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ナナカは謝りながら申し訳なさそうに笑って彼の髪型を元に戻すと、気を取り直して自分の荷物を漁り出した。
「リッコがどこへ連れて行かれたのか突き止めましょ。
何倍もスキルが上の相手なら私の魔法に干渉できるわ。
逆に私だってやろうと思えば貴方やリッコの魔法になら手を加えられるのよ」
「聞きたくありませんでしたねそれは」
「あら、現実から目を背けちゃ強くなれないわよ?」
ふてくされたオードはナナカがローテーブルの上に様々な道具を店開きしているのを横目で眺めていたが、やがてそのそばにしゃがみ込んだ。
「リッコがどこへ行ったか、分かるんですか?」
「干渉したのは私の魔法よ?
分からないわけないわ」
しかし。
一番有力だと考えていた魔力のほころびを逆探知する魔法から始めて、最も望み薄だと思われていた水盤占いに至るまで、ありとあらゆる方法を試したが、リッコの居場所はつかめなかった。
「分かりませんね」
「ああもうだめ。魔力が」
「オレンジジュース飲んでください」
グラスを渡しながらナナカを見つめるオード。
彼女は魔力が尽きかけていてもまだあきらめていないようで、何か他に方法はないか考えをめぐらせている。
彼の反応はまた別で、ナナカに無駄な努力はやめるように進言した。
「何言ってるのよ! このままにできるわけないでしょ!?」