表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/112

6-1

「早く帰りましょオード。早く帰って──ナナカに会いたいの」

「慌てなくても師匠は逃げないぞ。急ぐと無駄が出るって言うだろ……ああでも、そろそろ良い時間か。じゃあ行くかな」


 準備は済んでるか?

 聞かれて深くうなずくリッコ。その後、自分の鼻をそっと触る。寝る前には治っていたがまた何かの弾みで血が出てこないとも限らない。が、今のところは危なげないので再度うなずいた。

 リッコはここにくる時に使ったテープを求めてオードへ手を差し伸べたが、彼はそれへは首を振る。

 リビングには大小様々な円陣が金の文字で描かれており、これを使うのだと示された。

 座標はオードの極東での宿泊先に設定してあるから後は魔力を注ぎ込むだけだと教えられ、彼女はあわてて彼を引き留めた。


「待って待ってオード。まさか自力で跳べなんて言わないでしょ?」

「心配するな、師匠が敷いた転送陣だぞ? 動力さえ回せば制御は自動でやってくれる。自信持て」

「本当に大丈夫?」

「大丈夫だからそう心配するな」

「──分かった……」


 杖の代わりに床へと魔力を流し込む。

 すでにつかんだイメージとしては、バケツの中に入っている水を口の細い花瓶へ移すようなものだ。

 細く細くできると魔力は素早く満遍なく対象物に巡っていく。一筋の円陣を構成している金文字が淡く発光したのを合図にリッコは陣の中央に歩み出た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
転送陣を前にしたリッコ、オードの言うとおり、うまくいくといいですね。鼻を気にするオードも印象的でした。 前話に登場したソイが、どういうかたちでリッコたちの前に現れるのかも気になります。続きも楽しみに…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ