでよハヤタ! えっと、青い球体が良いのよね? オード」
「真ん丸のならこっちの棚だな。青って色々あるが」
「そうだな。できれば水みたいに透明なのがいい」
リッコは先にテグスを探してきてカゴに入れた。
すると『ぽん』と音がした。
商品がスキャンされた音だ。
その間もまだ決まらないハヤタのそばまで行って、リッコは彼の手元へ顔をのぞかせる。
「どれとどれで悩んでるの?」
「おう。この気泡がある浅い水色のと、深い青と淡い青のグラデーションのと、どっちも良くてな。お前ならどっち選ぶ?」
「魔法使いの意見としては? オード」




