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端末を操作して、歩行や走行が必要なテストパターンを一旦省く。半分くらいまで減った項目を眺めつつカラーシートの束を取り上げた。
ジェスタはユーリンを含む三人に依頼メールを飛ばしたので、彼女たちがここに到着次第、何をしたらいいかレクチャーしてやってほしいとリッコに告げて立ち去った。
リッコは彼の背中に返事をした後、ベーシックセットの紺色をコネクタに差し込んでから靴を履いた。
踵から爪先までが温もりと同時に染まっていく。黒の時と同じだ。
端末にOKを入れて靴を脱ぐ。
無色透明に戻る際には一瞬の出来事だ。
これなら、染まる場合ももう少し素早くできるのではないだろうか。
リッコの期待感はふくらむのだった。
「リッコ〜。来たわよ。何をすればいいの?」
「ありがとユーリン。あのね、このパンプスを履いて、少しずつスピードを上げて全力疾走してほしいの」
結局、ユーリンのシートは焦げることはなかったが、若干他の二人よりも熱くなった。
後の二人は何事もなく期待通りの結果が得られ、リッコは残念に思いながらもジェスタを呼び出すはめになった。
靴のテストは他の女性に譲らなければならない。
* * *
土曜と日曜は仕事が休みなので、精霊交信の練習だけ終わらせたらもう一度、眠り直している。リッコは心地良い二度寝から目を覚ました。腹の虫が鳴ったのだ。




