第十八話 都市に入る算段
気分でアライメントを入れてみましたが、何か違う感じがするので削除しました。
申し訳ありませんでした。
2022年12月4日
現在この作品は一から書き直しております。詳しくは活動報告の[黒竜転生の今後の執筆の方針について]をご覧下さい。
「ツヴァイ、見えてきたぞ。」
「ん……!」
はぁ~…………長かったッ!ホントに暇だったッ!最初は馬車旅が楽しかったけど、景色は変わんないし、高頻度の襲撃がうざいし!都市間が何でこんなに離れてるの!
…………いや、文明レベル的にはおかしくないのか?
……というか魔獣なんてのがいる世界だから安全な都市を造るには場所選びが必須、必然的に魔獣の生息圏から外れた位置に都市が造られる=都市間の距離が離れる、こういう事かな?
「いやー、やっぱ辺境は魔獣が多いし、都市が遠いな~」
「貴族様の馬車ならもっと速く移動出来るんだろうな~。羨ましいなぁ~……」
あぁ、辺境だからなのか。中央はもっと都市間が近いんだろうな。で、辺境は開拓が進んでないから魔獣の勢力が強くて、魔獣が強いから開拓が進まない、いたちごっこじゃん。この世界の政治って中央集権だよね、間違いなく。というか、やっぱり貴族って居るんだ、絶対面倒な奴らじゃん。
そう言えば、テンション上がった私が都市の襲撃した時に貴族の屋敷みたいなのが在ったね。"炎流星"で吹き飛ばしたけど。楽しかったな~あれは。豪華な服を着た人間が、燃えながら逃げ惑ってるの!スッゴい面白かった♪
「平民の冒険者が、馬と馬車を買って商人に成れたんだ、充分だろう?」
「バッカお前、どうせならもっと上を目指そうぜジェイド!目指せ店持ち商人だ!」
「はっはっはっ!そうだなアレク!夢はでかくねぇとな!」
おぉ、楽しい殺戮を思い出してたら、何かアレクが良いこと言ってる。ごめんよアレク、変態としか評価してなかったよ。上方修正するね。ちょっとはまともな変態だね。
「嬢ちゃん、こっちに来てくれないか?」
ドズルが呼んでる、何だろ?
何か語り合い始めたジェイドとアレクは放っておいて、御者台に居るドズルの近くに行く。ちなみにイータは幌の上で見張り中。
「ん、なに?ドズル。」
「動きづらいとは思うが、これを着てくれるか?」
ドズルが渡してきたのは……フード付きのマントだね。それも身体がすっぽりと隠れる程の。
「確かにカロンドフィスは親竜都市と呼ばれている。だが、主に住んでいるのはヒューマンだ。差別からは逃れられない。ジェイドは大丈夫だろうと考えた様だが……すまない、それを着ていた方が面倒事を避けられる筈だ。」
ふむふむふむ?差別、差別か……この世界にもやっぱり在ったか。前世と違って異種族が実際に居る世界だし、肌色の違いによる差別より根深そう。下らないなぁ。
まぁ、面倒事に自ら進んで突っ込むのは馬鹿らしいし、大人しく着ようっと。
「よし、フードを深く被れば……あー、角で少し違和感があるが…………まぁ、大丈夫だろう。」
あー、私の獣耳、何か角と一体化してるんだよね。フード越しでも後頭部に何か生えてるって分かるか~…………
もう一対は、装身具みたいな形だからフード越しだと目立たないけど。
うーん…………いっか、バレたらバレたで。面倒になったら全部殺せばいいし。
「あとは……これを腕や脚に巻いておくといい。」
うん?包帯?って、あぁそういう事………
「傷有る、から、肌、見せ、ない、言い訳?」
「あぁ、そうだな。門番には、火災から生き残ったが全身に酷い火傷跡が出来てしまい、それが原因で村から追い出された少女、それを俺たちが保護した。そういう事にする。」
「うん、わかっ、た」
この言い訳なら、門番も無理に私のフードを取ろうとしないだろうし、火傷で喉が焼けてるから片言で話しても違和感が無いね。なら、腕と脚だけじゃなく、顔とかにも巻いとこうかな。
「そうだ、確か仮面が有った筈……アレク、あの売れ残った仮面は有るか?」
ん?売れ残った仮面?なにそれ面白そう。
「ん?あぁ、あれか。ジェイドが買ってきた意味分からんやつ。」
「いや、かなり良い仮面なんだぞ?……い、一応……」
おー、どんなだろ?楽しみー。
「えっと……あった。………その…これだ。」
おー!お?お、おー……わぁー…………えーと、その。
「これ、まえ、見え、ないよ、ね?」
「そう、だな……そうです…………」
ジェイドが私に渡してきた仮面は、真っ白で左右対称に精緻な模様が彫り込まれた、完全に顔が隠れる、綺麗な仮面だ。
元々は貴族が使ってたのか、大分品がある感じ。けど、これを被ってたら普通の人間は前が見えないだろうから、どういう使用例が有って、何で手放されたのか。
少なくとも仮面舞踏会では無いだろうね。怖い怖い。
「蚤の市で売られてて、安かったし、見た目も良かったから買ったんだ。目の部分が空いてないのには、後から気付いたんだ…………」
「おう、ジェイド。お前、商人だろ?」
「すまん、アレク…………値段に釣られる馬鹿な商人ですまん…………」
あー、ジェイドが衝動買いしちゃった産物なのか。処分するにはやたらと品質が良いから扱いに困ってたと。厄介払いじゃんそれ。まぁ見た目が気に入ったから貰うけど。これを参考にして自作でもしようっと。
「それで大丈夫なのか?前が見えねぇだろ?」
「と言ってもなぁ、他に顔を隠せる物なんてなぁ。」
「少し不安が残るが……やはり、包帯を巻くしかないか……ん?嬢ちゃん、何してるんだ?」
少し仮面を眺めたりしてイメージを固める。基本は同じで、模様を変えて目の部分を空けるだけでいいかな。よーし、やるぞー。
「"死氷"」
死者の世界の氷で仮面を造る。参考にした仮面と同じく顔を完全に隠せる大きさ、違いは目が空いてるのと装飾が控えめになった位かな。
早速着けてみようっと!…………いかん、顔に固定するための紐を忘れていた。…………包帯を紐代わりにするか?
「あー、そうだな、そうだよな。造れるなら造っちまった方が都合が良いよな。」
「わざわざジェイドが買ってきた意味分からんのを着ける必要はねぇよな。」
「解決したなら、それでよしだ。イータ!幌の上で寝てないで降りてこい!もう都市に着く、見張りはもういい!」
「ふぁっ!?寝てない、寝てないよ!?」
手直しした仮面を身に付けて、腕や脚に包帯を巻いてる内に着いたみたい。
さてと、ようやく到着か。親竜都市の竜、どんな味かなぁ。楽しみだなぁ。




