表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/112

3-17

『可愛くてって……ペットじゃないんだから……このことは秘密にしておきます』


 とても懐かしくて、ただただ呆れるやり取り。

 それを思い出していたオードはシャワーを浴びてようやく疲れが抜けたような気がした。もう寝てしまおうかとも思ったが、ナナカと同じく三食きっちり派だ。ルームサービスのメニューを見て豚肉のステーキのオレンジソースがけを頼むと、注文が来るまでの間、部屋の照明をぎりぎりまで落とした。そしてソファに腰かけて深く息を吐き出す。


「さて。ケイオンを子どものおもちゃにしないためには、育ち切った大人にもある程度の魔力を扱える仕組みが必要になってくるが……」


 明日、どうするつもりなのかこのプロジェクトの責任者に聞いてみよう。まあ初歩の初歩とはいえ、一応魔法が使えた者も数名出ている。心配は無用だろう。

 魔法協会へ助っ人を求めてやってきたこの会社お抱えの交渉人から、量産型の杖のコンセプトは、『みんなに魔法を』だと聞かされた。本日のキックオフミーティングでも紹介されていたフレーズだ。それを聞いたから協力することに決めた。

 魔法は秘匿するべきものではない。もっと開けていても良いのではないか。皆で共有したほうが、悪用の抑止になるのではないのか。


 そこまで考えて部屋のドアがノックされた。

 明かりを元の明るさに戻しながら部屋を横切りドアを開ける。礼を言って室内のローテーブルに食事をセットしてもらうと、空腹を訴える胃にワインと共に豚肉を流し入れて、満たされる時間を過ごしていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 「みんなに魔法を」という理想を聞いて協力しているオード。皆で共有した方が杖の悪用の抑止にもなる、というのも一つの考え方ですね。 プロジェクトが今後どうなっていくのか、ますます目が離せませ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ