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4-6

「リッコはわた──おれたちと会ってない間も魔法を使う練習してたって話でしょ。ならそろそろ杖がなくても魔法が使えておかしくないと思う。開通は済ん」

「どういうこと!?」


 まだオード(ナナカ)が言い終わらないうちから食い気味に答えて、ずいっと詰め寄るリッコ。

 オード(ナナカ)は仰け反りながら降参の形に両手を挙げた。

 リッコはなおも言い募る。


「杖か指輪か本がなきゃ魔法は使えないんじゃないの?」

「あら、これまた代表的なとこ挙げて……」

「ねえどういうこと? あたし杖がどうしても必要だと思ってたのよ」

「覚えてない? 杖だけあっても魔法は使えないって教えたことあったでしょ。……ナナカが」

「覚えてるわよ。でもオード、杖とマニュアルがあれば魔法は使えるんじゃないかって言ったわ」

「あら、そんなこと言った。そうね」


 オード(ナナカ)は少し遠い目をして空を見上げた。

 今、二人は中庭にいる。

 始業の鐘を聞いてすぐリッコのところへやってきたオード(ナナカ)は、連れ立って中庭へ向かいながら、他の開発者やテスターには言わない話をリッコにだけしている。

 リッコはじっとオード(ナナカ)の次の言葉を待った。


「杖や指輪はね、極東語では依代って言ったら良いかしら。精霊の力を発動させるために一時、彼らを宿らせる器なの」


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― 新着の感想 ―
オード(ナナカ)の言葉から、杖がなくても魔法は使えるかも知れないのですね。「依代」としての杖や指輪、語り出す言葉に、リッコが興味と驚きをもって耳を傾けている様子がありありと伝わってきました。 オード…
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