第八話 レベル上限到達
思ってたより読んでくれてる方が多くてびっくりです。
猿殲滅戦から数週間たった。あれからオレはアウムドの森を拠点に、森林の各所を制圧していた。
アナライズで調べた結果によると、"フィリフィス大森林"というらしいこの森はあの魑魅魍魎が跋扈していた平原と比べるとまだ常識的な生物達が生息していた。
角の生えたオオカミ、目算で2~3メートルの蜘蛛、梟みたいな顔の熊、その他鳥類や小動物など多数。
魔獣種も普通の動物も、大小様々な生命が息づいていた。おかげで最初の頃ほど獲物に困らなかったし、レベル上げも順調だった。
『ステータス』
今日も狩りを終えてから川で水を飲み、ステータスを確認する。もう辺りはかなり薄暗い。レベル上げ兼お腹&闘争心を満たすために狩りを頑張った結果、頑張り過ぎたのか、近場から生物が居なくなっちゃったので遠出するしかなくて時間が掛かるのだ。
『さて、そろそろレベル上限のはず……』
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名前 エレフセリア
種族 下級竜種・黒鱗種・魔獣種・純竜種
レベル 30/30 進化可能
剛力 A-
耐久 C++
持久 B-
敏捷 B++
魔力 A+
《称号》
転生者
純竜
生態系の破壊者
《状態》
欠損:右翼
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『おぉ、やったぁ!』
進化先とか見れるのだろうか?風評被害はほっといて早速詳細を見てみよう!
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進化可能
進化しますか?
YES/NO
※ステータスが最大ではありません。よろしいですか?
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『YE……って、ん!?』
ちょっと待て、ステータスが最大じゃないってどういう事だ!?おいステータス、どういう事だ説明しろ。
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進化について
進化は魔獣種がレベル上限に到達する事で起こるランクアップ現象です。
進化先は、その個体が持つ称号や体験した事象、抱く願望などの様々な要因から千差万別となります。
進化する種族は、進化前のステータス評価を基準として基礎能力が決定されます。
推奨:進化前に可能な限りのステータスアップ
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『マジで説明きた!』
まさか本当に説明が来るとは……今度からはちゃんと聞いてみよう……ヘルプ機能あったんだぁ……
『でもこの内容……』
どうやら進化先はある程度方向性が決まるだけでランダムみたい。残念、自分で選んでみたかったのに……
でもこれだと話が変わってくるねぇ……
『急いでレベル上げて進化して翼を再生させる……ってぇ訳にはいかなくなっちゃったなぁ』
元々のオレの目的は進化して翼を再生させることで、長距離移動を可能にすることだ。現在、取らざるをえない陸路を移動する方法は、地上特化の黄鱗種でないと効率が悪い。オレはあくまで魔法型の黒鱗種なのだ、進化してないから変容もしてないし。
だからと言って今進化するのもデメリットが大きい。進化による変容が大きい黒鱗種にとって、進化先が優秀になる可能性を下げるのは、他の竜種に無い特徴を自ら潰す様なものだから。
まぁ、つまるところ……
『ハァ~、進化はお預けだなぁー……』
これしかないと言う訳で。
『ステータスアップ、かぁ……筋トレすれば良いのかな?頑張ろうっと』
新たな方針が決まった。
ステータス評価を上げて、より優れた種への進化を目指す。
『下級竜種を卒業するのはまだまだ先かぁ……狩りをもっと頑張ろうかな?』
もう既にかなり壊された生態系に追撃が入る事が確定した瞬間である。